理学療法のプロとして患者さんの基本的な身体的機能の回復をサポートする理学療法士は、社会的貢献度の大きい大変やりがいのある仕事です。しかし実際は、
- ノルマがあり、理学療法を行う時間をなんとか確保しなければならない
- 上司から次から次へと目標を与えられる
など、ノルマに追われる人も多いのではないでしょうか?ここでは、そんなノルマに悩む理学療法士の方のために、理学療法士のノルマによるストレスと対処法について紹介します。
今から理学療法士を目指したい!という人は以下をご覧ください。
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理学療法士に課せられるノルマとは?
「人の役に立つ仕事をしたい」と思って理学療法士になったのに、現実はノルマに追われて辛い思いをしている人も多いでしょう。ここでは、理学療法士が課せられるノルマやストレスについて説明します。
理学療法を行う単位数
理学療法士には1週間あたりの上限単位数があり、1単位を20分とし1週間に108単位までと決められています。週に5日間働くとすれば1日あたり21.6単位となりますが、21.6単位を1日でこなすためには7.2時間必要ということ。しかし実際は移動時間や雑務の時間を考慮し1日あたり18単位をノルマとしている職場が多いです。
この単位はあくまで目安ではありますが、理学療法士の世界では単位をこなすことに重点を置いている職場も多く、これがノルマとして理学療法士のプレッシャーになることも少なくありません。そんな状況では、患者さんひとりひとりに向き合ってリハビリを行いたいのに、ノルマをこなすことで頭がいっぱいになってしまいますよね。
「人の役に立ちたい」と思って選んだ理学療法士なのに、ノルマがあり与えられたものをこなしていく仕事内容に、なぜ理学療法士になったのか、時間に追われる生活はもう嫌だと強いストレスを感じてしまうでしょう。
一日あたりの訪問件数
訪問リハビリテーション事業所などでは、目標単位数を達成するために一日当たりの訪問数のノルマを課せられている職場も多くあります。さらに、給料が歩合制になっており、多く訪問すればするほど収入が増えるという場合もあります。
そのため、できるだけ多くの訪問をこなすことに注力しなければならず、そのプレッシャーがストレスになってしまいます。
患者さんの回復目標
理学療法士は患者さんの身体機能の回復をサポートする仕事。それがゆえに上司や他の医療従事者から、
- 早く車いすに乗れるようにして
- とりあえず歩けるようにして
- できるだけ早く目標を達成して
- 長期入院にならないように
と一方的に指示をされることも少なくありません。いくら専門知識を持っているとはいえ、患者さんの状態によってはなかなかリハビリが進まなかったり予想するような回復がみられなかったりすることもあって当然です。「〇〇までにこれをできるようにする」という目標を立てることはもちろん重要ですが、一番大切なのは患者さんに寄り添って一緒に進歩していくこと。それなのに、結果だけを求められてしまう状況に「理想と違う」「患者さんのために働けていない」というジレンマにストレスを感じてしまう人も多いのです。
理学療法士がノルマで悩んだ時はどうすればいい?
理学療法士の中には仕事を多くこなさなければならない、上司から厳しく指示を出されているなどのノルマに関する問題に、どう対処すればよいのか分からないという人もいるでしょう。そんな理学療法士のために、ノルマで悩んだ時の対処法を紹介します。
専門知識を深める
指示されたノルマを達成できないときには、理学療法士としての専門知識や技能を深める努力をしてみましょう。理学療法のスキルが上がれば、リハビリをスムーズに行い患者さんの回復をより早めることができる可能性があるからです。もちろん、人間の体を相手にしている仕事なので思うように進まないこともありますが、専門知識や技能を深めておくことに損はありません。まずは自分の理学療法士としてのスキルを振り返り、本当にキツいノルマなのかどうかを冷静に考えましょう。
事務作業などを効率化する
理学療法士に課せられる単位数のノルマは、事務作業や雑務などの業務を効率化することで負担を軽減することに繋がるでしょう。1単位の時間は20分と決められておりこの時間は短縮することができないので、それ以外の時間を工夫するということです。職場の分業体制やルールにもよりますが、個人の努力によって改善できる部分があるかどうか考えてみましょう。
上司に相談する
単位数や患者さんの回復などのノルマがキツい原因は、個人の努力の問題ではなく上司の管理能力である可能性もあります。そもそも部下を管理する立場の人間は業務を円滑に行えるように適切な人員配置や現実的に達成可能なノルマを設定しなければなりません。もしあなたがノルマによる強いストレスを感じていてそれを上司が気付いていないのであれば、上司に相談することで改善していく可能性もあるでしょう。
本当にキツイと感じたら無理せず転職も検討!
理学療法士は人を支える仕事である一方で、時間的または数字的なノルマが重視されがちな世界でもあります。そのため、「ケガや病気で身体に不自由を抱えた人を助けたい」という熱い気持ちを持って理学療法士になっても、ノルマに追われて仕事をこなしていくだけの日々になってしまうのは珍しいことではありません。ノルマに強いストレスを感じてしまうならば、無理をせずに転職することも考えましょう。
他の職場なら理学療法士を続けられそうな場合は別の医療機関やリハビリ事務所に転職することを考えましょう。理学療法士という仕事自体に抵抗がある場合は理学療法士だけにとらわれず他の職種にチャレンジするのも良いです。理学療法士として努力してきた経験は転職先でもきっと役立つときがくるので、前向きな気持ちで次の仕事を考えましょう。
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