子供のイヤイヤ期はなぜ起きる?その原因と対処法とは

子供のイヤイヤ期はなぜ起きる?その原因と対処法とは子育て

たっちやあんよが出来るようになり、少しずつ言葉が出てくる1歳半~2歳。
まだまだ大変ではありますが、授乳とおむつ替えに追われて睡眠時間が取れない日々も落ち着き、ママも少しずつ自分の心に余裕を取り戻しつつある頃なのではないでしょうか。

自我が芽生え、「これがしたい!」「自分でしたい!」という自己主張をするようになり、そんな姿にも可愛さを感じられる時期ではありますが、それはイヤイヤ期の始まり。

魔のイヤイヤ期とも呼ばれるこの時期は、ママの心を時に辛く苦しくさせるとも言われています。
イヤイヤ期はなぜ起きるのでしょうか?イヤイヤ期の原因、そしてイヤイヤ期の上手な対処法を詳しく解説します!

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ママを困らせる?イヤイヤ期とは

ママを困らせる?イヤイヤ期とは

イヤイヤ期とはその名前の通り、「イヤ!」と自己主張をしてママやパパの言う事を聞かなくなる第一反抗期を指します。

この第一反抗期である「イヤイヤ期」は、1歳半頃から始まり2歳半をピークに、3歳頃まで続くことが多いと言われています。
“反抗期”と聞くと、中学生くらいからの思春期に起きる親に対する反発心などをイメージする人が多いかと思いますが、実は思春期に始まる反抗期は第二反抗期と言われており、イヤイヤ期は「はじめての反抗期」です。

このイヤイヤ期は日本人の赤ちゃんにだけ起こるというわけではありません。
海外では「Terrible Twos」という表現があり、これは「ひどい2歳」「恐ろしい2歳」という意味です。
つまりイヤイヤ期は世界共通なのですね。

しかし子どももただママやパパを困らせたくてイヤイヤしているわけではありません。
実はイヤイヤ期はとても重要な成長の過程なのです。

イヤイヤ期の子どもはどういう行動をとるのか

イヤイヤ期の子どもが取りがちな行動で最も多いのが「イヤ!」の連発です。
ママやパパが何を言っても「イヤ!」で返されたり、聞く耳を持ってくれません。

また、それ以外にもご飯中に遊び始めたりスプーンやフォークで食器を叩いたり投げる行為、出先では帰りたがらずに泣いたり自分で歩かなくなったり、おもちゃを友達や兄弟に譲らないなどが目立ちます。

しっかりとご飯を食べて成長して欲しいママやパパからすると、食事に関するイヤイヤはどうしても心配の気持ちからイライラしてしまいがちです。

また出先でのイヤイヤもママやパパの頭を悩ませます。

スーパーや量販店で子どもが大声で泣いて動かないシーンや、寝転がって泣き叫ぶ子どもを見たことはありませんか?
これもイヤイヤ期の子どもならではの行動ではありますが、やはりママやパパとしては他人の目や心無い声が気になり、悩みの種になってしまいます。

イヤイヤ期はなぜ起きるのか

イヤイヤ期はなぜ起きるのか

出典:https://chanto.jp.net/

1歳半頃から始まり、3歳過ぎまで続くと言われているイヤイヤ期。
いつか終わりが来る…と思っていても、1年半以上という長い期間をひたすら耐え続けるのはとても困難です。

このイヤイヤ期はママやパパにとって非常に辛い時期ではありますが、実は素晴らしい成長の証なんです!

