「赤ちゃんを寝かしつけるのに、毎日1時間以上かかる……」「家族全員が赤ちゃんに気をつかっている……」など、赤ちゃんの寝かしつけに苦労しているママも多いですよね。赤ちゃんをすんなり寝かしつける方法はあるのでしょうか?
そこで、この記事では赤ちゃんの寝かしつけを楽にする、さまざまなアイデアをご紹介します。寝かしつけのコツを知り、毎日の寝かしつけを少しでも楽にしていきましょう。
赤ちゃんはなぜすぐに寝つかないの?
どうして赤ちゃんは、すんなり寝ついてくれないのでしょうか?「寝るまでずっと泣いている」「眠れなくてグズって暴れる」なんて場合は、赤ちゃんを寝かせるだけで、ママはヘトヘトになってしまいますよね。
赤ちゃんの寝かしつけに時間がかかる場合に、まず見直してほしいのが、寝かしつける際の「環境」と「習慣」です。赤ちゃんがすんなり寝つくためには、眠りやすい環境と、毎日の習慣づくりが大切になります。
ここではまず、赤ちゃんが寝つきやすい環境とはどんな環境なのかを解説し、さらに、寝つきを良くする習慣をご紹介していきます。
赤ちゃんが寝つきやすい環境って?
赤ちゃんが寝つきやすい環境とは、光や音などの刺激の少ない、適温で安心感のある空間のことです。寝かしつけをするときに、テレビや電気がつけっぱなしになっていることはないでしょうか?または服装が厚着すぎたり、部屋が暑すぎたりしていませんか?
刺激の多い環境では、赤ちゃんは興奮してしまい、うまく寝つくことができません。また、暑すぎたり寒すぎたりしても寝つけなくなってしまいます。暑いせいで寝つきが悪くなっているというのは、赤ちゃんの寝かしつけでよくあるパターンです。
あなたも、暑くて寝つけない経験をしたことはないでしょうか?子どもは大人に比べて暑がりなので、大人が思っているよりも薄着でOK。寝るときは室温を涼しめにし、なるべく薄着にしてあげると寝つきやすくなりますよ。
また、大人もそうですが、寝る前に脳が興奮してしまうと、なかなか寝つけなくなってしまいます。できれば眠りにつく2時間ほど前から部屋を暗くし、落ち着いた環境を作るとよいでしょう。
特にテレビやスマートフォンなどの電子機器が発するブルーライトは脳を興奮させてしまうので、寝かしつけの前はなるべく見せないように気をつけましょう。寝かしつけの2時間前には食事やお風呂をすませ、テレビを消して落ち着いた環境ですごすことが理想です。
赤ちゃんが寝つきやすい習慣は?
夜にすんなりと寝つかせるためには、日中の過ごし方も大切です。毎日の習慣として、以下のことを、気をつけてみてください。
- 朝は毎日、同じ時間に起こす
- 昼間に太陽の光を浴びさせる
- お散歩に行くなど、体を動かしてたくさん遊ばせる
- お風呂は寝かしつけの2時間前にはすませる
- 寝かしつけ2時間前にはテレビやタブレットの使用を控える
- いつも決まった時間・場所・方法で寝かしつける
- お昼寝は15時半までにすます
まずは、毎日決まった時間に寝たり起きたりする基本的な生活習慣づくりが大切です。朝は「まだ寝ているから」と寝かせっぱなしにせず、7時までに起こすなど、家族と一緒に起きる習慣をつけましょう。
赤ちゃんの寝つきをよくするには、朝日をしっかり浴びることも大切です。大人もそうですが、朝日を浴びると24時間の生体リズムがリセットされて体内時計が整うといわれます。
また、自然な眠りにはメラトニンというホルモンが関わっていますが、朝日をしっかり浴びることで、このメラトニンの分泌が促されるとされています。
特に生まれたばかりの赤ちゃんは、昼夜の区別がつかず、好きな時間に寝たり起きたりしていますが、そこへ太陽の光を浴びることで、赤ちゃんの体内時計にだんだんとリズムができてくるのです。
くわえて、昼間にたくさん遊ばせて適度に疲れさせることも、スムーズな入眠には大切です。大人もそうですが、体が疲れていると、放っておいてもすんなり寝てくれるものです。
さらに、入浴を早めにすませて部屋を暗くするなど、寝る前に脳や体が興奮しないような習慣作り・環境作りを行うと、赤ちゃんが眠りにつきやすくなるでしょう。興奮状態や不安な状態にならないよう、毎日同じ場所、同じ方法で寝かしつけることも大切です。
