保健師の資格とは?資格の取り方から仕事内容・年収、やりがい等を簡単に解説!

保健師の仕事女性の仕事・資格

みなさんは保健師という職業をご存じでしょうか。

「なんとなく聞いたことはあるけど何をする人か知らない」という人もいるのではないでしょうか?今回は、意外と知られていない保健師という職業について、資格の取り方や仕事内容、やりがい、年収について解説していきます。

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保健師とは?

保健師とは、年代や性別を問わずあらゆる人に対して、生活の質を高めるために保健指導や健康指導を行う国家資格の職業です。かつては女性だけが就くことができる職業でしたが、1993年の法改正により男性保健師も認められるようになりました。現在は、保健師として働く人のうち約2割を男性が占めています。

保健師になるためには、看護師国家試験に合格後、指定の養成機関で1年以上修学し保健師国家試験に合格しなければなりません。ただし4年制大学の看護学科で保健師養成課程も修了すれば、同じ年に2つの国家試験を受験することも可能です。

保健師と看護師の違いとは?

保健師と看護師は別の国家資格であり、その役割には次のような違いがあります。

  • 保健師:子どもから高齢者まで幅広い年代の人に対して、病気やケガを防ぐための指導をすること。主な勤務先は保健所や企業の保健室など。
  • 看護師:病気やケガを負った人に対して、医師による治療を通して回復をサポートすること。主な勤務先は病院や診療所など。

看護師は「治療」を目的としているのに対し、保健師は「予防」を目的としています。なお、保健師になるには看護師の国家資格も必要であるため、保健師として働いている人は看護師の仕事をすることも可能です。

看護師については以下参考にしてください。
看護師の資格とは?資格の取り方から仕事内容・年収、やりがい等を簡単に解説!



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保健師の資格を取るには

保健師の資格を取るには、看護師と保健師、2つの国家試験に合格しなければなりません。これらの国家試験を受けるためには、指定の養成機関でそれぞれの課程を修了する必要があります。保健師になるまでには複数のルートあるので、まずは国家試験までの道のりを理解し、試験内容について見ていきましょう。

保健師、看護師国家試験を受験するまでのルート

保健師になるためには、看護師国家試験に合格後、保健師国家試験に合格しなければなりません。2つの試験を突破するためには、主に次のようなルートがあります。

 

保健師の資格受験ルート

参考:公益社団法人 全国保健師教育機関協議会

保健師課程を含む4年制大学の看護学科に進学すれば、同じ年に2つの国家試験を受験することも可能です。ただし、その場合かなりハードな勉強が必要になるでしょう。

このほかに、5年制高校の看護科卒業→看護師国家試験→保健師養成機関(1年)→保健師国家試験というルートもあります。

保健師、看護師国家試験の概要

<看護師国家試験>(2020年1月時点の情報)

試験日程毎年2月
試験会場北海道、青森県、宮城県、東京都、新潟県、愛知県、石川県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、沖縄県
受験料5,400円
試験科目人体の構造と機能、疾病の成り立ちと回復の促進、健康支援と社会保障制度、基礎看護学、成人看護学、老年看護学、小児看護学、母性看護学、精神看護学、在宅看護論、看護の統合と実践
合格基準70%弱以上の正答率(合格率調整のため毎年変わる)
合格率90%前後

<保健師国家試験>(2020年1月時点の情報)

試験日程毎年2月
試験会場北海道、青森県、宮城県、東京都、新潟県、愛知県、石川県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、沖縄県
受験料5,400円
試験科目公衆衛生看護学、疫学、保健統計学、保健医療福祉行政論
合格基準おおむね60%以上の合格率
合格率90%前後

看護師国家試験は、合格率を90%前後に調節するため年度によって合格基準が変わります。保健師国家試験の合格率は基本的に60%以上の正答率ですが、正答が複数あったり難易度が高すぎたりする場合は採点除外されることがあるため、若干の変動があります。2009~2019年の保健師国家試験の合格率は平均で90%前後となっていますが、年によって81%~99%と大きなばらつきがあります。年によって試験の難易度に差があることを知っておきましょう。

参考:厚生労働省 資格・試験情報

資格・試験情報
厚生労働省の所管する資格・試験情報について紹介しています。



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保健師の仕事内容

一口に保健師と言っても、保健師の活躍する場所はさまざまで、大きく分けて4種類の仕事があります。それぞれの保健師の仕事内容について確認していきましょう。

行政保健師

行政保健師とは、都道府県や市町村の保健所や保健センターで働く公務員です。年齢や性別を問わずあらゆる年代の住民に対して健康な生活をサポートします。

<仕事内の具体例>

・医療相談受付

・感染症予防活動

・難病患者の家族への支援

・児童虐待予防活動

・子育て教室

・健康維持に関する講座の実施

病院保健師

総合病院や精神科のある病院、訪問看護を行っている医療機関などで働くのが病院保健師です。患者さんとその家族、病院で働く医師や看護師などに対して、病気やケガを予防し健康を維持できるようにサポートを行います。

