社会保険労務士の資格とは?資格の取り方から仕事内容・年収、やりがい等を簡単に解説!

社会保険労務士の仕事女性の仕事・資格

みなさんは社会保険労務士(社労士)という職

業を知っていますか?「聞いたことはあるけど、何をする仕事か知らない…」なんて人も多いのではないでしょうか。今回は、社労士の仕事内容や就職先、やりがい、平均年収についてお伝えします。社労士という仕事に興味を持っていただけたら幸いです。

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社会保険労務士(社労士)とは?

社労士は社会保険労務士法に基づいた国家資格の職業。企業の4大要素「人、物、金、情報」の中で人にフォーカスした、労働や社会保険の専門家です。労働保険や社会保険に関する諸法令に基づき、行政への書類提出の代理や社会保険の加入手続、労働保険料の計算などの業務を通して労働者の義務や権利をサポートします。

社労士は業務独占資格なので、国家資格がなければ専門業務を行うことができません。また、弁護士、弁理士、司法書士、税理士、行政書士、土地家屋調査士、海事代理士とともに職務上請求権が認められている8士業の一つでもあります。

近年、高齢化による法改正、ハラスメント、ブラック企業など労働に関するさまざまな問題が深刻化しているため、社労士の需要は年々高まっています。

社会保険労務士の資格を取るには

社労士になるためには、年1回行われる国家試験に合格するだけではなく指定の条件をクリアしなければなりません。社労士になるまでの道のりと試験概要を詳しく見ていきましょう。

社会保険労務士になるまでの道のり

社労士国家試験を受けるためには、学歴、実務経験、厚生労働大臣の認めた国家資格の合格のうち一つ以上を満たさなければなりません。全部で13個の受験条件がありますが、学歴については大学や短大、高専の卒業者であれば受験できます。専門学校卒業者や大学中退者、実務経験については細かな条件があるので、社会保険労務士試験オフィシャルサイトにて確認しましょう。

社会保険労務士試験オフィシャルサイト

受験資格・事前確認|社会保険労務士試験オフィシャルサイト
社会保険労務士試験オフィシャルサイトです。社会保険労務士試験に必要な証明書、申込書などのファイルをダウンロードできます。また、試験に関する最新情報を掲載しています。

受験条件については幅広く認められている社労士ですが、難関国家資格であるため大学や短大の卒業後すぐに試験を受けて合格する人はほんのわずかです。多くの人は働きながらスクールに通うなどして試験勉強をします。

また、国家試験に合格するだけでは社労士にはなれません。国家試験に合格後、実務経験2年以上または事務指定講習を修了し、社会保険労務士名簿に登録することで晴れて社労士となることができます。

社会保険労務士 資格取得ルート

社会保険労務士国家試験の概要と合格率

国家試験は、全国社会保険労務士連合会が厚生労働大臣の委託を受けて実施しています。

<試験概要>(2020年1月時点の情報)

試験日程毎年8月下旬
試験会場全国の主要都市32会場
受験料9,200円(振込手数料込)
試験方式択一式(70点)+選択式(40点)
試験科目労働基準法及び労働安全衛生法、労働者災害補償保険法、雇用保険法、労務管理その他の労働に関する一般常識、社会保険に関する一般常識、健康保険法、厚生年金保険法、国民年金法
合格基準択一式42~45点以上、選択式21~26点以上

+科目ごとの最低得点をすべてクリア

合格率6~7%

合格率は10%以下と超難関です。平均は6~7%となっていますが、2014年は9.3%、2015年は2.6%でした。年度によってばらつきがあるものの難関であることには変わりません。

社労士に関わる法律は20種以上あり、試験も約90%が法令に関わる内容となっています。次々に変わる法令に対応し、すべての科目で一定の得点取らなければならないため、社労士を目指すなら長期的に試験勉強する覚悟が必要です。

社会保険労務士の仕事内容

社労士の役割は、採用から退職までの「労働・社会保険に関する諸問題」や「年金の相談」に対応すること。複雑な社会保険や年金制度などの手続きを、企業の人事に代わって行います。社会保険労働士法では、社労士の仕事内容として「3つの業務」を定めています。

1号業務労働保険と社会保険に関する法令に基づき、申請書類を作成する。

例)離職票の発行、社会保険の資格取得・喪失届、助成金の申請

2号業務労働、社会保険に関する法令に基づき、帳簿書類を作成する。

例)雇用契約書、労働者名簿、賃金台帳、就業規則など

3号業務人事や労務に関するコンサルティング
例)社員教育、人員配置

1号業務と2号業務は社内の人なら社労士でなくてもできますが、社外の人が行う場合は社労士の資格が必要です(独占業務)。社内で行う場合、複雑な手続きが多いので知識がない人だと時間と手間がかかります。そのため、社内に社労士を雇っていない企業は、効率を考え社労士に依頼することが多いです。

