社会福祉士の資格とは?資格の取り方から仕事内容・年収、やりがい等を簡単に解説!

社会福祉士の仕事女性の仕事・資格

みなさんは「社会福祉士」という職業をご存じでしょうか?なんとなく福祉に関わる仕事ということは分かっても、具体的な仕事内容を知らない人も多いことでしょう。

ここでは、社会福祉士に興味がある人や目指している人に向けて、資格の取り方やなり方、仕事内容、やりがい、年収を詳しく解説していきます。

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社会福祉士とは?

社会福祉士とは、身体的、精神的、経済的ハンディキャップを持った人に対して、日常生活をスムーズに送れるように助言や指導、援助を行う国家資格の職業です。

精神保健福祉士、介護福祉士と並んで福祉系三大国家資格(三福祉士)と呼ばれることもあります。

社会福祉士は医師や薬剤師、看護師のような「業務独占資格」ではなく、社会福祉士は「名称独占資格」の国家資格です。そのため、資格がない人でも社会福祉士の業務を行うことができますが、社会福祉士と名乗って働くことはできません。

精神保健福祉士、介護福祉士については以下参考にしてください。

精神保健福祉士の資格とは?資格の取り方から仕事内容・年収、やりがい等を簡単に解説!

介護福祉士の資格とは?資格の取り方から仕事内容・年収、やりがい等を簡単に解説!

社会福祉士の資格を取るには?

社会福祉士になるためには年1回実施される国家試験に合格しなければなりません。国家試験の受験資格を得るにはさまざまなルートがあります。

社会福祉士国家試験を受験するまでのルート

社会福祉士の国家試験を受験するためには以下のようなルートがあります。

  • 4年制大学に入学し、指定の科目を履修する
  • 2~3年制の短大、または専門学校で指定科目を履修後、相談援助業務を1~2年行う
  • 大学や短大で指定科目を履修後、短期養成施設(6カ月以上)を卒業する
  • 一般大学や短大を卒業後、一般養成施設(1年以上)を卒業する

さらに細かく分けると、以下のようになります。

社会福祉士の資格受験ルート

出典:公益社団法人社会福祉振興・試験センター(http://www.sssc.or.jp/shakai/shikaku/route.html)

平成31年4月時点では、国内に短期養成施設は14、一般養成施設は75施設あります。入学要件や課程などは施設によって異なるため、詳細は各施設に確認しましょう。

社会福祉士国家試験の概要と合格率

<社会福祉士国家試験>(2020年1月時点の情報)

試験日程毎年2月
試験会場北海道、青森県、岩手県、宮城県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、石川県、岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、島根県、岡山県、広島県、香川県、愛媛県、福岡県、熊本県、鹿児島県、沖縄県
受験料一般受験者:15,440円

精神保健福祉士との同時受験者:13,980円

科目免除者:13,020円

試験科目人体の構造と機能及び疾病、心理学理論、現代社会と福祉、社会調査の基礎、相談援助の基盤と専門職、相談援助の理論と方法、地域福祉の理論と方法、福祉サービスの組織と経営など18科目※
合格基準60%以上の正答率かつ各科目すべてにおいて得点があること
合格率25~30%

※精神保健福祉士の資格を持つ場合は一部免除

合格率は25~30%と高いとは言えません。その理由としては、科目数が多いことと受験者の年齢層が幅広いことが挙げられます。

社会福祉士国家試験の科目数は18科目と福祉系資格の中でも最多です。全体で60%以上の正答率に加えひとつでも0点の科目があると合格できないので、広い出題範囲をまんべんなく勉強しなくてはなりません。

また、2019年の国家試験データによると、受験者のうち50%以上が31歳以上、約10%が51歳以上となっています。そのため、働きながら試験勉強をしている人や子育てや親の介護などで十分に勉強時間を確保できない人も多いと予想されます。

このような理由から合格率は低くなっていますが、大学新卒者の合格率は50%以上となっているため、きちんと勉強すれば合格は難しくないでしょう。

公益社団法人社会福祉振興・試験センターのホームページでは、過去の試験問題が公開されているので気になる人はチェックしてみましょう!

公益社団法人社会福祉振興・試験センター:

社会福祉士国家試験、介護福祉士国家試験、精神保健福祉士国家試験:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
社会福祉士国家試験、介護福祉士国家試験、精神保健福祉士国家試験、資格登録、その他社会福祉事業についてのご案内など。



精神保健福祉士との違いは?

