アパレル店員を目指すなら。仕事内容・資格・給料についてまとめてみました

女性の仕事・資格
出典:https://workin.jp/work/job_apparelstaff

アパレル店員は文字通り、アパレルショップで衣類を販売するお仕事。おしゃれ好きな人であれば、一度は「アパレル業界で働きたい」と考えたことがあるはずです。アパレル店員は販売と同時にブランドの「顔」としても働くわけですが、実際の業務や給料はどんな内容なのか、入社にあたって必要な資格はあるのか…アパレル店員を目指す前に、知っておきたい知識をご紹介していきましょう。

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アパレル店員のお仕事って?

ファッションモールや繁華街で買い物をしていると、ブランド服に身を包み、笑顔で接客しているアパレル店員をよく目にすると思います。試着のサポートやディスプレイ、トルソーの直し、レジ業務を行っている姿も見かけますよね。アパレル店員のお仕事には、どういったものがあるのでしょうか。

アパレル店員のお仕事:1日の流れ

アパレルの店舗は11時頃に開店し、20時頃に閉店することが一般的。基本的に早番と遅番の2交代制を採用しており、早番と遅番では業務内容が異なります。下記では、2交代制の店舗の1日の流れについて例を見てみましょう。

早番業務の流れ

  • 9:40 出勤・開店準備
    出勤後はまず初めに前日の遅番スタッフからの引継ぎ内容に目を通し、1日の業務内容や1か月の売上目標を確認します。開店直前には金庫にしまっているレジ金をレジの中に移し、開店の準備を整えます。
  • 10:30 店内清掃
    一晩でも意外とほこりは溜まるものです。店内の隅々までモップをかけ、ディスプレイしている服の乱れなどを直します。
  • 10:50 朝礼
    出勤スタッフ全員で朝礼を行います。1日の始めに接客の基本の確認やその日の売上目標・セールなどのイベントを共有します。「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」などあいさつの声出しも行います。
  • 11:00 開店
    商業施設がオープンのオープン時間です。日中は女性を中心にゆっくりと買い物を楽しむお客様がほとんどです。来店したお客様に新商品をおすすめしたり、会話を楽しんだりしながら接客します。正午からお昼過ぎにかけて遅番のスタッフが出勤してくるので、出勤にあわせてミーティングなども行います。
  • 13:30 昼休憩
    休憩は13時から15時くらいの間で、スタッフ交互にとります。忙しい時期は来店数が減少する15時以降になることも珍しくありません。
  • 14:15 勤務再開
    後半の業務がスタートします。現時点での1日の売上額が報告され、目標額に達していない場合は、より気を引き締めて接客にあたる必要があります。
  • 17:00 小休憩
    スタッフ交互に小休憩をとります。
  • 19:30 勤務終了・遅番スタッフに引継ぎ
    遅番スタッフに勤務中の出来事など伝えるべきことを漏れなく伝えます。必要に応じて、残業することも。

遅番業務の流れ

  • 13:00 出勤
  • 13:15 早番スタッフとミーティング
    早番のスタッフからの引継ぎを行います。その日の午前中の様子を聞き、午後からの仕事を確認します。
  • 13:30 接客
    早番スタッフが順次休憩に入るため、仕事の引き継ぎ・連絡事項の確認をしたあと店舗に出て接客をします。正午から15時頃は特にお客様の来店数が多い時間帯です。
  • 14:00 売り場のチェック
    売り場の商品をチェックし、欠品している商品を補充したり、取り置き・予約商品の準備をしたりします。新しく納品された商品をバックヤードに片付けることもあります。
  • 15:00 小休憩
    スタッフ交互に小休憩をとります。
  • 15:30 商品整理・本部報告
    売り場で接客をしながら商品整理をします。夕方になりアルバイトが出勤すると、指示を出したり接客の指導をしたりします。手が空いているときは、バックヤードでの事務処理・売上や売れ筋商品を本部に報告・イベントやキャンペーンの準備など、接客以外の業務も行います。
  • 19:00 休憩
    夕飯時になると仕事終わりの方の来店があるものの、比較的客足が落ち着きます。このタイミングでスタッフが交互に休憩を取ります。
  • 20:00 閉店
    営業終了後に売上清算や店内清掃などのクローズ作業をして、今後の売り上げ目標や販売計画などをミーティングします。
  • 20:30 商品整理・補充
    翌日販売の商品を店頭に並べます。営業時間中にできなかった事務作業や検品、品出しなどを遅番スタッフ全員で行い、翌日のスタッフに引き継げるようメモを残しておきます。
  • 22:30 退勤
    店舗の戸締りを確認してから帰宅します。

