薬剤師はよく耳にする職業ですよね。
ですが、実際に仕事内容について詳しく知らないという方もいるのではないでしょうか。
本記事では、薬剤師の仕事内容や資格の取り方、やりがい、年収についてなど、詳しく解説していきます。
薬剤師とは?
薬剤師とは、薬のプロ。
薬剤師としての仕事内容は幅広いですが、主に薬の管理や調剤を行う職業です。
薬は医療に必要不可欠なものであるため、薬剤師も医療にとても大切な存在です。
薬への専門的な知識をもとに、患者さんの健康を守ります。
薬剤師法の第一条では、以下のように定められています。
「薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。」
薬剤師の就職先は主に調剤薬局や病院ですが、他にも製薬会社や医療品メーカーなど、幅広い就職先があり、活躍の場が多い職業でもあります。
薬剤師の資格を取るには
薬剤師の資格を取るには、国家試験を受ける必要があります。
しかし、まずは国家試験を受けるための受験資格を得る必要があります。
受験資格を得るには、薬学系の学科のある大学を卒業しなければなりません。
国立、公立、私立と様々な大学がありますが、それらの薬学系の大学に入学して、6年課程で有機化学や生物化学、薬剤学などを学びます。
必要な単位を取得し、6年課程の大学を卒業済み、もしくは卒業見込みの人は、薬剤師の国家試験を受けることができます。
第105回薬剤師国家試験(令和2年)の試験概要は以下の通りです。
実施日 | 令和2年2月22日(土曜日)及び同月23日(日曜日) |
受験料 | 6,800円 |
試験地 | 北海道、宮城県、東京都、石川県、愛知県、大阪府、広島県、徳島県及び福岡県 |
試験方式 | マークシート方式 |
問題数 | 1日目195問 2日目150問 |
科目 | ・必須問題試験 物理・化学・生物、衛生、薬理、薬剤、病態・薬物治療、法規・制度・倫理、実務 ・一般問題試験 薬学理論問題試験、物理・化学・生物、衛生、薬理、薬剤、病態・薬物治療、法規・制度・倫理 ・薬学実践問題試験 物理・化学・生物、衛生、薬理、薬剤、病態・薬物治療、法規・制度・倫理、実務 |
合格基準 | 全問題の正答率65%以上 |
以下、ここ数年の薬剤師国家試験の合格率です。
第104回(2019年) | 70.9% |
第103回(2018年) | 70.6% |
第102回(2017年) | 71.6% |
第101回(2016年) | 76.9% |
第100回(2015年) | 63.2% |
年によって合格率に変動はありますが、だいたい70%ほどの合格率です。
他の医療系の国家試験合格率と比較してみましょう。
医師:約90%
看護師:約90%
理学療法士:約81%
臨床工学技士:約77%
合格率だけで比較してみると、薬剤師の国家試験は難易度が高めのようですね。
合格率だけで難易度を判断するのは難しいですが、参考にしてみてください。
薬剤師の仕事内容
薬剤師の仕事内容は、就職先によって異なるので、一概に仕事内容を説明することはできません。
ここでは、薬剤師の中で最も人気の就職先である調剤薬局での薬剤師の仕事内容を紹介します。
薬局の薬剤師は、処方箋による薬の調剤や、正しい薬の服用の仕方の指導、他の薬との飲み合わせの確認などを行う仕事です。
具体的には、薬の内容はもちろん、有効期限などの処方箋の不備がないかを確認したり、患者さんのお薬手帳から飲み合わせて良い薬かどうかを確認したりします。
この確認段階でもし何か不備や不都合があったときは、医師に確認を取り、薬を調剤します。
そして、患者さんに服用の仕方や薬の説明、保存方法などを説明する流れです。
薬剤師が薬の飲み合わせを間違えたり、説明や用法の説明を間違えたりすると、患者さんの健康に大きな影響を及ぼします。
そのため、薬剤師は正確に判断をすることや、高い専門性が求められる仕事です。
薬剤師の就職先
薬剤師の就職先は様々です。
就職先が豊富なので、自分の性格に合った就職先で働くことができます。
最も人気の就職先は調剤薬局です。
新卒就職者の約3割の薬剤師資格を持つ人が、調剤薬局で働いています。
その後は病院などの医療機関が続きます。
薬剤師の就職先は他にもあるので、それらをご紹介します。
調剤薬局
大規模なチェーン薬局から小規模な個人経営の薬局など様々。
病院からの処方箋をもとに薬を選び、患者さんに薬の説明や服用方法を説明する仕事です。
患者さんの薬歴も管理することも重要な仕事の一つです。