精神保健福祉士と社会福祉士は、どちらもソーシャルワーカーと呼ばれる国家資格の職業です。

対象者やその家族の問題を解決し、日常生活をスムーズに送るための指導や支援を行うという点では似ています。しかし、両者は支援対象者や就職先に以下のような違いがあります。

  • 社会福祉士:高齢者や障がい者、虐待を受けている子ども、低所得者など。勤務場所は介護施設、保健所、児童相談所、医療施設、行政施設など。
  • 精神保健福祉士:うつ病や統合失調症、認知症、アスペルガー症候群など精神的な病気や障害を持つ人。勤務場所は総合病院の精神科、精神科病院、障がい者福祉施設など。

精神保健福祉士と社会福祉士に必要な知識には共通する部分もあるため、精神保健福祉士の資格があれば社会福祉士国家試験で10科目免除され、逆の場合も同様の免除が受けられます。

社会福祉士の仕事内容

高齢者福祉施設や児童相談所、行政機関などの相談窓口として、相談者の悩みを聞き、相談者を取り巻く状況を考慮しながら適切な指導や支援を行うことが社会福祉士の仕事です。社会福祉士は、身体的または精神的障害を持つ人、家庭環境に問題を持つ人、生活が困難な人など幅広い人を対象としているため、就職先によって仕事内容も異なります。

それぞれの就職先ごとでの仕事内容を、以下で説明していきます。

社会福祉士の就職先

社会福祉士はあらゆる人を対象として生活の支援を行うため、就職先も多様です。社会福祉士の就職先としては、以下のような機関があります。

高齢者福祉施設

厚生労働省によると社会福祉士のうち約40%が特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、デイサービスセンターなどの高齢者福祉施設に勤務しています。仕事内容としては、相談業務の専門家として利用者やその家族の相談に対応したり、医療機関との連絡のやりとりなどを担当します。

参考:厚生労働省 社会福祉士の現状等

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000194332.pdf

障がい者福祉施設

主に、利用者やその家族からの相談対応や入退所の手続きなどを行います。そのほかに電話対応や相談者の自宅訪問、退去後の生活支援などを担当することもあります。

医療機関

「医療ソーシャルワーカー」として、患者さんやその家族の相談対応や、医療保険や各種手続きの説明を行います。

児童相談所

各都道府県や政令指定都市の児童相談所に就職する場合、公務員として働くことになります。「ファミリーソーシャルワーカー」「児童相談員」として虐待、非行、不登校、いじめなどさまざまな問題を抱える子どもに対して支援を行います。

行政施設

公務員として役所などの福祉課や生活保護課に就職することも可能です。この場合は、住民の福祉に関する相談窓口として、悩みの相談を受け各機関と連携するなど適切な対応を行います。

社会福祉士のやりがい

社会福祉士は、社会への貢献度が高くやりがいもある仕事です。さまざまな悩みを抱える人に対して助言や指導を行うことで、以下のようなやりがいを感じながら働くことができます。

相談者の悩みを解決することで感謝される

社会福祉士が対象とするのは、介護や病気、障がい、虐待、非行、貧困などさまざまな問題を抱える人。社会的立場の弱い人をサポートする立場であるため、感謝の言葉を貰うことも少なくありません。人の役に立ちたい、感謝される仕事がしたいという思いが強い人ほど大きなやりがいを感じられるでしょう。

難しい問題をクリアできる達成感

社会福祉士は、相談者の家庭環境や経済状況を考慮しながら適切な対応をしなければなりません。中には単純な方法だけでは解決できない場合もあります。相談者から理不尽な要求をされることもあるでしょう。しかしその分、問題を解決できたときには大きな喜びを感じることができるでしょう。

社会福祉士の平均年収

厚生労働省の「社会福祉士・介護福祉士就労状況調査結果の実施概要」によると、平成26年の社会福祉士の年収は377万円でした。正規職員では男性が454万円、女性が380万円となっています。年齢別に見ると20代がもっとも低く295万円、50代がもっとも高く475万円となっています。

 

社会福祉士は資格がなくてもできる「名称独占資格」ですが、職場によっては資格手当が支給される場合もあり、その金額は平均で月1万円程度となっています。

社会福祉士・介護福祉士就労状況調査結果の実施概要

http://www.sssc.or.jp/touroku/results/pdf/h27/results_sk_h27.pdf#page=10

社会福祉士の将来性

近年では高齢化に伴う介護施設の増加や介護保険制度の拡充により、介護業界は慢性的な人手不足を抱えています。また、いじめや不登校など子どもが抱える問題も増加傾向にあり、児童相談所への相談件数も年々増えています。こうした社会的背景から、今後も社会福祉士によるサポートを必要とする人が増えていくでしょう。

社会福祉士はキャリアが豊富な人ほど優遇される傾向があり、認定社会福祉士資格を取って独立開業するという道もあります。豊富な就職先に加え、キャリアを積んでいくことでさまざまな働き方できるのは社会福祉士の大きな魅力と言えるでしょう。

社会福祉士はあらゆる人を対象とした福祉のプロ

社会福祉士は、身体的、精神的、経済的ハンディキャップを持った人に対して、日常生活の支援を行う福祉のプロフェッショナルです。国家資格を必要とする社会福祉士ですが、働きながら合格を目指す人も少なくありません。高齢者福祉施設、医療機関、児童相談所、行政機関などさまざまな就職先の選択肢があるため、自分の信念や将来のビジョンに合わせた働き方ができるでしょう。

社会的弱者の助けになりたい、社会的貢献度の高い仕事をしたい、人と関わることが好きという人は社会福祉士を目指してみてはいかがでしょうか?

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