アパレル店員の厳しさ

アパレル店員は華やかなお仕事ですが、一方では厳しい面もあります。アパレル店員をするにあたって厳しく感じられがちな点をを3つピックアップしました。

厳しさ1:売上ノルマ

商品を販売するうえで気にしなくてはいけないのがノルマです。達成しなくても罰則などはありませんが、査定などに大きな影響があります。達成するためには常に数字を意識して行動する必要があるので、プレッシャーに感じる人もいるでしょう。

厳しさ2:立ち仕事による身体への負担

アパレルショップでスタッフが座っているところを見たことがあるでしょうか? 実はアパレル店員は休憩時間以外は常に立ち仕事をしていますから、言わずもがな足腰に負担がかかります。脚がむくんでいたり、腰の痛みと闘っていたりするスタッフは意外と多いのです。

厳しさ3:店頭で着る洋服代

店舗によって規定は様々ですが、基本的には自社ブランドの洋服を着用します。アパレル店員自身がモデルとなって商品の宣伝を行うためです。季節やトレンドに沿って商品が入れ替わる業界ですから、買い替えはお財布に大打撃。社割(社販)を使えることがほとんどですが、頻度が高いためその分出費は増えてしまいます。

アパレル店員にはどんな人が向いているの?

アパレル店員の最大の業務は接客です。お客様とのコミュニケーションが円滑に行える人であればアパレル店員に向いているでしょう。また、ファッションが好きな人も向いています。自分自身が好きなブランドで働くことで、そのブランドファンを獲得できるのはモチベーションアップに繋がるはずです。

アパレル店員の服装やメイクに決まりはあるの?

アパレル店員は、スーツ売り場の担当の方はかっちりめではあるものの、全体を通してカジュアルな印象です。髪型も含め自由に見えますが、規則やルールなどはあるのでしょうか。

服装

アパレルの店舗の服装の規則で最も多いのは自社ブランドの服を着るというもの。ブランドによっては靴や小物を展開していない場合があり、それらに限り他社のものでもいい場合がありますが、その際も自社競合からは選ばないように配慮が必要です。実はアパレルショップでもっとも売れやすい商品は、アパレル店員が着用しているものです。そのため、在庫数にあわせて着る服を決めることも求められます。また、ブランドの世界観にあった着こなしは大前提。カジュアル、フォーマルなどはもちろん、ブランドのテーマや季節のテーマを意識した色使いや合わせ方をしていく必要があるでしょう。

髪型

こちらは服装と比べると規則が緩いところが多く、およそ2/3のアパレルショップでは髪形の指定はないようですが残りの1/3のショップでは、百貨店からの指定やブランドコンセプトを重視した規定があるようです。髪形の規定には、髪色の指定や、清潔感のあるアップスタイルにするという指定が多く見られます。このブランドを受けると決めた際には、髪型の指定があるかどうかを確かめるためにも、一度先輩ショップスタッフの方々を観察してみるといいかもしれません。

職場の雰囲気はどんな感じ? 体育会系って本当?

長時間の立ち仕事で体力が必要だったり、チームや個人で売上目標が設定されていたりと、いわゆる“体育会系”と思われがちなアパレル店員。実際のところ、以前は確かにそのような傾向が業界全体にありました。産休や育休を取得する女性は少なく、高い離職率も問題になっていたのですが、それは過去の話。現在は働きやすい環境づくりがされていて、ひと昔前に比べてネガティブな要素は減ってきています。もちろん体力は必要な仕事に変わりありませんが、残業やノルマはほぼありませんし、厳しい上下関係に悩むことはほとんどないでしょう。むしろ、チームワークが重視され、先輩後輩の区別なく一致団結して乗り切るような体制になったことで、セールはお祭りのようなものと捉え、忙しいことを楽しみながら業務を行う明るい職場が増えています。現場の努力、企業努力が重なっていくことで、今後さらに働きやすくなっていくことでしょう。

アパレル店員の研修ってどんなもの?

