介護福祉士にとって、コミュニケーション能力は非常に重要なスキルです。しかし、頭では分かっていても、「利用者さんとうまく意思疎通ができない」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、介護福祉士のコミュニケーションの基本や上手なコミュニケーションのコツについて解説していきます。
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介護福祉士におけるコミュニケーションの重要性
コミュニケーション能力は多くの仕事で求められる能力ですが、介護の仕事では特に重要です。というのも、介護職は対象者と直接かかわる機会が多く、人とのコミュニケーションが仕事の基本になるからです。
実際に、介護福祉士の国家試験には「人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術」という科目が含まれます。試験の科目として確立しているくらいですから、コミュニケーション能力は介護福祉士にとって必須スキルであると言えるでしょう。
参考元:公益社団法人社会福祉振興・試験センター・http://www.sssc.or.jp/kaigo/gaiyou.html
介護福祉士のコミュニケーションの基本
家族や友人と話す場合とは違い、介護現場では相手の心を開くことがなにより大切です。ここでは、介護福祉士の仕事におけるコミュニケーションの基本を説明します。
傾聴、受容、共感
コミュニケーション能力というと、饒舌に話すことを意識する人もいるかもしれません。しかし、介護福祉士が一方的に話続けるコミュニケーションスタイルでは、相手の心を開けません。そのため、聞き上手になって相手に話させることを意識しましょう。
具体的には傾聴、受容、共感というポイントに気を付けてください。
- 傾聴:相手の話に耳を傾けること。相槌を打つことで、「話をしっかり聞いている」ということを相手に伝える。
- 受容:相手の話を否定せず、まずはありのままを受け入れる。
- 共感:相手と同じ状況を想像し、同調する。
このように、「聞き上手」を意識することで、利用者やその家族の話を引き出すことができるでしょう。
自己開示
相手の心を開くには、まずは自分が「あなたに心を開いています」と意思表示をすることが大切です。そのために、家族や趣味、出身地のことなどを自己紹介のつもりで話しましょう。
- 「私は〇〇出身です。△△さんはどちらの出身なんですか?」
- 「私は〇〇が好きなんですけど、△△さんも好きですか?」
自分の情報を開示することで、相手も話しやすくなります。また、このような会話の中で共通点を見つけられれば、心も距離感もぐっと近づくでしょう。
対等な関係で
介護現場において、介護をされる側とする側に上下関係はありません。「介護をしてあげている」という上から目線では、利用者に恐怖心や不安感を与えてしまします。反対に、過度にへりくだってしまっても信頼関係は生まれにくいでしょう。
そのため、立場の違いこそあれ、対等な関係であることを意識して接することが大切です。基本的には敬語で話すのが望ましいですが、だからといってビジネスのようなガチガチな話し方をする必要はありません。相手を尊重ながらも、フラットな関係を築けるように心がけましょう。
上手なコミュニケーションのコツは?
介護福祉士にはコミュニケーションが大事だと分かっていても、具体的にどうれすれば良いのか分からない人も多いでしょう。そこで次に、上手なコミュニケーションを取るためのコツについて解説します。
名前をたくさん呼ぶ
利用者の中には人見知りの人やなかなか心を開いてくれない人もいるでしょう。そのような相手に敬意や親しみを示すためには、名前をたくさん呼ぶことが有効です。たとえば、「〇〇さん、おはようございます。」「〇〇さんの好きな食べ物は何ですか?」といったように話しかけましょう。
人は何度も名前を呼ばれると、「返報性の法則」という心理が働きます。これは、相手に何かしてもらったときに「お返しをしたくなる」という心理です。名前を呼ばれることで「この人は自分に寄り添ってくれている」と感じるため、「自分も心を開かなくては」という意識が無自覚に働くのです。
とてもシンプルな方法ですが、これだけでもコミュニケーションが取りやすくなるでしょう。
質問の仕方を工夫
質問には「オープンクエスチョン」「クローズドクエスチョン」の2種類があり、以下のような違いがあります。
- オープンクエスチョン:「どう思う?」「何が好き?」など相手の意見を聞き出す質問
- クローズドクエスチョン:「はい」か「いいえ」で答えられる質問
オープンクエスチョンは、会話のパターンがどんどん増え、認知症の予防にもなります。一方クローズドクエスチョンは、話すことが苦手な人でも答えやすいという特徴があります。
上手にコミュニケーションを取るには、相手の性格や心身の状態によって、2種類の質問方法を使い分けましょう。
ミラーリング
ミラーリングとは、相手の言動やしぐさを真似することにより、相手に親近感を持たせる心理テクニックです。営業や恋愛などさまざまな場面で利用されていますが、介護現場でも応用が可能です。
たとえば、目線を合わせる、相手が笑ったら自分も笑う、相手顔を触ったら自分も触るというように、行動やしぐさを真似してみましょう。そうすれば、相手は無意識的に「この人は自分と同じだ」と親近感を持ってくれます。
バックトラッキング
バックトラッキングとは、相手が言った言葉を繰り返すことで、「オウム返し」とも呼ばれます。
たとえば、相手が「美味しかったんですよ」と言ったときに、「美味しかったんですね」
と返します。このように同じ言葉を繰り返すことで、「あなたの話をしっかり聞いています」という意思表示ができるのです。
ただし、これだけでは会話が単調になり、「本当に話を聞いているの?」と不快感を与える可能性があります。そのため、ときには言い回しを変えながら会話を続けましょう。
コミュニケーションが原因でキツイと感じたら転職も検討!
介護福祉士は、さまざまな事情を持つ利用者と直接接する機会が多いため、コミュニケーション能力が非常に大切です。その証拠として、国家試験にもコミュニケーションに関する科目が含まれています。
この記事では、介護福祉士の仕事におけるコミュニケーションのコツを紹介しました。しかし、頭では分かっていてもなかなか実践できなかったり、強いストレスを感じたりすることもあるでしょう。
利用者や家族とのコミュニケーションが原因で介護福祉士の仕事がキツイと感じたら、無理をせずに転職も検討しましょう。介護福祉士として転職するのも良いですし、他の職種にチャレンジするという選択肢もあります。
介護福祉士で培ったコミュニケーション能力を活かし、前向きに転職を検討しましょう。
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