綺麗になりたい女性の憧れ。美容部員のタッチアップ
タッチアップとは?
タッチアップとは、デパートの化粧品売り場やコスメ専門店で働いている美容部員(ビューティアドバイザー=BA)が、お客様に直接スキンケアやメイクを行うこと。美容部員さんにとっては購買に繋がる重要なステップの1つなので、自社の商品を使用するのが一般的です。お客様が気になっている商品を試してくれることもあれば、お客様が抱える悩みや希望を聞き、適した商品を選んでタッチアップしてくれることもあります。
タッチアップの流れ
お店が落ち着いているときや美容部員さんの手が空いている場合なら、美容部員さんから声をかけてもらうことでタッチアップをしてもらえます。お店が混雑している場合や美容部員さんが気づいていない場合は、声をかけてタッチアップをお願いしましょう。お願いするときの声かけは、気になる商品がある場合なら「これ試してみてもいいですか」でOK♪ 漠然とした悩みがあるときは伝え方にポイントがあります。例えば乾燥肌でも使えるファンデーションを探しているなら、「できるだけ保湿を維持できるファンデーションが欲しい」などその悩みを解決できる商品のことを伝えると、美容部員さんも理解しやすく適切な商品を提案してくれますよ。その後タッチアップを施してもらい、気に入った商品があればその場で購入可能。少し考えたい場合は、「しばらく時間を置いてメイクの持ちを確かめたいので、また来店してもいいですか?」と言えば、断りづらさもなくスムーズに退店できます。使用した商品をメモしてもらうのもいいでしょう。
タッチアップのコツ
美容部員という仕事に興味がある方にとって、どうすればお客様に満足してもらえるタッチアップが施せるのか気になる方もいるでしょう。タッチアップを行う際には以下のことに注意しつつ進めてみてください。
- お客様の要望と美容部員側の提案を織り交ぜる
タッチアップを行う上では、お客様から「この商品を試したい」「こんな悩みを解決できる商品が欲しい」などの要望に見合う商品を使用していくことになるでしょう。その中で、「お客様がおっしゃっていた商品よりも、こちらの方がおすすめできるな」と思うときも出てくるはず。そんなときは、会話の中でお客様の真意や意図を汲みつつ、自分の提案も伝えていきましょう。そのためにタッチアップ中の短い時間で、コミュニケーションを取りながら信頼関係を築いていくことが重要です。
- タッチアップ前と後の違いを説明できるようにする
せっかく自分のお店の商品に興味をもってタッチアップをしに来て頂いたお客様に対して、「この商品を使えば、今までよりもっと満足のいくメイクができる」ということを自信をもって伝えることは大切です。そのためタッチアップの前後の違いを論理的にしっかり説明できるよう、表現の仕方を学んでおきましょう。あとはファンデーションやフェイスパウダーなどを使用する場合は、顔の半分だけに施して視覚的に違いを理解してもらうのも効果的です。
自分でやるときの注意点
美容部員さんが常駐している化粧品店ならタッチアップをお願いできますが、試供品しか置いていないお店や自分でメイクを施したいときは、セルフでタッチアップを行うことになります。そのとき、試供品を直接顔につけることはやめましょう。スパチュラや綿棒などがある場合は必ず使用し、ないときは手の甲に出してから顔に塗ると◎。不特定多数の人が使う試供品なので、できるだけ清潔に保つよう心がけましょう。
ブランドの顔。美容部員のメイクの作り方
美容部員はメイクが濃いの?
デパートで働いている美容部員さんは、みんな濃いメイクをしていると思っている方もいるでしょう。しかしナチュラル系と外来系のブランドでは、当然メイクのテイストが異なってきます。美容部員さんはそのブランドの顔でもあるため、ブランドコンセプトに沿ったメイクを施しているだけであり、一概に濃いとは言えません。ただナチュラル系のコスメブランドでも、自社の商品をよりよく魅せるため、見た目には濃く見えずともしっかり厚みのベースメイクを施していることもあります。美容部員さんがしっかりとメイクを施しているのは、もちろん仕事だからというのもありますが…実はデパートなどでは照明が強いため、色飛びしないためという理由もあるそうです。
ブランド毎のメイクの決まり
一口に「化粧品ブランド」といっても、強みやテイストは実に様々。各ブランドの店頭に立つ美容部員さんは、ブランドの看板として自社商品の魅力を最大限引き出したメイクを施しています。そのためブランドごとにメイクの仕方や決まりに違いがあるのです。ベースメイクに力を入れているブランドもあれば、メイクアップアイテムに強みをもつブランドでは、新人研修で「メイクをもう少し濃くして」と言われた経験がある美容部員さんもいるのだとか。好きなメイクをしながら美容部員として働きたいなら、ブランドの特徴はあらかじめ把握しておくのがおすすめです。
下手な人もいる? 美容部員はどのように技術を身につける?