その他多くの企業と同じように、アパレル業界にも研修があります。研修にはさまざまな種類があり、企業はそれらを組み合わせてアパレル店員のスキル向上を図っています。

自社研修

大手企業や外資系アパレルメーカーが多く取り入れているのが自社研修です。自社のスタッフが店舗スタッフに直接研修・指導を行います。過去に自社のブランドの店舗でスタッフをしていた人の話を聞くことができるのが最大の強みです。すぐに実践できる接客方法やブランドの特徴を押さえた商品説明の方法を身につけることができるでしょう。また、他店舗のスタッフとも情報交換ができるのは貴重な機会になるはずです。

外部機関の研修

自社研修の有無を問わず、外部機関による研修を導入しているところは多いようです。アパレル店員専門の研修だけでなく、社会人として備えておきたいスキルの研修が開催されています。接客の基本や売り上げを伸ばすテクニックを、他社の事例などを交えながら講師から教わることができます。

キャリア研修

初心者やキャリア2~3年目のスタッフが受ける研修とは異なり、店長や店長候補などの役職者や幹部が受ける研修です。店舗の売り上げにつながるVMD(売り場における演出や装飾の最適化)、数値管理や販売計画について学びます。
店舗の売り上げに直結するスタッフとのコミュニケーション方法なども重要なポイントです。キャリア研修にはエリアマネージャーやブランドマネージャーを対象にした研修もあります。そちらは主にコンサルティングスキルについて学びます。店舗の経営状況を把握し、改善するための方法を探っていきます。

アパレル店員の人気職種は?

アパレル店員にも様々な役職、立場があります。最も基本となるのがファッションアドバイザーとも呼ばれる販売員(アパレル店員)です。店頭に立って接客を行うこのファッションアドバイザーは、お客様の悩みに寄り添いつつ最適なアイテムやサイズをおすすめしたり、着こなしの提案をしたり、お客様の喜ぶ顔を直接的に見ることができます。

他にも店長やエリアマネージャーなども人気です。店長は店舗の運営方針を固め、それを地域包括的に支援するのがエリアマネージャーです。店長までは売り場に立つ機会も多く、販売員と同じくらいの人気職です。エリアマネージャーになると接客を行う機会は大きく減りますが、広い地域のお客様の傾向を知ることができたり、多くの店員から頼りにされる分、やりがいもアップします。

アパレル店員にはどんなキャリアステップがあるの?

デザイナーなどの専門職を除き、アパレル店員のキャリアは誰もが販売員から始まります。直接お客様に接しながら、ブランドイメージやブランドの支持層のニーズを学んでいきます。次にカテゴリリーダー、副店長、店長と店舗内での立場を上げていきます。仕事内容が劇的に変わるということはありませんが、売上管理や勤務シフトの作成、アルバイトの指導や面接や研修などを今までの業務にプラスして行います。店長になると、自身の裁量でできることも増えるため、自分の目指す店舗づくりとまっすぐ向き合うことができます。

次がエリアマネージャー。各エリアを総括する立場です。担当の店舗に定期的に足を運び、売り上げ額や店内レイアウトなどを店長と話し合います。こうした話し合いを通して、最適な方向性や売り上げ向上の戦略や企画を練っていきます。本社勤務へと移っていくのはおおよそその後。店舗から離れてからも、直接お客様から学び汲み取ったニーズを販促活動や営業活動に落とし込み、ブランドの魅力をより多くの人に伝えていくようになるのです。

アパレル店員におすすめの資格は?

アパレル店員になるために必要な資格はありません。特定のスキルを持たずにアパレル店員になることは十分可能で、入社後の研修で業務に必要な知識を学ぶのが一般的です。しかし、仕事を進めたりキャリアアップを目指す上で有利になる関連資格もいくつか存在します。

なんのために資格を取るの?