<仕事内の具体例>

  • 退院在宅調整会議への参加
  • 退院に向けたサポート全般
  • 健康診断の対応
  • 在宅療法中の患者さんの生活サポート
  • 感染症対策室の運営
  • 病気予防のためのアドバイス

産業保健師

民間の企業や団体で働く保健師を産業保健師と呼び、保健師の中でも高収入が期待できる働き方です。社員の一人として勤務し、その組織の従業員が快適な生活を送れるように身体面、精神面をサポートします。民間企業の一員なので、従業員の健康を守ることで仕事の生産性向上や利益増大につなげることが目的です。

<仕事内容の具体例>

  • 健康診断の結果に対するケア
  • メンタルヘルスケア
  • 労働環境の整備
  • 安全衛生委員会への出席
  • 職場で起きたケガや病気の対処
  • 休職者との面談

学校保健師

小中学校や高校、大学に常駐する保健師は学校保健師と呼ばれます。養護教諭(保健室の先生)とは別の職業になるので混同しないようにしましょう。学校保健師は、学校に通う生徒、教職員の健康を維持することを目的としています。

<仕事内容の具体例>

  • 生徒間のいじめへの対応
  • 教職員のハラスメント対策
  • 急病やケガ人の応急処理
  • 生徒への健康管理指導
  • 生徒や教職員からの相談対応

保健師のやりがい

病気やケガの治療を担当する看護師と違い、健康管理を行う保健師は予防の効果が見えにくい仕事とも言えます。では、そんな保健師にはどんなやりがいがあるのでしょうか?

人の一生に関われる

病気やケガの治療は一時的なものであることも多いですが、健康は人の一生を支えるものです。保健師は、人生の基盤となる心身の健康を通して、人の一生を支えられる仕事です。健康面での悩みや精神的苦痛、育児に関する不安などをケアすることで、人の役に立っているという実感が得られるでしょう。

健康に関するプロになれる

保健師は、病気やケガを防ぎ健康で快適な生活をサポートするプロです。仕事を通して、健康に関するさまざまな専門知識が得られます。人生の基盤となる健康管理を学ぶことで、自分自身の生活にも活かすことができるでしょう。

働き方の選択肢が多様

保健師は、公務員、民間企業、学校といったようにさまざまな職場で活躍でき、職場によって収入、労働環境、対象とする人なども変わります。自分の求める働き方を選択することができるため、モチベーションを保ちやすいでしょう。

保健師の人気の理由

保健師になるためには2つの国家資格が必要であるため、相当な努力が必要です。しかしその一方で、非常に人気のある職業でもあります。では、保健師の人気の理由は一体何なのでしょうか?

ワークライフバランスが安定しやすい

保健師は看護師などと比べてワークライフバランスが安定しやすいと言われています。職場にもよりますが、残業が少ない、土日祝休み、夜勤がない、有給休暇が取りやすいなど、労働時間が安定している傾向があります。また、公務員としても働く選択肢があることも魅力の一つです。

ハラスメントやメンタルヘルスへの関心の高まり

かつては根性論で片付けられていたことも、近年ではさまざまな研究により科学的、論理的根拠をもとに重大な問題として扱われるようになりました。社会全体としてハラスメントやメンタルヘルスに関心が高まったことにより、健康管理に興味を持つ人が増え保健師の人気が高まってきています。

保健師の平均年収

保健師全体の平均年収は450~550万円程度と言われています。公務員として働く人が半数以上を占めているため、20代の平均年収は270~330万円程度と低めですが年齢とともに安定して上がっていきます。

産業保健師の場合、大手企業に入社できれは保健師の中で最も高収入、好待遇が期待きます。産業保健師としてキャリアを積めば、50代で年収1,000万円以上稼ぐことも不可能ではありません。

参考:Career Picks  https://career-picks.com/average-salary/hokenshi-nenshu/

保健師は多様な働き方を選べる健康管理のプロ!

保健師は、生活の質を高めるために保健指導や健康指導を行う国家資格の職業です。行政保健師、病院保健師、産業保健師、学校保健師という働き方があり、公務員として働くこともできます。

資格をとるためには2つの国家試験に合格する必要があり、相当な努力をしなければなりません。しかし、その分仕事のやりがいも大きく、近年保健師の人気は着実に高まっています。

人と関わることが好きな人、健康管理に興味のある人、子どもが好きな人、資格取得のために頑張りたいという人は、ぜひ保健師を目指しましょう!

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