一生続けられる国家資格として高い人気を誇る歯科衛生士。しかし実際は、
- 仕事が忙しくて辛い！
- 慢性的にサービス残業が多い
と悩みを持っている人も多いのではないでしょうか？ここでは、そんな人のために歯科衛生士の仕事が忙しい理由と対処法について紹介していきます。
今から歯科衛生士を目指したい！という方は以下をご覧ください。
歯科衛生士の資格とは？資格の取り方から仕事内容・年収、やりがい等を簡単に解説！
歯科衛生士の仕事は忙しい？
公益社団法人日本歯科衛生士会の平成27年「歯科衛生士の勤務実態調査報告書」によると、職場に改善してほしいこととして「業務量の軽減」と答えた人が19.6%、「労働時間の短縮」と答えた人が14.2%いました。この結果から、一定数の歯科衛生士が日々の仕事に忙しさを感じていることが分かります。
また、歯科衛生士の就職先のメインである歯科医院の中には個人開業の小規模医院も多く、就業規則や業務マニュアルが確立されていないケースも少なくありません。この場合、
- 人員を十分に確保できない
- 効率的な業務ができない
- 残業時間を管理できない
という状況になり、歯科衛生士の負担はどんどん大きくなってしまいます。
参考：公益社団法人日本歯科衛生士会「歯科衛生士の勤務実態調査報告書」https://www.jdha.or.jp/pdf/aboutdh/h27-dh_hokoku.pdf
歯科衛生士の仕事が忙しくなる原因は？
歯科衛生士は診療補助や保健指導から院内の雑務まで幅広い業務を担当します。それゆえに仕事の忙しさに悩む歯科衛生士は少なくありません。では仕事が忙しくなる原因には、具体的にはどんなことがあるのでしょうか？
診療時間の延長
歯科衛生士の勤務先である歯科医院は基本的に診療時間が決まっています。そして、歯科衛生士の勤務時間は診療時間に合わせだいたい9：00～19：00（休憩含む）程度となっていることが多いです。
しかし、実際には受付時間終了間際に患者さんが来院したり急患が入ったり、処置が長引くなどの理由で規定の時間に終わらないこともありますよね。診療が長引くとその分業務量は増えるので当然忙しくなってしまいます。
器具の片づけ
一般的に診療に使う器具の片づけは歯科衛生士や歯科助手が行います。複数の患者さんに同じ器具をそのまま使い回すわけにはいかないので、しっかりと洗浄しなければなりません。使った器具の数が多かったり診療時間が延びたりした場合、洗浄を終わらせるために歯科衛生士は残業をすることになります。
専用の洗浄機械を置いたり十分なスタッフ数を確保したりと業務量を調節してくれる職場もあるようですが、現状ではなかなか労働環境を改善できていない職場もあるのです。
院内清掃
歯科衛生士は診療時間が終わった後、院内の清掃をしなければならないことも少なくありません。歯科医院には清潔さがとても重要ですし、たくさんの人が出入りする場所なので、毎日しっかりと掃除をしなければなりません。
診療が長引いたり院内が汚れていたりすると、掃除を終わらせるのに時間がかかるため、慌ただしく残業をすることになるでしょう。
院長の気分に振り回される
総合病院の口腔外科や歯科を除いて、小規模な歯科クリニックは閉鎖的な職場であるため院長の方針や人柄によって職場環境も大きく異なります。中にはそのときの気分で指示がコロコロ変わる院長もいて、それに歯科衛生士が振り回されてしまうケースもあるのです。狭い職場なので従うしかないと思いながら非常に多くの業務をこなしている歯科衛生士も多いことでしょう。
歯科衛生士の仕事が忙しいときの対処法は？
忙しい日々が続くと肉体的に疲れますし精神的にも辛いですよね。歯科衛生士は一般企業とは違う環境や事情があるのでなかなか周囲に理解されないかもしれません。そこで次に、歯科衛生士の仕事が忙しいときの対処法を3つ紹介します。
信頼できる同僚に話す
業務量や残業時間の多さによってストレスが溜まったときには、1人で抱え込まず信頼できる同僚にその悩みを打ち明けてみましょう。
- 自分だけ弱音を吐くのは良くない
- 仕事ができない人と思われる
と考えてしまう人もいるかもしれません。しかし、身近な人に話せばそれだけでも気持ちがスッキリしますし、相手があなたの仕事のサポートをしてくれる可能性もあります。我慢強く頑張ることも大事ですが、ストレスを溜め込みすぎないように、信頼できる同僚がいるならばまず相談してみましょう。
業務改善の提案をする
「仕事をもっと効率的に進めたいのに」と思っても、歯科衛生士の仕事は医師や患者さんの都合に合わせなければならない部分もあるため自分1人ではなかなか改善できないですよね。かといって院長に「業務内容が多い」「「残業が多い」と主張するのも簡単ではありません。
そこでおすすめなのが職場全体に業務改善の提案という形で効率化を図る方法です。「もっと効率的に仕事をするために〇〇のやり方を変えましょう」と提案してみましょう。職場全体でよりよい仕事をするための提案ならば誰も損しないので、「忙しい」「きつい」というネガティブな言い方をせずに対処できる可能性があります。
労働基準監督署に相談する
- 業務内容が多くサービス残業が常態化している
- 自分では解決できそうにない
と感じた時には労働基準監督署に相談をしてみましょう。労働基準監督署では、相談内容に対する解決方法や手続き、違法にあたるかどうかのアドバイスを受けることができます。もし労働基準法違反などが発覚した場合は、それに対する是正勧告もしてくれます。労働基準監督署は全国にあるので、自分の職場の管轄を調べ連絡先を確認してみましょう。
全国労働基準監督署：
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/location.html
本当にキツイと感じたら無理せず転職も検討！
歯科衛生士は一生続けられる国家資格の職業とも言われますが、本当にキツイと感じたら無理をせずに転職も検討しましょう。
- どんな仕事でも忙しいときはある
- 仕事を辞めることは良くないこと
と思っている人もいるかもしれませんが、一番大事なのはあなた自身の健康です。心身に異変が現れる前に転職の準備を進めておくことは悪いことではありません。職場を変えれば解決できそうなら歯科衛生士として転職、それでも難しい場合は新しい仕事にチャレンジするのも良いでしょう。歯科衛生士として働いた経験はどんな仕事であってもきっと役立つときがありますよ。
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