アパレル店員が資格を取得する理由は主に3つ。
まず1つ目は、接客に役立てることができるから。資格には接客のスキルを上げるものとコーディネートのスキルを上げるものがあります。接客スキルはお客様に気持ちよくショッピングをしてもらうのに役立ちますし、コーディネートのスキルはお客様にアイテムや着こなしを提案する際に役立ちます。
2つ目は、評価の対象になるから。資格を持っていると、就職・転職の際に履歴書の資格欄に記入することができます。同じ経歴を持った人が2人いた場合、資格が採用の決め手になることもあります。転職をしない場合でも資格を持っているだけで給料とは別に資格手当がつくこともあります。
3つ目は、キャリアアップの助けになるから。キャリアアップしたいと思っても、数いるアパレル店員から店長候補やエリアマネージャーに選ばれるのは簡単なことではありません。しかし、その時に店長やエリアマネージャーに必要なスキルに関する資格を持っていると、幹部の素質ありと判断されることがあります。
以上の理由から、必須ではないとはいえ、アパレル店員として働く際には下記のような資格を取得しても損はないでしょう。

おすすめの資格1:ファッション販売能力検定

出典:https://www.amazon.co.jp/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E8%B2%A9%E5%A3%B2%E8%83%BD%E5%8A%9B%E6%A4%9C%E5%AE%9A%E8%A9%A6%E9%A8%93%E5%95%8F%E9%A1%8C%E9%9B%863%E7%B4%9A-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E6%95%99%E8%82%B2%E6%8C%AF%E8%88%88%E5%8D%94%E4%BC%9A/dp/4931378293

ファッション販売能力検定は、その名の通り、販売知識や販売技術、マーケティング知識を問う検定です。1級から3級のレベルに分かれていて、2級・3級は販売員向け、1級は店長やマネージャーなどの管理運営者向けです。ファッション系の専門学校でこの検定試験の受験を目標に勉強することもあるくらい、アパレル業界ではメジャーな資格です。
まずは3級・2級から始め、店長・エリアマネージャークラスを目指す方は1級の合格を目標にしましょう。

おすすめの資格2:ファッションビジネス能力検定

出典:https://www.amazon.co.jp/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9%E8%83%BD%E5%8A%9B%E6%A4%9C%E5%AE%9A%E8%A9%A6%E9%A8%932%E7%B4%9A-%E9%A0%85%E7%9B%AE%E5%88%A5%E3%83%BB%E8%A9%A6%E9%A8%93%E5%95%8F%E9%A1%8C%E3%83%BB%E8%A7%A3%E7%AD%94%E9%9B%86-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E6%95%99%E8%82%B2%E6%8C%AF%E8%88%88%E5%8D%94%E4%BC%9A/dp/4931378102

こちらはファッションの販売技術とあわせて、ファッション業界の構造や流れと言った根本的な部分について学ぶ検定です。ファッション産業とはどのように成り立っているのか、流行はどこから来るのか、ファッションに関する理解を深めたい方におすすめです。特に、自分のファッション関連の店舗を持ちたい方には必須ともいえる資格です。

おすすめの資格3:ファッション色彩能力検定

出典:https://www.amazon.co.jp/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E8%89%B2%E5%BD%A9%E8%83%BD%E5%8A%9B%E6%A4%9C%E5%AE%9A%E8%A9%A6%E9%A8%932%E7%B4%9A%E5%95%8F%E9%A1%8C%E9%9B%86-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E6%95%99%E8%82%B2%E6%8C%AF%E8%88%88%E5%8D%94%E4%BC%9A/dp/4931378277

ファッション色彩能力検定では、ファッションに関する色彩について学べます。自己判断で服の色の組み合わせなどを判断することがでできる人材を育成することを目標としており、店舗の商品配置や店内コーディネート、お客様へのカラーコーディネーションのアドバイスに役立ちます。自身のファッションセンスを磨くこともでき、カリスマ店員になることも夢じゃないかも!

