歯科衛生士は、女性が生涯安定して働ける仕事として人気があります。
しかし、実際に働いてみると、仕事と家庭との両立に悩んだり、給与などの待遇や人間関係に不満を感じたりする人は多いようです。
「もっと自分に合った働き方がしたい」
「キャリアアップできる仕事がしたい」
そう感じている人のために、歯科衛生士が活躍できる様々な職場や働き方について紹介します。
今から歯科衛生士を目指したい!という方は以下をご覧ください。
歯科衛生士の資格とは?資格の取り方から仕事内容・年収、やりがい等を簡単に解説!
歯科衛生士は、様々な働き方ができる
歯科衛生士は求人数が多く、全体的には歯科衛生士が不足している状態なので、職場や働き方をある程度選べる強みがあります。最近では、介護の現場などでも歯科衛生士が必要とされるようになり、活躍の場も広がってきました。
日本歯科衛生士会の最新の調査では、1回以上転職したことがある歯科衛生士は全体の約76%で、2~3回の転職も珍しくない状況です。また、パート(非常勤)で働く人は全体の約40%で、パートでも長く働き続ける人が多いという結果になっています。
このように、歯科衛生士は働き方の選択肢が多く、自分に合った職場を選びやすい職業だと言えます。
参考:「歯科衛生士の勤務実態調査報告書・令和2年3月」
公益社団法人 日本歯科衛生士会( https://www.jdha.or.jp/aboutdh/chosa.html)
正社員・パート・派遣での働き方は?
歯科衛生士は、結婚や出産を機に転職を考える人が多く、どのような雇用形態で働くかは大きな悩みどころのようです。
ここからは、正社員とパートのそれぞれのメリット・デメリット、派遣での働き方について解説します。
正社員
勤める職場によっても違いますが、パートよりも正社員の方が立場が安定していて、給与や福利厚生などの待遇も良いのが一般的です。
デメリットは、パートよりも任される業務の範囲が広いことが多く、残業も多くなりやすい点です。拘束時間が長く、こなさなければならない業務が多いため、それだけ負担は大きいと言えるでしょう。
結婚して子供ができると正社員で働くのは難しい面もありますが、育児休暇の充実した職場であれば、出産後も安定して働くことが可能です。
パート勤務
パート勤務のメリットは、自分に合った働き方がしやすいことにあります。家庭の事情でフルタイムで働けない人でも働くことができ、育児中もブランクを作らずに仕事が続けられます。
一方で、歯科衛生士としての仕事内容は変わらないのに、給与や待遇は正社員よりも悪いことが多く、雇用が不安定な面があります。
派遣で働ける?
歯科衛生士の派遣は原則禁止されていますが、育休などの代替要員としての短期間の派遣や、紹介予定派遣でなら働くことができます。
「紹介予定派遣」とは、一定期間派遣として働いた後、双方の合意があれば派遣先で直接雇用してもらう方法です。派遣期間内に職場の雰囲気や人間関係などが確認できますし、派遣会社が間に入るので、自分では言いにくい希望条件などを交渉してもらえるメリットがあります。
歯科衛生士が働ける職場の種類は?
ここからは、歯科衛生士が必要とされる様々な職場について紹介します。
歯科医院
歯科衛生士の就職先として一番多いのが歯科医院で、求人も常に豊富です。
休日などの労働条件、給与や福利厚生などは医院によってまちまちです。矯正歯科や審美歯科など、特定の分野を専門とするクリニックでは、必要とされるスキルも違ってきます。
総合病院・大学病院
大きな病院では、歯科や口腔外科の外来で働いたり、入院患者の口腔ケアなどを担当したりします。個人経営の歯科クリニックよりも福利厚生が手厚く、給与も高い傾向があります。
安定した就職口として人気がありますが、求人が少ないため、就職はかなりの難関です。
保健所
地域の保健所で公務員として働き、歯の健康を守るための保健指導などを行います。給与はそれほど高くありませんが、福利厚生が充実し、定年まで安定して働けるため人気があります。
常勤として働くには、公務員試験にも合格する必要があります。
介護施設
介護施設では、高齢者の健康を保つための衛生指導や口腔ケア、食べ物を噛む力を鍛えるリハビリなどを行います。施設によっては、歯科治療を行う医師のサポートや、自宅に訪問して口腔ケアを行う場合もあります。
超高齢化社会に向けて、ますます需要が高まることが予想されますので、キャリアアップにつながる仕事としても有望です。
専門学校
歯科衛生士を養成する専門学校で、教師として働くこともできます。人材を育てるやりがいのある仕事ですし、給与や待遇は比較的良く、長く務める人が多い職場です。
一定レベルの知識や経験を要求されますし、他の職場に比べて残業が多いのが大変な点です。
勤務時間、残業、休日、一日のスケジュールは?
歯科衛生士の様々な職場について見てきましたが、ここからは各職場の勤務時間や休日などについて解説します。
歯科医院と介護施設での勤務スケジュールの例も紹介しますので、参考にしてください。
歯科医院
勤務時間:職場の開業時間によって異なりますが、8時半~19時くらいが一般的です。
休日:多くの医院で週に1.5日(例:日曜と土曜の午後が休診)~2日の休診日を設けています。
残業:全体的には残業が多い傾向ですが、職場によってバラつきがあります。残業ゼロを方針としている医院もあれば、残業が常態化している医院もあるので、就活の際にはよく確認しておくことが大切です。
総合病院・大学病院
勤務時間:8時半~17時くらいが一般的です。
休日:週休2日の病院がほとんどです。
残業:病院や配属先によって違いますが、全体としては歯科医院より少ない傾向です。
保健所
勤務時間:自治体によって多少差がありますが、8時~17時くらいが一般的です。
休日:ほかの行政機関と同様に土日が休みになります。
残業:自治体にもよりますが、基本的にはありません。
介護施設
勤務時間:9時~17時くらいの勤務時間が一般的です。
休日:週休2日の施設がほとんどです。
残業:リハビリなどは予定を組んで行うため、残業は基本的にありません。
専門学校
勤務時間:一般的には8時~17時くらいですが、夜間部があるところも多く、お昼ごろから21時くらいの勤務時間の場合もあります。
休日:週に1.5日~2日が一般的です。
残業:授業の準備や生徒指導などに時間をとられやすく、他の職場に比べて残業がかなり多い傾向にあります。
一日のスケジュールの一例
【歯科医院】
昼休みが2時間程度と長いのが特徴です。職場によっては、受け付けなどの業務も加わります。
8:30 診察準備
9:00 診察
12:00 お昼休み
14:00 診察
18:30 片付けなど
【介護施設】
介護士との協力が不可欠なため、カンファレンスへの参加や報告書の作成も多くなります。
9:00 引継ぎ・ケアカンファレンスなど
10:00 口腔ケア・口腔内の衛生指導
11:30 口腔ケアの報告書作成
12:00 入所者の食事状況の確認・食後の口腔内の衛生管理
13:00 お昼休み
14:00 リハビリ・歯科医師の回診、治療のサポートなど
16:30 引継ぎ・報告書の作成
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