原因1:脳の“前頭前野”が原因

自分で歩くようになったり、言葉が少しずつ出始める1歳半頃。
色んなことが自分でできるようになってくる月齢ですが、「自分自身」に気づくことができるのもまたこの時期なのです。

自分自身に気づくという事は、自我が芽生えるということ。
脳内でも大きな成長が起きているのですね。

しかし、脳はまだ完全な状態ではありません。
イヤイヤ期が収まり始める3歳頃までは脳の“前頭前野”が機能していないと言われています。

前頭前野というのは、自分の欲求や感情にブレーキをかける脳機能の中枢です。
つまり、この前頭前野が発達する3歳過ぎまでは、「自我が芽生えて自己主張をするようになる一方で、自分の欲求にブレーキをかけられない」という状態なのです。

原因2:言葉でうまく伝えられない

テレビや周りの会話、そしてママやパパとのおしゃべりによって言葉を覚えていく1歳半。
徐々に喋れるようになり、今までよりも自分の「したい」という感情を周囲に伝えることができるようになりますが、完全ではありません。

2歳頃になると2語文をしゃべり始める子も出てきますが、それは自分の知っている短い言葉を繋げただけ。
自分の気持ちや自分の要望を伝えることまではできません。

自分が伝えたいことが言葉にできなかったり、うまく伝わらないとイライラしてしまい、結果「イヤ!」という言葉が出てきてしまうのです。

原因3:自分の気持ちをコントロールする方法を学習している

イヤイヤ期はママやパパを困らせてしまう大変な時期ですが、「自我の芽生え」という成長の証です。
しかしやはり前頭前野がまだ未発達なため、子どもは自分自身の「したい」と「できない」で葛藤している時期でもあります。

自分で何でもやりたい気持ちと、思ったようにうまくいかない事へのもどかしさ…小さな身体で自分自身と戦っているなんて、本当にすごいですよね。

結局うまくいかない事でイヤイヤして泣いてしまうのでママとパパは手を差し伸べますが、それでも「自分でやりたい」という気持ちが消えないのでそこでも「イヤ!」と自己主張をします。

ママやパパは参ってしまう状況ですが、イヤイヤしている間にも子どもは自分の気持ちと向き合っています。
どうすれば自分自身の気持ちをコントロールできるのかを学んでいる時期なのです。

イヤイヤ期になったときの対応

子どもの成長に必要なことだと頭ではわかっていても、日々家事や育児などで忙しく過ごしているママやパパにとってイヤイヤ期はとても辛い時期になります。
ですが、対処法を知っておくことで今までよりも気持ちに余裕を持ってイヤイヤ期を乗り越えることができるようになりますよ!

イヤイヤ期の対処で最も重要なのは「気持ちを受け止める」こと

イヤイヤ期の対処で最も重要なのは「気持ちを受け止める」こと

出典:https://epark.jp/

イヤイヤ期は、子ども自身が自分の感情と葛藤している時期です。
小さな身体ではとても解決できないことを、どうしたら解決できるのだろうと模索しているとても重要な成長段階。

そんな時にママやパパが気持ちを受け入れてくれる状況でないと、気持ちのやり場がなくなりますますイヤイヤがひどくなってしまうのです。

イヤイヤ期において一番大事なのは、「ママやパパが子どもの気持ちを受け止めてあげる」ということです。

「抱っこ!」と言われたら出来る限り抱っこをし、「絵本を読んで!」と言われたらあまりにも夜遅い時間であったりタイミングが悪い時以外は読んであげましょう。

そういった“子どもの要望に応える育児”は「子どもがワガママになる」と否定されがちですが、近年の児童心理学の研究でこれは否定されています。

イヤイヤ期の子どもにとって親という存在は「自分の世界の全て」です。唯一甘えられる場所であり、居場所なのです。
自分自身と葛藤している辛い時期に、自分の気持ちや要望を受け入れてもらうことによって、子どもの気持ちは落ち着いていきます。

一番最初に「そうだね」「~だったんだね」と声をかける

一番最初に「そうだね」「~だったんだね」と声をかける

出典:https://toyokeizai.net/

イヤイヤ期の子どもは自分の気持ちに収まりがつかず、収まりがつかないことで更に憤りを感じます。

大きな声で泣かれたり、地面に寝転がってイヤイヤされるとママもパパもイライラしてしまいますが、ここで怒ってしまうと逆に状況がひどくなってしまう事があります。
まずは深呼吸して、「そうだね」や「イヤだったんだね」と子どもの気持ちを汲む言葉をかけてあげましょう。心に余裕ができてきたら、子どもを抱きしめてあげると良いですね。