おすすめの資格4:販売士検定

販売士検定は小売り・流通業界で唯一の公的資格です。ファッション業界のみならず、小売業に関わる全ての人に向けて作られています。業界全体の健全な発展に寄与しながらも、消費者にも満足のできるサービスを提供できるプロフェッショナルを育成します。販売士を目指す人に向けて養成通信講座や講演会も開催しているため、公的資格にしては敷居が低く設定されています。アパレル業界で取得する人は多くなく、取得したら貴重な人材として扱われるようになるでしょう。

アパレル店員の給料・年収はいくら?

さて、アパレル店員の仕事内容や資格について触れてきましたが、働く上で最も気になるのがお金の話。アパレル店員は自らが広告塔として自社商品を買わなければいけないわけですが、その分お金で苦労そうなイメージですよね。実際はどうなのでしょうか? お給料には役職や雇用形態、学歴などの要因も絡んでくるのは他の業界と同じですが、具体的にどういった違いがあるのでしょうか?

学歴による違い

アルバイトのアパレル店員は、採用の際に学歴を問われることはほとんどありません。ただし、社員となると学歴によって採用時の雇用形態や、採用後のキャリアに差がつくことがあります。とはいえ、アルバイトでの採用後に実績を残すことで店長や本社勤務へのキャリアアップを果たしている人も多くいるので、「学歴不問」というのもあながち間違いではないでしょう。

正社員としての採用の場合、高卒より専門卒、専門卒より大卒の方がお給料が高くなる傾向にあります。専門卒と大卒の差はおよそ月給2~3万円。こうしてみると大卒の方がお得にみえますが、早くから実務になれているという点で、高卒や専門卒が不利ということではないのです。

雇用形態による違い

アパレル店員の雇用形態には正社員、契約社員、アルバイトの3つがあります。
正社員は最もお給料が高く、そして上がりやすい傾向があります。経験や能力によって昇格し、キャリアを積んで本社勤務になることを前提にした雇用形態です。
契約社員はアルバイトと比べれば高い給料を得ることができ、自分の都合のいい曜日や時間帯のみ働くことができます。しかし、昇進するのは難しく、正社員に比べてお給料は安くなります。バイトに比べて即戦力であることが求められるため、アパレル店員経験者に向いている雇用形態です。
アルバイトは最もお給料が安い傾向があります。時給で働くことになるため、働き方で時給換算のアップを目指すことも不可能です。しかし、専門学校や大学に通いながら働くことができるため、将来アパレル店員として働きたい場合は採用に有利に働きます。

アパレル店員の平均月収

厚生労働省のデータによると、平均月収は28万円、女性は21万円、総合では24万円ほど。男性の方が高収入の傾向があります。アパレル店員は若い女性が好まれる傾向にあることや、出産や育児を期に退職する人が多いため、男性の方が高収入になるのです。また、全体としてキャリアを重ねて昇進・昇給をしていくのが男性の方が多いためでもあります。

アパレル店員の平均年収

平均年収は、同データによると男性が389万円、女性が274万円、総合では331万円です。日本人全体の平均年収がおよそ420万円といわれていることから考えると、一般的な職業より給与水準は低めです。しかし、これは販売員のデータです。アパレル業界では昇進に伴い、販売員から本社勤務になることが多いため、本社勤務の年収を合わせると一般水準と同等になるでしょう。

有名アパレル企業の給与例

アパレル店員のお金にまつわる話をしてきましたが、実際のお給料はどのくらいなのでしょうか? 有名アパレル企業7社の実際のお給料を調査しました。条件を揃えるために新卒採用のお給料を例に挙げています。それでは見ていきましょう。

アパレル企業の給与例1:アダストリア

出典:https://www.adastria.co.jp/brands/

  • 総合職
    四年制大学卒・大学院了 240,000円
    短期大学・専門学校卒  225,000円
  • 地域限定職
    四年制大学卒・大学院了 225,000円
    短期大学・専門学校卒  210,000円
  • 社員割引:あり

アダストリアは「niko and …」や「Heather」などのブランドを展開する会社です。総合職は地域を超えた異動や転勤があるのに対してキャリアに制限がなく、本社勤務も十分狙うことができる雇用形態です。対して地域限定職は、キャリアに制限はかかりますが希望地域から通える範囲での異動・転勤にとどめることができます。自身の重視する点を考えて雇用形態を選びましょう。アダストリアは様々なブランドを展開しているため、世の中の様々なトレンドに触れることができます。ブランドによって売り上げ戦略を変える必要がありますが、多様な戦略や考え方に触れることができるのは自身のスキルアップにもなるでしょう。

