赤ちゃんの寝かしつけには「絵本」がおすすめです。絵本はママと赤ちゃんの絆を深めてくれるほか、言葉の発達のためにもかかせません。
入眠儀式として絵本を用いれば、お子さんの健やかな発達を助けるとともに、毎日の寝かしつけを楽にしてくれるでしょう。
寝かしつけ絵本を選ぶポイントはいくつかあり、年齢や興味に応じた絵本を選ぶと、よりお子さんの興味を引くことができ、寝かしつけもうまくいきやすくなります。
そこで、この記事では、寝かしつけ用の絵本の選び方や、年齢別のおすすめ絵本をご紹介します。
寝かしつけに絵本が有効な理由は?
赤ちゃんの寝かしつけに絵本がいい、という話は聞いたことがありますよね。ではなぜ、絵本が寝かしつけに有効なのでしょうか。
ここではまず、なぜ絵本が寝かしつけにいいのか、その理由を解説します。
ママの声と体温で安心!絵本のリラックス効果
絵本を読むときは、ほとんどのママは赤ちゃんを抱っこして読み聞かせをしますよね。抱っこによってママの体温を感じることや、読み聞かせをするママの優しい声を聞くことで、赤ちゃんは安心します。
大人もそうですが、自然な眠りにつくためには、興奮状態ではなく、リラックスした状態をつくることが必要です。
安心感によって赤ちゃんはリラックスできるので、自然と眠る準備ができるというわけです。
絵本を通したママとの触れ合いの時間は、赤ちゃんに安心感を与えてリラックスさせてくれるので、眠る前の準備として最適といえるでしょう。
寝る前の習慣づくりに!入眠儀式としての絵本
毎日、寝る前に決まった行動を行うことを、入眠儀式と呼びます。入眠儀式とは、眠りへの条件づけをすること。
すなわち、「これをしたら眠る時間だよ」と、脳に覚え込ませるのです。
あなたも、お風呂に入ってパジャマに着替えたら、それだけで眠たくなりませんか?これは、「お風呂+パジャマ」が、あなたのなかで眠りと結びついた行動として条件づけされているためです。
同じように、お子さんに対しても毎日決まった行動を入眠儀式として行うと、自然な眠りへ誘いやすくなります。「寝る前に毎日、絵本を3冊読む」、「眠る前は必ず決まった1冊を読む」などと決めておくと、絵本が入眠儀式として定着しやすくなるでしょう。
赤ちゃんに安心感を与えてリラックスさせられる絵本を、寝る前の入眠儀式として用いることで、自然に赤ちゃんの眠る準備が整うのです。
寝かしつけに有効な絵本を選ぶポイントは?
絵本には、寝かしつけに向くものと向かないものがあります。そこで次に、寝かしつけに有効な絵本を選ぶポイントをお伝えします。
ポイント① リズムのある絵本を選ぶ
子守り歌のように、リズムのある音は赤ちゃんに安心感を与えて眠気を誘います。ポイントは、ゆったりした心地よいリズムであること。
心拍数に近いリズムの音を聞くと、赤ちゃんは安心するといわれます。
心地よいリズムのママの読み聞かせで、しだいに赤ちゃんの心拍数も安定し、リラックスして眠たくなっていくでしょう。
ポイント② 「ねんね」に関する絵本を選ぶ
「ねんね」を題材にした絵本はいくつかあります。そうした絵本を用いれば、物語に登場するキャラクターと一緒に眠る準備ができるでしょう。
また、言葉の発達がゆっくりな赤ちゃんでも、「ねんねするよ」と言葉で言われるよりも、実際の絵で「ねんね」の状態を見せられたほうが、眠るということをイメージしやすくなります。
いつも「ねんね」の絵本を見てから眠りにつけば、赤ちゃんも「あ、もうねんねの時間なんだな」と理解しやすくなるでしょう。
ポイント③ 年齢に合わせた絵本を選ぶ
寝かしつけ絵本を選ぶ際は、年齢に合わせた絵本を選ぶ必要があります。いくら良書といわれる絵本を選んだとしても、それが年齢に合っていなければ、お子さんは興味を持ってくれません。
たとえば、視力が未発達な0歳児であれば、背景が白で、絵を赤・青・黄などの原色で描かれた絵本のほうが絵を判別しやすく、興味を持ちやすいといわれます。ただし、0歳の赤ちゃんは視覚よりも聴覚の発達のほうが早いので、絵そのものよりも言葉のリズムがある絵本を選んだほうが興味を持ちやすいかもしれません。