美容部員として就職すると、店頭に立つ前に新人研修を受けるのが一般的です。研修では座学での肌やメイクに関する知識を学び、実際にメイクを行う実習が行われます。期間は企業によって異なりますが、大体2週間~2ヶ月程。実習を終えた後店頭に立つことになりますが、もちろんメイクの技術には研修で学ぶ内容以外の実践的な技術が必要となります。店頭に立ったあとは、お客様への実践を積み重ねながら技術を高めましょう。
ベースメイクのポイント
ベースメイクをナチュラルに仕上げたい場合は、美容液入りで柔らかいテクスチャーの下地を使用しましょう。長時間崩れないしっかりしたベースメイクを作りたいなら、硬めなテクスチャーの下地を使いましょう。シミやクマを隠したい場合はコンシーラーを使用して、しっかり乾いてからファンデーションを塗ると崩れにくくなります。
アイメイクのポイント
より立体感のある大きな目元に見せるためには、自然なグラデーションを作りましょう。日常的に使いやすいブラウン系のアイシャドウは、グラデーションが作りやすいパレットタイプの物をひとつ持っておくのがおすすめ。アイライナーはまつ毛の間を埋めるように引いていき、くっきりとした目元を演出。あまりアイライナーを使いたくないなら、濃いブラウンやブラックなどアクセントカラーのアイシャドウをのせればOK。下まぶたの目尻にも使用し、奥行きをプラスしてみてください。マスカラを使用する場合は、下地を使ってカールのもちを維持しましょう。ナチュラル系メイクなら長さ重視のものを、しっかりメイクをしたいならボリューム重視のものを選ぶと相性がいいですよ。
スキンケアのポイント
スキンケアで最も大切なのは、「クレンジングと洗顔」。いくら良い化粧水や美容液を使っていても、クレンジングと洗顔でしっかり肌の汚れを落とせなければ美しい素肌は作れません。クレンジングはベースメイクを基準として選ぶのがおすすめ。理由は、洗浄力の強すぎるものを選ぶと肌に負担をかけてしまうから。例えば目元のメイクは濃いけれどベースメイクは下地とパウダーで軽く済ませている場合、肌にはジェルやミルクタイプのクレンジングを使い、目元だけアイメイク用のクレンジングを使えば、肌に余計な負担をかけずに済みます。その後洗顔料を使い、ぬるま湯でクレンジングの残りや顔の汚れをしっかり落としましょう。洗顔後は化粧水を就けて肌に染み込ませた後、保湿液で水分が逃げないよう肌にフタをしてケアするのがベスト。どちらもつけすぎると肌に適切な水分を残せないため、適量を守りましょう。
美容部員はメイクアップアーティストではない?
美容部員もメイクアップアーティストも「お客様に対してメイクを施す」という点では共通していますが、目的が全く異なります。タッチアップを通し自社の商品を販売することが目的なのが美容部員。対してメイクアップアーティストは、モデルに対して状況に合う適切なメイクを施すことが目的です。美容部員の場合、メイクを施すことは商品を販売する手段の1つであることを認識しておきましょう。
美容部員を目指すなら。覚えておきたい試験&面接メイク
美容部員になるためのメイク
美容部員の試験や面接に行くときは、ブランドや企業のイメージにできるだけ沿ったメイクを施しましょう。もしわからないなら、面接を受けに行くブランドの美容部員さんを偵察に行くのもおすすめ。そこで面接を受けることを伝えれば、親身になって面接メイクの相談にのってもらえるでしょう。
髪型と髪色にも注意を
メイクと同様に面接のヘアも悩むところですが、髪型や髪色は基本的には清潔感のあるまとめ髪を意識しましょう。面接を受けるブランドの美容部員さんが金髪などの比較的派手な髪色だからといって、面接時から真似するのはおすすめしません。黒やブラウンなど比較的自然でメイクと相性のいいカラーを選び、お辞儀をしたときに髪が垂れてしまう場合は、お団子ヘアなどでまとめて清潔感を維持するといいでしょう。
アイプチやネイル、つけまつげにも配慮
面接者のメイクにも寛容ではある化粧品業界ですが、アイプチやつけまつげはナチュラルで清潔感のある印象を崩さない程度に留めましょう。ブランドによってはアイプチやまつ毛が適さないところもあるため、どちらか迷う場合はやめておく方が無難です。ネイルに関しては、お客様に直接触れる仕事なので、肌を傷つけるような長い爪や過度な装飾はNG。面接時から手元は綺麗にしておくよう心がけておくのがおすすめです。
美容部員を目指すなら、まずは資格取得もおすすめ
美容部員を目指す人はメイクやコスメが大好きのはず。好きを仕事にすることが、もっとも理想的な働き方。タッチアップの仕方やコツやここまで書いてきた通りですが、自信をつけたい方や周囲と差をつけたい方は仕事に必要な技術を学んでみては? 専門学校より安く、6か月で取得でき、週1から通えるヒューマンアカデミーのヘア・メイク講座であれば現場で使えるスキルが習得できますよ。大手だから就職・転職サポートもアリます。気になったらぜひチェックしてみて♪
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