ママやパパに「気持ちをわかってもらえた」と思うことで、イヤイヤした原因が何であったとしても子どもは落ち着きます。

ママやパパも人間ですから、どうしても頭に血がのぼってしまう事もありますが「子どもを落ち着かせるために最善は何なのか」を考えるようにすることで、子どもは早く落ち着くようになり、更に冷静になった時にママやパパ自身が後悔せずに済みます。

イヤイヤしたら場所を変える

イヤイヤしたら場所を変える

イヤイヤ期真っ只中の子どもは、外出先でイヤイヤする事もしばしばです。

大きな声で泣いたり、中には地団駄を踏む子もいますが、そんな時にはその場で叱ったり「静かにしなさい!」と怒ったりせず、なるべく場所を変えましょう。

お店の中で泣きだしたらお店の外に出たり、その場から離れることでイヤイヤしていた子どもも気持ちを切り替えやすくなります。
また、その場を離れることでママやパパ自身も周りの目を気にしなくて済むので、子どもと冷静に向き合うことができます。良い事だらけですね!

もちろん出先に限らず、自宅でも有効です。
イヤイヤして泣き出してしまったら、テレビなどのない静かな部屋に移動してみましょう。

帰りたがらない時は具体的な提案をする

帰りたがらない時は具体的な提案をする

場所を変えて子どもの気をそらすことが出先のイヤイヤには効果的ですが、子どもが公園や子育て支援センターなどから帰りたがらずにイヤイヤしている時は別の対策が必要です。

子どもにとって公園や支援センターはまさにテーマパーク。疲れても眠たくてもお腹が空いてもずっと遊んでいたい場所です。
しかしずっと遊ばせておくわけにもいかない…そんな時は、「具体的な提案」をしましょう。

例えば、帰らなければならない時に「もう帰るよ!」と言うのではなく、「これが終わったら帰ろうね、できる?」と聞いたり「遊ぶの楽しかったね、今日はあと3回すべり台したら帰ろうね」というように、子どもの“遊びたい”という気持ちを汲みつつ、子ども自身に「これをしたらおしまい」という区切りを自覚させます。

しかし手ごわいイヤイヤ期。それでも泣いたり叫んだりする事もあるでしょう。
その場合は、「未来への具体的な提案」が効果的です。

「お家帰ったら〇〇くんの好きなテレビやってるよ!一緒に見る?」「帰ったら〇〇ちゃんの大好きなおやつ食べよっか!」というように、具体的な提案で「帰ったらこうなる」という未来に気を向けさせましょう。

イライラしない・怒らないというのは非常に難しい事ではありますが、イヤイヤ期の子どもには“気をそらす”という方法が非常に効果的です。

まとめ

イヤイヤ期と聞くと、どうしてもネガティブな印象を持ってしまいがちです。

妊娠中から色んなことに気を使い続け、出産した後は授乳やオムツ替えなどで睡眠時間が取ることができず、子どもの病気などにも気を使い…
そうして常に頑張り続けてきたママやパパだからこそ、イヤイヤ期を目の前にするととても大きな壁に思えて来てしまいます。

「どうしてそんなにママ(パパ)を困らせるの?」と思うとやはりイライラしてきてしまうものです。
しかし、イヤイヤ期の理由やどうする事が良いのかという事がわかっていれば、その知識は必ずイヤイヤ期を迎えるママやパパの大きな味方になります。

イヤイヤ期というのは、子どもがイヤイヤする分全部ママやパパが我慢しなけばならない期間というわけではありません。
子どもにとって一番の安心は「ママやパパが笑顔でいること」です。

イヤイヤ期に疲れるのは当然です。誰かに相談したり、どこかに出掛けたり、リフレッシュしながら魔のイヤイヤ期を乗り越えましょう!