歯科技工士の給料は低い?平均年収と相場、今後給与を上げるには?

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歯科医師の指示のもと入れ歯や詰め物、矯正器具などを作成する歯科技工士は、国家資格の安定した職業。歯科技工所や病院、材料関連会社などさまざまな場所で活躍できます。一方で、激務、給料が低いと言われることも少なくありません。

ここでは、歯科技工士の平均年収や給料が安い理由、給料を上げる方法について紹介します。歯科技工士の仕事に不満を持っている人や転職を考えている人はぜひ参考にしてください。

今から歯科技工士を目指したい!という方は以下をご覧ください。

歯科技工士の資格とは?資格の取り方から仕事内容・年収、やりがい等を簡単に解説!

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歯科技工士の平均年収と相場

厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査」によると、歯科技工士の平均年収は38.6歳で約385万円となっています。また、男性歯科技工士における年齢別の平均年収は次の通りです。

年齢平均年収(男性)
20~24歳272万円
25~29歳343万円
30~34歳390万円
35~39歳467万円
40~44歳437万円
45~49歳485万円
50~54歳568万円
55~59歳515万円
60~64歳414万円
65~69歳394万円
70歳~320万円

※平均年収は、「月収×12ヶ月+年間賞与」で算出

引用元:令和元年賃金構造基本統計調査・https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkouzou.html

また、公益社団法人日本歯科技工士会の「2018歯科技工士実態調査報告書」によると、年収の分布は次のようになっています。

引用:2018歯科技工士実態調査報告書http://sp.nichigi.or.jp/site_data/nichigi/files/2018jittaichosa.pdf

50代の平均年収は500万円を超えており、800万円以上稼ぐ人もいます。一方で、全体としては200~300万円未満が18.6%、300~400万円未満が17.8% となっています。勤務先の給与形態やスキル、経験年数によって年収にはばらつきがあると言えるでしょう。

歯科技工士の給料は安い?

歯科技工士には技工所や病院に勤務する人と独立開業して働く人がいますが、いずれも平均年収にはばらつきがあります。では、それを踏まえて平均年収をほかの職種と比較するとどうでしょうか?

  • 看護師:約483万円
  • 薬剤師:約562万円
  • 歯科衛生士:約370万円
  • 臨床検査技師:約461万円

看護師や薬剤師、臨床検査技師などの医療系国家資格と比較すると、歯科技工士の平均年収は低めです。一般的なサラリーマンと比較しても、高いとは言えないでしょう。

歯科技工士の給料が安い理由

歯科技工士は、職場に有資格者が1人しかいないことが多く、長時間労働になることも少なくありません。また、福利厚生が整っていない、休暇を取りづらいなどの労働問題を抱えている職場も。近年は歯科技工士の志願者が減少傾向にあります。

実際の給料の低さに加え、労働環境の悪さや将来への不安から「割に合わない」「続けられない」と感じる人も多いのです。

こうした歯科技工士の労働状況については、近年厚生労働省が改善を図っています。ICTの活用や認知度を上げる取り組みなどにより、今後は徐々に労働環境が改善されることが期待されます。

歯科技工士の給料を上げるには?

現状では、国家資格であるにもかかわらず待遇面ではあまり恵まれていない歯科技工士。では、歯科技工士として給料を上げるにはどのような方法があるのでしょうか?

スキルを上げる

歯科技工士の給料は、年齢や経験年数に応じて徐々に上がっていきますが、歩合制を取り入れている職場もあります。そのため、作成技術を磨いたり専門知識を増やしたりとスキルを上げることで、給料アップが期待できます。

たとえば、公益社団法人日本歯科技工士会では、生涯学習やスキルアップ教室などが行われています。こうした研修に参加し、「日技認定講師」「日本歯科技工学会認定士」になるのも選択肢のひとつです。高度なスキルを身に付けておけば、転職や独立開業する場合にも役立つでしょう。

参考元:公益社団法人日本歯科技工士会・http://sp.nichigi.or.jp/about_nichigi/7plan/skillup.html

給料が良い職場を探す

歯科技工士の勤務先には、歯科技工所や病院、クリニック、材料関連会社などがあります。小規模な技工所に就職した場合、特に若いうちは給料も低くなりがちですが、大規模な病院や大手企業では待遇も良い傾向があります。

そのため、今の職場で大幅な給料アップが見込めない場合は転職も視野に入れましょう。ただし、条件の良い職場は人気が集中し採用ハードルも高くなることが予想されるため、転職のタイミングには十分注意しましょう。

独立開業を目指す

歯科技工士は独立開業が認められている資格なので、勤務歯科技工士としてスキルや経営ノウハウを学んだ後に開業することも可能です。日本歯科技工士会の「2018歯科技工士実態調査報告書」によると、自営者の年収は半数以上が400万円以上となっており、勤務者よりも高めであることが分かります。開業には資金やスキルが必要ですが、事業が軌道に乗れば年収1,000万円以上稼ぐことも夢ではありません。より高収入を目指すのであれば、独立開業に向けて準備を進めておきましょう。

参考元:日本歯科技工士会「2018歯科技工士実態調査報告書」・http://sp.nichigi.or.jp/site_data/nichigi/files/2018jittaichosa.pdf#page=9

給料アップには転職も1つの選択肢にしよう

歯科技工士の主な勤務先である技工所は小規模経営が多いため、平均年収は低くなりがちです。加えて、長時間労働が常態化している職場もあるため、ストレスを感じている人も多いでしょう。

給料を上げるには、スキルを磨く、勤続年数を積むなどの方法がありますが、思い切って転職するのも選択肢のひとつです。今の職場に大きな不満があるのであれば、給与形態や福利厚生、勤務時間などを考慮しながら、自分に合った転職先を見つけましょう。