病院
病院内の薬局で働きます。
こちらも調剤薬局と同じように、医師の処方箋をもとに薬を選び、患者さんに服用方法を説明する仕事です。
大きい病院の場合は、調剤薬局より1日に対応する患者さんが多く、体力も必要になる場合があります。
ドラッグストア
第一類医薬品の販売は薬剤師が必要なため、ドラッグストアでも薬剤師は働きます。
お客様に薬のアドバイスをするのが主な仕事で、レジや品出しなど、薬剤師としての仕事以外仕事も行うことが多いです。
製薬会社や医療品メーカー
新薬も研究や開発を行います。
さらに、MR(医療情報担当者)の仕事があります。
自社の新しい薬の情報を把握して、病院の医師や薬剤師に情報を提供する仕事です。
品質や有効性、安全性の情報を提供する仕事で、薬を販売する仕事ではありません。
情報提供によって売り上げにつなげることが仕事です。
大学の研究機関
大学を卒業後、そのまま大学の研究機関で働く人も多いです。
新薬の研究や開発を行います。
薬剤師のやりがい
薬剤師や医療において必要不可欠な存在です。
人の健康にかかわることができるため、とてもやりがいを感じることができます。
患者さんの健康に関わることができる
処方箋をもとに調剤して患者さんに説明する薬で、患者さんの健康を守ることができます。
また、患者さんとのやり取りの中で、患者さんのアレルギーや薬歴などがわかり、薬を変えるという対応を薬剤師がとることもあります。
薬が患者さんに合わないと、患者さんの健康被害にもかかわってくるので、薬剤師と患者さんのコミュニケーションはとても大切です。
薬剤師が患者さんに説明する薬で患者さんの健康をも守ることができるので、大きなやりがいを感じることができます。
患者さんの症状が良くなった時は、薬剤師になってよかったと感じるでしょう。
医療に貢献できる
医療は人々が健康に生活するためにとても大切ですよね。
医師や看護師だけでなく、もちろん薬剤師も医療にとって必要不可欠な存在です。
薬剤師ならではの観点から医療に貢献することができるので、人の健康を支える重要な医療という分野に携われていると思うと、やりがいを感じることができます。
専門性をさらに高めて患者さんだけでなく、医師からも頼られると、さらにやりがいを感じるでしょう。
薬剤師の平均年収
薬剤師の平均年収は、平成30年賃金構造基本統計調査によると、約540万円です。
ですが、薬剤師の平均年収は、就職先の規模や経験年数、地域によって異なるので、この数字はあくまで平均年収にすぎません。
経験年数が長いと年収も増えますし、規模の大きい就職先だと給与水準は高い傾向があります。
年齢別で算出した場合、50代が最も平均年収が高いようです。
20代 | 426万円 |
30代 | 576万円 |
40代 | 628万円 |
50代 | 646万円 |
60代 | 497万円 |
自分がどこでどんな仕事内容で働きたいかももちろん大切です。
ですが、収入面も考慮して就職先を決めるのも良いでしょう。
都道府県によって収入も変わってくるので、働く地域を変えるのも一つの手です。
薬剤師の将来性
薬剤師は、現状は競争倍率が高まっています。
そのため、薬剤師の需要は年々低下しているということが事実です。
ですが、薬剤師は将来性のある仕事です。
平成28年頃は、薬剤師の有効求人倍率は6.25倍だったのですが、平成30年には4.59倍に低下しています。
これは、一人が約6件の求人から選べていたのが、約4件に減ったということ。
つまり、薬剤師の需要は十分にあり、まだまだ人手が足りていないということになります。
もともと人手不足だったのが、少しだけ改善されたというだけなので、まだまだ人手不足で、薬剤師の将来性が十分にあります。
特に地方での薬剤師不足が顕著なので、地方で薬剤師として働くこともおすすめします。
人の健康を守る薬剤師として働こう!
薬剤師の仕事は幅広いですが、どの仕事も人の健康を薬で守ることができる仕事。
薬剤師の調剤や薬の開発が、人の健康を守ることができるため、とてもやりがいを感じることができ、人の役に立てていると実感できることも多いです。
将来性もありますし、就職先も医療機関だけでなく、幅広い選択肢から選ぶことができます。
人の健康を守りたい、専門性を活かしたい、やりがいの大きい仕事がしたいという方は、薬剤師を目指してみてはいかがでしょうか。
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