全国どこにいても働ける仕事、需要が高まっている仕事として人気の歯科衛生士。
しかし、せっかく学校に通って国家資格を取ったのに、
- 仕事が辛い
- もう辞めたい!
と思っている人もいるのではないでしょうか?
ここでは、そんな悩みを持つ歯科衛生士に向けて、仕事を辞めたいと思う理由5つとその後の仕事について紹介します。辞めたいと思っている歯科衛生士の人は、この記事を読んで気持ちを整理してくださいね
今から歯科衛生士を目指したい!という方は以下をご覧ください。
歯科衛生士の資格とは?資格の取り方から仕事内容・年収、やりがい等を簡単に解説!
仕事を辞めたいと思う歯科衛生士は多い?
歯科衛生士の数は年々増えている一方で、高齢化や予防歯科、審美歯科の需要の高まりによって人手不足に悩む現場も少なくありません。そのため、歯科衛生士1人あたりの負担が大きくなりさまざまな問題が生じています。
公益社団法人日本歯科衛生士会の調査によると、歯科衛生士のうち約75%が転職を経験しており、半数以上が2回以上の転職を経験しています。この結果を見て分かるように、歯科衛生士は離職率が高く、辞めたいと思っている人も少なくありません。
参考:歯科衛生士の勤務実態調査報告書https://www.jdha.or.jp/pdf/aboutdh/h27-dh_hokoku.pdf
歯科衛生士が仕事を辞めたいと思う5つの理由
歯科衛生士が仕事を辞めたい理由には、人間関係や仕事内容、待遇などが挙げられます。ここで紹介する5つの理由を読んで、自分が辞めたい理由を明確にしましょう。
人間関係
歯科衛生士の主な勤務先である歯科医院は、職場が狭くスタッフの人数も少ないため、人間関係のストレスを溜め込みやすい環境と言えます。特に個人経営の歯科医院の場合は、院長の気分に振り回されたり厳しく指導されたりすることも少なくありません。また、歯科衛生士や歯科助手は女性が多いため、女性特有の陰口や派閥、マウンティングといったトラブルも起こりやすいでしょう。
公益社団法人日本歯科衛生士会の調査を見ても、歯科衛生士の転職理由は出産や育児に次いで職場の人間関係が多くなっています。つまり、人間関係のストレスが原因で退職にいたるというケースは珍しくないのです。
参考:歯科衛生士の勤務実態調査報告書https://www.jdha.or.jp/pdf/aboutdh/h27-dh_hokoku.pdf
仕事が忙しい
歯科衛生士は診療補助や保健指導から院内の雑務まで幅広い業務を担当します。また、人手不足の問題を抱える職場も多く、1人あたりの負担が多くなりがちです。特に規模の小さな歯科医院では歯科衛生士が1~2人しかいない場合もあり、仕事を分担できない分残業が多くなったり有給を取れなかったり…ということも少なくありません。
たとえば、診療時間ギリギリに患者さんが来たり診療が長引いたりすると、その分器具の片づけや院内清掃を終えるまでに時間がかかります。多くの業務をこなさないといけないうえに残業代まで出ないケースもあり、そうなると忙しい日々に嫌気がさしますよね。
仕事内容に不満がある
歯科衛生士は人の歯の健康を守る、責任の大きな職業です。そんな仕事がしたくて夢を持って歯科衛生士になったのに、「いざ働いてみると仕事内容のイメージが違った」というケースもあります。
たとえば、手袋や器具などの衛生管理。本来患者さんの口腔内に触れるものは患者さんごとに交換や滅菌を行わなければなりません。しかし実際には、患者さんごとに交換、滅菌をしているのは約半数にとどまっています(※)。コストがかかる、滅菌機器を導入する費用がないといった理由で、十分な衛生管理ができていない現場も多いのです。学校の授業や実習ではきちんと管理しないといけないと学んだのに、そんな現状を見ると仕事内容にも疑問を持ってしまいますよね。
また、本来歯科医師がやるべき業務や仕事と関係ないことをやらされるケースもあります。本来の歯科衛生士の仕事から大きくズレてしまうとモチベーションを維持することは難しいでしょう。
※参考:歯科医療における院内感染対策について −歯科保健行政の視点から−
パワハラ・セクハラ
パワハラやセクハラに悩む歯科衛生士も多くいます。たとえば、歯科医師や他の歯科衛生士から