アパレル企業の給与例2:しまむら

出典:https://www.shimamura.gr.jp/shimamura/featured/monster-strike/

  • 大学卒・大学院了/月給237,700円(2019年4月度入社社員実績)
  • 社員割引:あり

しまむらは、店舗内にさまざまなメーカーの衣類やアイテムをまとめて置くスタイルをとっている衣料品店です。基本的にお客様の洋服選びをサポートすることはなく、レジ業務やディスプレイの整頓が主な業務になります。一般的なアパレルショップとの違いは業務内容だけではなく、服装の規定にもあります。男女ともに白ワイシャツに黒か紺のパンツ、そしてスニーカーか革靴。女性はこれに加えて白ブラウスと黒か紺のスカート、パンプスを選択することができます。シーズンごとに仕事用の衣服を揃える必要がなく、お財布にやさしい職場です。

アパレル企業の給与例3:ユナイテッドアローズ

出典:united-arrows.co.jp/index.html

  • 月給 223,200円(基本給 201,668円+みなし残業代 21,532円)
    ※14時間を超える時間外労働分についての割増賃金は追加で支給
  • 社員割引:あり

ユナイテッドアローズは大手セレクトショップの代表格。複数の人気レーベルを持つ企業で、生活文化のスタンダードを作り続けることを目標に掲げています。「すべてはお客様のために」という言葉が社内でも大きく掲げられており、そのためにできることはなにかを模索し続けています。お客様に多くの喜びをお届けできるのは、アパレル店員の最大の喜びになるでしょう。多くの販売員にとって目標となる企業でもあります。

アパレル企業の給与例4:青山商事

出典:https://www.aoyama-syouji.co.jp/group/

  • 大卒以上:総合職(希望エリア外勤務)221,720円【総合職手当28,920円含む】
  • 大卒以上:総合職(希望エリア内勤務)212,080円【総合職手当19,280円含む】
  • 大卒以上:地域限定職        19,2800円
  • 短・専卒:総合職(希望エリア外勤務)200,675円【総合職手当26,175円含む】
  • 短・専卒:総合職(希望エリア内勤務)191,950円【総合職手当17,450円含む】
  • 短・専卒:地域限定職        174,500円
  • 社員割引:あり

青山商事は紳士服の製造と、「洋服の青山」のチェーン展開を行っている会社です。ギネスブックから、「スーツ販売着数世界一」の認定を受けているほどメジャーな会社です。店舗は国内にとどまらず、中国や台湾へも進出しています。研修では上海の縫製工場の見学も行い、自社製品の生産から学ぶこともできます。すべての社員が店舗スタッフから始め、コースごとのキャリアを積んでいきます。コースは社内公募制のため、どの社員にも等しく昇進の可能性を持っています。

アパレル企業の給与例5:ワールド

出典:http://corp.world.co.jp/

  • 〔院卒/大卒〕月給211,600円(東京・神奈川の例、以下同):
    基本給162,000円、一律勤務地手当35,000円、固定残業手当14,600円(時間外9.6時間相当)
  • 〔短大/専門卒〕月給198,400円:
    基本給150,000円、一律勤務地手当35,000円、固定残業手当13,400円(時間外9.3時間相当)
  • 社員割引:あり

株式会社ワールドは、「UNTITLE」や「OZOC」、「Reflect」などのブランドを展開する会社です。コマーシャルには安室奈美恵や篠原涼子、さらには過去にオードリーヘップバーンなどのそうそうたる面々を起用しています。社員は各ブランドのアパレル店員からキャリアをスタートし、スキルや適性により自分に合ったキャリアを積むことができます。自分らしさを生かして会社に貢献できるのは魅力的ですね!

