「聞く」「話す」「食べる」という動作のリハビリ専門職である言語聴覚士。
一生懸命勉強して国家資格に合格したのに、
- 人間関係に疲れた・ストレスを感じる
- 仕事が大変・キツイ
- 辞めたいけどその後の仕事が不安
と悩みを持っている言語聴覚士の方もいるのではないでしょうか?しかし、一時の感情で衝動的に辞めてしまうと後悔することになりかねません。そこで今回は、言語聴覚士を辞める前にもう一度気持ちを整理するために、よくある辞めたいと思う理由とその後の仕事について紹介します。
今から言語聴覚士を目指したい!という人は以下をご覧ください。
言語聴覚士(ST)の資格とは?資格の取り方から仕事内容・年収、やりがい等を簡単に解説!
辞めたいと思う言語聴覚士は多い!
1997年に国家試験がスタートした言語聴覚士は、年々有資格者数が増えており2009年から2019年の10年間で2倍以上になりました(日本言語聴覚士協会ホームページ参照)。急速に高齢化が進む現代において、非常に重要な役割を担っている言語聴覚士ですが、実は辞めたいと思う人は少なくありません。
言語聴覚士の評判を調べてみると、
- 言語聴覚士は大変でやめた方がいい
- ストレスがたまる
といった声が多くあります。そのため、今あなたが言語聴覚士の仕事を辞めたいと思っていてもそれは珍しいことではないので過度にネガティブになる必要はありません。
参考:日本言語聴覚士協会・https://www.japanslht.or.jp/what/
よくある言語聴覚士を辞めたいと思う理由
どんな仕事でも「辞めたい」「大変」と思う瞬間はあるものですが、言語聴覚士は特に人間関係やリハビリ内容、待遇面に不満を持っている人が多いようです。ここではよくある言語聴覚士を辞めたいと思う理由を5つ紹介します。今の自分の状況と照らし合わせながら、本当に辞めたいのか気持ちを整理してくださいね。
辞めたい理由①職場の人間関係
言語聴覚士は単独で仕事をすることは少なく、医師や看護師、作業療法士、介護スタッフとうまく連携を取りながら仕事をしなければなりません。また、他の職種と比べて言語聴覚士は人数が少なく職場に1、2人しかいない場合も少なくありません。
そのため、
- 先輩がいないので他の職種の人との関わり方が分からない
- 他の職種の人から専門性を理解されず下に見られているような気がする
- もう一人の言語聴覚士と性格や考え方が合わず、悩みを共感できる人がいない
と感じることもあるでしょう。こうなると、仕事のメインであるリハビリに集中することができず、ただただ精神的に疲れてしまいますよね。
言語聴覚士の人間関係の悩みとは?職場・患者との関わり方について
辞めたい理由②患者さんとの関わり方
さまざまな人と関わらなければならない言語聴覚士ですが、最も重要なのは患者さんです。いくら専門的な知識や技術を使っても、患者さん自身が前向きに取り組まなければ円滑なリハビリは行えません。そのため患者さんとはしっかりと信頼関係を築く必要がありますが、中には障害によりコミュニケーションをとることが難しい人やリハビリを拒否する人、気持ちが不安定になっている人もいます。
言語聴覚士はそういった患者さんともうまく距離を取ることが求められますが、実際には患者さんの悩みを聞いたり落ち込んでいる姿を見たりしてその気持ちが伝染してしまうこともあるでしょう。毎日毎日ハンデを持った人を相手にするのは精神的にも負担が大きいですよね。
辞めたい理由③思うようにリハビリが進まない
言語聴覚士が対象とする患者さんは、
- 言葉が離せなくなった
- うまく飲み込めない
といった問題を抱えており、これらはリハビリを行ったからと言ってすぐに効果が表れるわけではありません。特に言語障害の場合は意思を伝えることが難しいこともあり長期のリハビリを要することも多いでしょう。
丁寧にリハビリを行っているのに全く効果を感じられないと自分がやっていることが無意味なのではないかと思ってしまいますよね。また、なかなか回復しない患者さんを見て気の毒に思ってしまうこともあるでしょう。仕事としてやる以上、感情移入しすぎずある程度は割り切ってしまうことが必要ですが、思うようにリハビリが進まない時期が続くとモチベーションが下がってしまいます。