- 患者さんの前で厳しく叱責される
- 理不尽な指導をされる
- 自分にだけ厳しくされる
といったケース。また、患者さんからしつこく誘われたり待ち伏せをされたりすることもあります。このようなパワハラやセクハラがあっても、大きな会社のように職場内に専用の相談窓口がないとなかなか対処できませんよね。歯科医院は一般企業に比べてスタッフ数が少ないので、相談できる相手がおらず1人で溜め込んでしまうことも多いでしょう。
待遇面に不満がある
業務量に対して給料が少ない、福利厚生が整っていないといった理由で辞める人も少なくありません。2018年の厚生労働省賃金構造基本統計調査によると、歯科衛生士の平均年収は34.9歳で約364万円となっています。職場によってばらつきがあるため一概に給料が低いとは言えませんが、業務量や残業時間などを考えると不満を持つ人もいるのでしょう。
また、個人経営の歯科医院は社会保険が適用されないため、健康保険や厚生年金が完備されていない職場も多いです。福利厚生が整っていない職場では産休や育休が取りづらく、結婚や出産を機に辞め人も少なくありません。
参考:賃金構造基本統計調査 ・https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003084610
歯科衛生士を辞めたあとの仕事は?
今の仕事を辞めたいと思っても、その後の仕事が心配になってなかなか退職を決断できない人も多いのではないでしょうか?そこで次に、歯科衛生士を辞めたあとの仕事の選択肢について紹介します。
他の歯科医院に転職
「人間関係や待遇面に不満があるけど職場を変えれば続けられそう」という場合は、歯科衛生士として他の歯科医院に転職するという選択肢があります。歯科医院の数は今やコンビニより多いとも言われているため、比較的スムーズに転職活動を進められるでしょう。
歯科医院の中でも経営方針や規模、待遇などには違いがあるため、転職の際は募集要項をしっかりと確認する必要があります。たとえば、法人化されている歯科医院は、比較的経営が安定しており社会保険や福利厚生なども整っています。自分に合う規模や特徴の歯科医院なら、モチベーションを保ちながら続けられるでしょう。
歯科衛生士の経験を活かせる仕事
歯科関連の企業や医療事務、介護施設など、歯科医院でなくてもこれまでの経験を活かせる仕事もあります。歯科関連の企業では、歯科治療に必要な器具やデンタルケアグッズの開発・製造に関わることができます。また、歯科衛生士は法律で定められた業務以外にも受付やレセプトなどを担当あるため、医療事務の資格も比較的スムーズに取れるでしょう。
さらに、デイサービスや特別養護老人ホームなどの介護施設では、利用者の口腔ケア担当として歯科衛生士を募集している場合もあります。「歯科医院以外で仕事をしたいけど、せっかくなら経験を活かしたい」という人はこれらの仕事を検討してみましょう。
未経験の仕事
他に興味のある仕事がある場合は、1から新しい仕事に挑戦するのも良いでしょう。よくあるのは、ネイルやエステなどの美容業界、アパレル関係、飲食店などです。接客を伴う仕事なら、歯科衛生士の経験で培ったコミュニケーション能力を活かすことができるでしょう。
ほかにも、一般企業の営業職や事務職、エンジニアなどを目指すことも可能です。ただしこの場合は、一般企業で求められるスキルが身に付いていないため、新卒と同じような待遇になる可能性があることを理解しておきましょう。
本当にキツイと感じたら無理せず転職も検討!
歯科衛生士の仕事が本当にキツイと感じたら無理をせずに転職も検討しましょう。職場を変えれば続けられそうな場合は歯科衛生士として転職するという選択肢がありますし、それでも難しいなら他の業界に転職するのも良いでしょう。
歯科衛生士は需要が高く求人数が多いので転職しやすいですし、他の仕事に転職したけどまた歯科衛生士をやりたいと思ったときにも比較的スムーズに復職できるでしょう。歯科衛生士の資格や経験を武器に、前向きな気持ちで転職を検討しましょう。
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