アパレル企業の給与例6:ファーストリテイリンググループ

出典:https://www.fastretailing.com/jp/group/

  • 東京都心 195,200円+地域手当7,600円
  • 大阪府  195,200円+地域手当7,600円
  • 社員割引:あり

ファーストリテイリンググループは「UNIQLO」や「GU」などのブランドを国内展開するグループ企業です。「ファスト=早い」「リテイリング=小売業」の名の通り、お客様が欲しいと思っている商品をいち早くお客様のもとへ届けることを目標としています。「UNIQLO」のヒートテックは特に有名で、お客様のニーズを汲み取った商品です。このように、お客様のニーズをくみ取った商品を素早くお客様のもとへ届けるのことができるのが特徴です。

アパレル企業の給与例7:オンワード樫山

出典:https://www.onward.co.jp/

  • ファッションスタイリスト(大卒・短大・専門学校卒):153,500円~195,700円
  • 社員割引:あり

オンワード樫山はあわせて100近くのブランドの商品を取り扱う企業です。キッズからシニアまで、どんな年齢層のお客様にも似合うコーデを提案することができます。オンワード樫山には様々な形態の研修が用意されています。充実した知識を蓄えることができるため、キャリアを積むのに最適な環境です。マネージャーまでの昇格が一般的なようですが、スキルを磨くことで本社勤務へのお誘いがかかるかもしれませんね!

アパレル店員が給料を上げるためにできることは?

アパレル店員の給料は社員であれば基本的に月給制、アルバイトであれば時給制の固定報酬です。インセンティブなどの追加報酬もありますが、導入していない企業はまだ多くなく、すぐに給料アップを図ることは難しいでしょう。しかし、時間をかけて少しずつ基本給を上げていくことは可能です。そのためにできること・やっておくべきことをご紹介しましょう。

給料アップの方法1:キャリアアップ

まずは言わずもがなキャリアアップすることです。販売員から副店長に、副店長から店長に、さらには店長からエリアマネージャーに。仕事は大変になっていきますし、責任も重くなりますが、その分待遇アップにも繋がっていきます。
キャリアアップをするためには以下に挙げる部分も重要になってくるので、そちらもぜひチェックしてみましょう。

給料アップの方法2:能力評価を上げる

能力評価とはなんでしょうか。売り上げを上げるための接客力や取得した資格の数でしょうか? 実はこの能力評価とは、自主性や積極性を持って仕事に取り組んでいるかがポイントです。円滑な店舗運営ができるように、レジ周りの整頓や新商品の詳細情報作成といった事務仕事など「誰でもできるけど誰も進んでは行わないこと」を自主的に行うことができるというのは意外と難しいことです。継続は力なりと言います。ぜひ自分から進んで行うことを継続しましょう。

給料アップの方法3:業績評価を上げる

業績評価はその名の通り、業績に貢献する力です。こちらはアパレル店員の主な業務をこなしていれば自然に結果がついてくるものです。能力評価を上げるのと並行して少し意識してみましょう。主な評価ポイントは、1か月の個人売上額やノルマの達成率、新規顧客の獲得数です。お客様を惹きつけてリピーターを増やすことを意識して接客を行いましょう。資格を取得し、その知識を生かして接客を行うのもいいかもしれませんね。

アパレル業界の将来性

インターネットやスマホの普及で、ECサイトさえあれば誰もがどこからでも買い物をできるようになり、多分に漏れず、アパレル業界もEC市場が拡大しました。ブランドが増え、供給過多とも言われる時代であり、低価格も進んでいます。そんな中、アパレル店員が気にしているのは、アパレルの実店舗がなくなってしまうのではないかというところでしょう。結論から言うと、実店舗がなくなることはないはずです。むしろ、似たようなアイテムが増え、どこからでも買えるからこそ、誰から買うかが今後の買い物の醍醐味になる可能性すらあります。

お客様が自分1人で服を選ぶと、凝り固まったイメージから抜け出せず、似た服を集めてしまいがち。実店舗でアパレル店員に相談し、新しいスタイルを発見するということは、新しい自分を発見するということでもあります。お客様は、必要な服を買うだけでなく新しい発見をも求めてアパレルショップへ足を運ぶのです。それらを意識して販売を行っていけば、業界の将来性はきっと明るいはず。お客様に楽しいショッピングの時間を提供し続けることを意識しましょう。