辞めたい理由④介護の仕事ばかり
言語聴覚士の本来の仕事は言語障害、嚥下障害、聴覚障害を持つ人へのリハビリですが、実際には介護の仕事ばかりを任せられる場合もあります。
その原因としては、
- 勤務先が言語聴覚士の専門性を理解していない
- 人手が足りていない
- リハビリのための設備が整っていない
などが挙げられますが、これではなんのために言語聴覚士になったのか分からなくなってしまいますよね。やりたかった仕事ができなければモチベーションを保つことは難しくなってしまうでしょう。
辞めたい理由⑤給料が低い
言語聴覚士の平均年収は350~400万円程度と言われていますが、職場によっては月の手取りが20万円未満だったりサービス残業が常態化しているケースもあります。言語聴覚士に限らず作業療法士や理学療法士などリハビリ職全般に言えることですが、養成校が乱立したことにより初任給が減少傾向にあるため、待遇面ではそこまで恵まれていません。また、昇給スピードも比較的緩やかであるため「割に合わない」と思ってしまうこともあるでしょう。
言語聴覚士を辞めた後の仕事は?
「言語聴覚士の仕事を辞めたい」と思っても、その後の仕事が心配になってなかなか辞意を固められない人も多いでしょう。ここでは、言語聴覚士を辞めた後の仕事の選択肢について解説します。次の仕事が心配で辞められないという人は、これを読んで将来のビジョンをイメージしてみてくださいね。
言語聴覚士として転職
言語聴覚士の仕事がしたいのに専門分野を任せてもらえない、人間関係が嫌、労働環境に不満があるという人は言語聴覚士として他の職場に移ることを考えましょう。医療施設は買介護施設や教育機関と比べて待遇が良い傾向がありますし、医療施設の中でも急性期と回復期、維持期では忙しさが違います。
言語聴覚士は比較的新しい国家資格であるため環境が万全に整っていない部分もありますが、理学療法士や作業療法士などと比べて有資格者の数が少ないため実務経験があればより重宝されるでしょう。
経験を活かして他の職種に転職
言語聴覚士の経験で身に付いた医療や介護の知識を活かして他の職種に転職するという選択肢もあります。代表的なものとしては介護職や医療事務、心理カウンセラーなどが挙げられますが、特に介護職は需要が高いため自分に合った職場を探しやすいです。
新たに資格を取ったり仕事を覚えたりする場合でも、言語聴覚士の経験があれば比較的スムーズに理解できるでしょう。
一から新しい仕事に挑戦
医療・介護業界から離れたい、他に興味を持っている仕事があるという場合は一般企業や公務員にチャレンジするのも良いでしょう。言語聴覚士は他の仕事には就けないと思っている人もいるかもしれませんが、本人のやる気と努力次第では十分に可能です。
人と関わるのが好きであれば店舗での接客や子ども向けの塾などがおすすめですし、もくもくと働きたい場合は事務職、目に見える成果を求めるならば営業職などを検討しましょう。ただし、公務員試験には年齢制限があり、一般企業でも一般的には若い方が有利になるため転職のタイミングに注意しましょう。
本当にキツイと感じたら無理せず転職も検討!
一時の感情で衝動的に転職をすると後悔する可能性がありますが、言語聴覚士の仕事が本当にキツイと感じたら無理をせずに転職を考えましょう。「せっかく学校に通ったのに…」「仕事を辞めるのは根性がないからだ」と考えてしまう人もいるかもしれませんが、転職は珍しいことでも悪いことでもありません。
無理をして続けていると患者さんや他の職員にも悪影響を与える可能性がありますし、あなた自身の健康を脅かすかもしれません。言語聴覚士として働いた経験はどんな転職先であってもきっと役立つときがくると前向きに考え、将来の仕事に希望を持ちましょう。
言語聴覚士の転職は、まず専門サイトで求人をチェック
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