また、1歳前の小さな赤ちゃんであれば好きな時間に寝起きしても問題ありませんが、1歳をすぎて生活リズムが整ってきたら、昼寝のしすぎにも注意しましょう。午後に眠りすぎてしまうと夜に寝つけなくなる原因になりますので、できれば、お昼寝の時間は2時間半ほどにし、午後15時半までには起こすようにしてくださいね。
赤ちゃんの寝かしつけに有効な方法とは?寝かしつけの3つのアイデア
ここまで寝つきやすい環境や習慣をご紹介してきましたが、赤ちゃんの個性によっても、寝つきやすい環境は異なります。環境や習慣を整えても、赤ちゃんの寝かしつけに時間がかかるという場合は、寝かしつけの方法を工夫してみましょう。
以下に、おすすめの寝かしつけ方法を3つご紹介します。
寝かしつけのアイデア1 ・体を密着させる
赤ちゃんを寝かしつけるときは、赤ちゃんがぐっすり眠るまで体を密着させる方法がおすすめです。赤ちゃんがすぐに起きてしまうのは、ママと離れて体が不安定になることで、本能的に「落ちる」と感じてしまうため。
「せっかく寝かしつけても、ベッドに置くとすぐ起きてしまう」というのはよくある悩みです。赤ちゃんが起きてしまう原因は、急にベッドに置かれることで体が不安定になることと、ママの体温を感じられなくなってしまうことが理由として考えられます。
そこで、しっかり寝つくまで体を固定してあげたり、ママと密着した状態を保ってあげたりすると、赤ちゃんが安心して寝つきやすくなるというわけです。
具体的な方法としては、以下の方法がおすすめです。
①赤ちゃんをタオルやおくるみで、ぐるっと包む
②赤ちゃんが寝ついたら抱っこしたまま仰向けになり、しばらくお腹の上で寝かせる
①の「赤ちゃんをタオルやおくるみで、ぐるっと包む」方法は、1歳以下の小さな赤ちゃん向けの方法です。赤ちゃんはぎゅっと包まれることで、子宮内にいるような感覚になり、安心して寝ついてくれます。
タオルの他にも授乳クッションなどを利用し、赤ちゃんの体が不安定にならないように工夫してみてください。
②の「赤ちゃんが寝ついたら抱っこしたまま仰向けになり、しばらくお腹の上で寝かせる」は、赤ちゃんが熟睡するまで体を密着させて待つ方法です。眠りが浅いうちにベッドに置こうとすると、赤ちゃんはすぐに起きてしまいますが、ママと一緒に横になれば起きずにそのまま寝続けてくれますよ。
布団におろす際は、赤ちゃんと体を密着させたまま、そっと横向きになり、添い寝の状態になりましょう。布団におろしても眠り続けてくれるようなら、寝かしつけ成功です。
ちなみに、3人の子どもを育てた筆者の感覚だと、赤ちゃんが熟睡するまでの時間は、目を閉じてからだいたい10分ほど、寝入るときには一息「フウッ」とため息をつき、呼吸が浅くなります。あくまでもうちの場合ですが、参考にしてみてください。
お腹の上での寝かしつけはママの抱っこの負担が減るので、おすすめの方法です。
他にも、布団に赤ちゃんを寝かせた状態で、ママが上から覆い被さり、ほっぺたや体をくっつけてトントンするだけで、すんなり寝ついてくれる赤ちゃんもいるようです。赤ちゃんにも個性があるので、お子さんに合ったやり方を工夫してみてください。
寝かしつけのアイデア 2 ・顔や耳をなでる
顔を撫でられると眠くなる赤ちゃんは多いです。特に効果的なのが、①眉間、②耳、③おでこ。ここを撫でられるだけで、スッと寝てしまう赤ちゃんもいます。顔の周りにママの体温を感じると、赤ちゃんは安心できるようですね。
「5本の指で、おでこの横をなぞる」、「1本の指で眉間から鼻にかけてなぞる」など、なで方はママやお子さんによってもさまざま。どんな触り方が好きかや、お子さんによって合う、合わないはありますが、一度、試してみてはいかがでしょうか。
寝かしつけのアイデア 3 ・入眠儀式を決める
毎日「これをしたらねんね」と、寝る前の入眠儀式を決めておくと、赤ちゃんが寝つきやすくなります。例えば、寝る前に必ず「子守唄」を歌う、絵本を読む、お気に入りのぬいぐるみと一緒に布団に入ることなどが、入眠儀式にあたります。
入眠儀式とは、すなわち「条件付け」をすること。条件付けとは、「この行動をした時には、こんなことが起こるよ」と、脳に覚えさせることです。
食事のたびに鈴を鳴らすことで、そのうち食事を出さなくても犬がよだれを垂らすようになるという「パブロフの犬」の話が有名ですが、これと同じ原理です。