逆に、年齢が上がってくると、単調な繰り返しよりも、物語性が強いほうが興味を持ってくれます。絵本には目安となる「対象年齢」が書かれていますが、年齢によって興味を持ちやすい絵本は異なることを覚えておきましょう。
具体的には、0〜1歳ではリズムのよい繰り返し絵本、1〜2歳では身近なものの「名前」がわかる絵本、2歳以降は想像力が必要な「物語」絵本を選ぶといいでしょう。
寝かしつけにおすすめの絵本3選
では、以下に、年齢別「おすすめの寝かしつけ絵本」3冊をご紹介します。さきほどご紹介したように、どれもリズムが心地よい、ねんねに関わる絵本です。寝かしつけの一冊として、ぜひご検討ください。
0〜1歳におすすめ!「もうねんね」
もうねんね (松谷みよ子 あかちゃんの本)
「もうねんね」は、子守り歌のようなリズムが眠気を誘う、赤ちゃん向けの寝かしつけ絵本です。「もうねんね」では、いぬさんに、ねこさんと、動物たちが次々に「ねんね」していきます。そして、最後は人間の赤ちゃん。名前は「モモちゃん」となっていますが、お子さんの名前に変えてあげるといいかもしれませんね。
0歳代の赤ちゃんは、まだ絵や言葉の意味はしっかり理解できません。ですから、寝かしつけの絵本は、内容よりも言葉のリズムで選んだほうがいいでしょう。
「もうねんね」では、繰り返しのフレーズによって、ママの声と言葉のリズムに心地よさを覚えるため、子守り歌のような効果が期待できる絵本です。
心地よいリズムは赤ちゃんの心拍数を下げ、やさしい眠りに誘います。昔からある絵本ですが、ぜひ、寝る前にゆっくり読んであげてほしい一冊です。
1〜2歳におすすめ!「おやすみ、ぼく」
おやすみ、ぼく[新版]
「おやすみ、ぼく」は、オラウータンの赤ちゃんが自分の手や足、耳などに向かって「おやすみ、ぼくのあしさん」などと、順番に語りかけていくかわいらしい絵本です。もともと外国の絵本ですが、柔らかいタッチの絵がオラウータンの赤ちゃんのかわいらしさを引き立たせています。
1〜2歳は、「てって」や「あんよ」など、自分の体を表す言葉がだんだんとわかってくる時期。「おやすみ、ぼく」は、そんな時期のお子さんにぴったりの絵本です。
オラウータンの赤ちゃんと一緒に、お子さんの「て」「あし」「くち」「みみ」といった体の部位の名前を教えてあげれば、お子さんも興味を持って絵本を見てくれるでしょう。お布団の中に入ってからも、絵本の真似をして「〇〇ちゃんの”あし”さん、おやすみ」と声をかけてあげれば、楽しく眠りにつくことができそうですね。
2歳〜のおすすめ絵本「ねないこだれだ」
ねないこだれだ (いやだいやだの絵本)
「ねないこだれだ」は、夜中に寝ない悪い子がおばけにされて連れていかれる、という物語絵本です。昔からある有名な絵本なので、知っている方も多いのではないでしょうか。
2歳以降は、「鬼」や「おばけ」といった、ちょっと怖い存在も理解できるようになる時期。そんな2歳以降のお子さんが、ちょっと怖いけれど、なぜか毎晩おばけに会いたくなる……と、繰り返し読みたくなる一冊です。
この絵本では、おばけが現れるのは夜9時。時間の概念ができてくると、お子さん自身がこの絵本の内容を思い出し、「あ、もうすぐおばけがきちゃうかも!」と寝る準備を始めてくれるかもしれませんよ。
「ねないこだれだ」は、何十年も読み継がれる、寝かしつけ絵本のベストセラーです。寝かしつけ絵本に迷ったら、一度お子さんと一緒に読んでみてください。きっとお気に入りの一冊になるはずです。
まとめ
毎日の寝かしつけに絵本の読み聞かせを習慣にすると、入眠儀式として役立ちます。また、寝かしつけには「ねんね」を題材にした、繰り返しのリズムが心地よい絵本を選ぶといいでしょう。
絵本による寝かしつけは赤ちゃんに安心感を与え、やさしい眠りに誘います。ぜひ毎日の寝かしつけに、ママのやさしい声で絵本を読み聞かせてあげてください。
寝かしつけのその他のアイデアを紹介
赤ちゃんの寝かしつけの方法は?有効なグッズやアイデア・コツを解説