また、3号業務は有資格者でなくても知識があれば社外の人でも行うことができます。資格が必須でない分ライバルが増えるので、豊富な経験と高い能力が問われます。

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社会保険労務士の就職先

社労士の就職先には、社会保険労務士事務所をはじめ、企業の人事やコンサルティング会社などさまざまな選択肢があります。

  • 社会保険労務士事務所:個人または法人に対し、労働管理や社会保険に関しての相談や指導を行う。代表的な就職先だが、求人数が少ないので簡単には就職できない。
  • 企業の人事や総務:専門知識を活かし、給料や健康保険料の計算などを行う。実務経験を必須とする場合が多い。
  • コンサルティング会社:企業に対して人事や労務についての相談や指導を行い、コストの見直しや適切な雇用体制を作るサポートをする。

また、社労士は独立して開業することもできます。勤務社労士よりは安定性がありませんが、年収1000万円以上稼ぐことも可能です。ただし実際は、開業してうまくいかない人も少なくありません。開業社労士として成功するためには、豊富な実務経験に加えて、マーケティングや営業スキル、自己管理能力が必要になります。

社会保険労務士のやりがい

社労士は仕事を通して多くの労働者を助けることができる仕事です。超難関国家資格であるだけに、やりがいや誇りを持って働くことができるでしょう。

社会生活に必要な知識を身に付けられる

日本の社会保険や年金制度は非常に複雑であるため、健康保険料や年金、失業保険などについて理解しきれていない人も多くいます。社労士は労働や社会保険に関わる法令を熟知していなければなりません。国家試験や業務を通じて得た知識は、どこにいっても役立つ財産となるでしょう。

労働環境を改善することができる

昨今、ブラック企業や過労死、派遣切り、人手不足など労働を取り巻くさまざまな問題が注目されています。社労士は就業規則の作成や社員教育のコンサルティングなどを通してこうした労働問題を解決することができる仕事です。多くの労働者を救い、企業の健勝に貢献できることは、社労士として働く上での大きなやりがいとなるでしょう。

開業すれば高収入も可能

社労士は独立開業が可能な資格です。2018年の大阪大学法学部の調査によると、社労士のうち60%以上が開業社労士として活躍しています。開業したからといって高収入になるとは限りませんが、上手くいけば勤務社労士の数倍の収入を得ることも可能です。

社会保険労務士の業務展開についての アンケート調査

http://www.law.osaka-u.ac.jp/senmonshigyou/pdf/part2.pdf

社会保険労務士の平均年収

2015年賃金構造基本統計調査によると、社労士の平均年収は45歳で約670万円となっています。ただし、この数字には開業社労士は含まれていません。

2018年大阪大学法学部の「社会保険労務士の業務展開についてのアンケート調査」によると、開業社労士の年収の中央値は400~500万円。開業社労士は勤務社労士よりも年収が低くなる傾向があるようです。また、300万円未満が26.3%、1000~3000万円が12.6%と非常にばらつきが大きいこともわかります。開業する場合、個人によって収入によって差が大きくなるため、相場はないものと考えておきましょう。

平成27年賃金構造基本統計調査

III 賃金|厚生労働省
III 賃金について紹介しています。

社会保険労務士の業務展開についての アンケート調査

http://www.law.osaka-u.ac.jp/senmonshigyou/pdf/part2.pdf

社会保険労務士の将来性

社労士の将来性を考えるにあたって注目すべき点は働き方改革とAIによる自動化。

昨今、働き方改革による労働の多様化が進みつつあります。これに伴い、就業規則、賃金制度、評価制度、退職金制度など見直すべき事項が増えるため、社労士の需要が高まっていくと予想されます。

また、社労士に限らず行政書士、司法書士、税理士などの士業にも言えることですが、書類作成などの業務の一部がAIに奪われてしまう可能性があります。すべての業務をAIに置き換えるのは責任問題の点からあまり現実的ではありあませんが、AIによる自動化で社労士に求められる仕事の総量が減る可能性は十分にあります。

以上のことから、今後は社労士の知識だけでなく幅広い専門性を持ちより複雑な問題を解決する能力が求められると予想されます。そのため、社労士資格だけでなく、行政書士や司法書士、税理士、中小企業診断士などとのダブルライセンスが重宝されるでしょう。

超難関資格の社会保険労務士を目指すなら他の資格もチェック!

労働や社会保険の専門家である社会保険労務士(社労士)は、合格率6~7%の超難関国家資格です。受験条件は比較的広いですが合格するためには相当な努力が必要になるでしょう。

近年ではブラック企業や働き方改革、人手不足など、労働を取り巻く問題が深刻化し社労士の需要が高まる一方で、AIによる書類作成業務の自動化も進むと予想されます。社労士として活躍するためには、ダブルライセンスによる差別化が鍵となるでしょう。

社労士として働きたいならば、行政書士や司法書士、税理士、中小企業診断士など他の資格についても確認しておきましょう!