入眠儀式では、いつもパジャマを着たり、子守唄を歌ったりといった同じ条件で眠りにつき、眠りへの「条件付け」を行います。すると、そのうち入眠前のいつもの行動をとっただけで、脳が勝手に寝る準備を始める、というわけです。
決まった流れや習慣があると、赤ちゃんも「もうねんねの時間なんだな」と理解しやすくなります。食事やお風呂などの習慣も、毎日のナイトルーティンとして、いつも同じ流れでできるといいですね。
赤ちゃんの寝かしつけに有効なアイテム・グッズ
赤ちゃんの寝かしつけに困ったら、市販のグッズを利用してみるのもひとつです。絵本やおもちゃ、音楽などを、入眠儀式にじょうずに取り入れられると、毎日の寝かしつけがスムーズになるでしょう。
以下に、寝かしつけにおすすめのアイテム・グッズをご紹介します。
絵本
入眠儀式にぜひ取り入れてほしいのが、絵本です。絵本はママと赤ちゃんのスキンシップになり、心や言葉の発達を助けるといわれています。
さらに、ママの温もりと優しい声を感じられる読み聞かせは、赤ちゃんを自然な眠りに導く効果が期待できます。絵本を読み聞かせるときは大抵、ママはひざの上に赤ちゃんを乗せて読む場合が多いですよね。
背中から感じるママの温もりと優しい声……こうした温もりは、赤ちゃんを心地よくリラックスさせるでしょう。寝る前の読み聞かせは、赤ちゃんにとって、ママの温もりに安心できる大切な時間になるのです。
「寝る前には毎日3冊、絵本を読む」などと決めておくと、赤ちゃんにとっても、よい入眠儀式になります。さらに、「この本を読んだらねんね」と決めた一冊があると、より赤ちゃんがねんねのタイミングだと理解しやすくなるでしょう。
「ねんね」に関係した絵本はいくつかありますので、気に入った絵本を入眠儀式用として決めておくといいですね。
おもちゃ
寝かしつけにあまり労力をかけたくないという方は、「寝かしつけ用」として市販されているおもちゃを利用してみてはいかがでしょうか。
寝かしつけ用のおもちゃとしては、音楽や光の出るぬいぐるみや、ホームシアター、プロジェクターなどがあります。小さな赤ちゃんであれば、メリーなどを利用してみるのもいいでしょう。
大人でも、「プラネタリウムに行くと眠くなる」という方は多いと思いますが、寝かしつけ用のホームシアターなどを利用すると、優しい光が赤ちゃんの興味を引いてくれ、さらにリラックスさせて自然な眠りに導いてくれます。
1歳前後の赤ちゃんは、まだ遊びたいとぐずる場合もありますが、暗い部屋でも遊べるおもちゃがあれば、赤ちゃんが自然に眠くなるのを待つことができます。寝室で寝る準備をしたら、絵本のかわりに寝かしつけ用のグッズで遊ぶ、というのも入眠儀式としておすすめの方法です。
音楽
赤ちゃんの寝かしつけには、音楽を利用するのもおすすめです。
ヒーリングミュージックや自然音、胎内音などの癒しの音は、脳に働きかけてリラックスさせる効果があることが証明されています。
寝かしつけのときには毎回、決まった音楽をかけるようにすると、入眠儀式として役立つでしょう。ママの子守唄もいいですが、市販のグッズを利用するのもおすすめ。
市販の寝かしつけグッズの中には、赤ちゃんがリラックスできる音楽や胎内音が収録されたものもあります。そうした音楽や音を流しておくことで、ママが離れたあとも赤ちゃんが物音にびっくりして起きてしまうような事態を防げるでしょう。
寝かしつけの後に赤ちゃんがすぐに起きてしまうことに悩んでいる方は、こうした寝かしつけグッズを利用して、赤ちゃんが寝た後もしばらく音楽をかけてあげるといいかもしれませんね。
まとめ
赤ちゃんの寝かしつけには、ほとんどのママが苦労します。長時間の抱っこはママも大変ですよね。また、せっかく寝たと思っても、すぐに起きてしまうのも疲れる悩みです。そんなときには、今回ご紹介した寝かしつけの方法を試してみてはいかがでしょうか。
お子さんの個性や性格などもあるため、これが効果的!という1つの方法はありませんが、いろいろと試してみると、お子さんに合った方法が見つかるかもしれません。
お子さんに合う寝かしつけ方法が見つかれば、毎日の寝かしつけがぐんと楽になりますよ。
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