歯科衛生士の資格とは?資格の取り方から仕事内容・年収、やりがい等を簡単に解説!

歯科衛生士の仕事女性の仕事・資格

高齢化が進む昨今、歯科衛生士の活躍の場はどんどん広がっています。歯科衛生士として働く人の人数は2018年時点で13万人以上となっており、ここ20年の間に2倍以上に増加しました。

国家資格ということもあり人気の高い歯科衛生士ですが、どんな仕事なのでしょうか?

ここでは、資格の取得方法や就職先、仕事内容、歯科助手との違い、やりがい、収入について解説していきます。歯科衛生士として働きたいと志す人は是非参考にしてください!

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歯科衛生士とは?

歯科衛生士とは、歯科医師の診療補助、または医師の指示を受けながら治療の一部を行う職業です。

歯科衛生士になるには、厚生労働省指定の専門学校や短期大学で専門教育を受け国家試験に合格しなければなりません。かつて歯科衛生士は女性限定の職業でしたが、2015年の法改正により男性でも歯科衛生士になれるようになりました。

歯科医院をはじめとするさまざまな場で活躍が期待される歯科衛生士は、歯科疾患の予防や口腔衛生の専門知識を活かし、歯や口腔の健康づくりをサポートする社会的に重要な職業と言えるでしょう。

歯科衛生士と歯科助手の違いとは?

歯科衛生士と似た仕事に歯科助手というものがありますが、これら2つの仕事には明確な違いがあります。歯科衛生士は「医療業務従事者」、歯科助手は「一般事務職」という位置づけであり、歯科助手には歯科衛生士のように国家資格は必要ありません。専門教育や資格がなくてもできる分、歯科助手には歯科医療行為が認められていないので、直接患者さんの口に触れることはできません。

歯科助手の仕事内容は、受付事務や書類の作成、診療のための雑務などに限られます。国家資格である歯科衛生士の方ができる仕事の幅が広いため、給与も高く設定されています。

歯科助手については以下参考にしてください。
歯科助手の資格とは?資格の取り方から仕事内容・年収、やりがい等を簡単に解説!

歯科衛生士の資格を取るには

歯科衛生士になるためには、毎年3月に行われる歯科衛生士国家試験に合格しなければなりません。

国家試験を受検するためには、厚生労働省指定の養成機関(大学の歯学部口腔保健学科、短大の歯科衛生学科、専門学校などの養成施設)を卒業する必要があります。

歯科衛生士になるまでのルートとしては、

  • 高校卒業→短大、専門学校
  • 大学→国家試験→就職

というパターンが一般的ですが、中には一度社会人を経験してから歯科衛生士になる人もいます。

夜間部のある養成機関を利用すれば、働きながら勉強することも可能でしょう。歯科衛生士に年齢制限はないので、何歳からでも資格取得を目指すことができます。

また、国家試験の合格率は例年95%前後と高いので、指定の養成機関を卒業すれば歯科衛生士になれる可能性はかなり高いと言えます。


歯科衛生士の就職先

歯科衛生士の就職先は虫歯などの治療を行う一般歯科医院が大半を占めます。いまや歯科医院の数はコンビニよりも多いと言われているので、その求人数は豊富。歯科衛生士として働きたい場合、就職先には困らないでしょう。

近年では、虫歯や歯周病の治療に限らず歯や口腔の健康づくりが注目されはじめているため、市町村の保険センターや保育園、学校、老人介護施設、企業の医務室など、歯科衛生士の活躍の場が広がっています。高齢化が進む社会では、専門性の高い歯科衛生士の需要はどんどん高まるでしょう。

歯科衛生士の仕事内容

国家資格である歯科衛生士の任務は「歯科疾患の予防及び口腔衛生の向上を図ること(歯科衛生士法第一条)」と定められています。では、歯科衛生士としての任務を果たすために、具体的にどんな仕事をしているのでしょうか。

歯科衛生士の仕事は、主に歯科予防処置、歯科診療補助、歯科保健指導の3つに分けられます。

これらの仕事はいずれも法律に定められていて、専門性の高い知識や技術を必要とします。それぞれの仕事について詳しく解説していきます。

歯科予防処置

歯科予防処置とは、むし歯や歯周病にならないように歯に特別な処置をする仕事です。具体的には、フッ化物塗布等の薬物塗布、歯垢や歯石の除去、口腔内の汚れを専門的に除去する機械的歯面清掃などがあります。

むし歯と歯周病は歯科の二大疾患と言われ、多くの人が罹患しています。健康的な生活を送るためには歯を健康に保つことが必要であり、歯を健康に保つためにはむし歯と歯周病の予防が欠かせません。歯科世予防処置は歯科衛生士の独占業務であるので、患者さんの健康を保つために非常に重要な業務であると言えます。

歯科診療補助

歯科診療補助とは、歯科医師の指示を受けて診療の補助や治療の一部を担当する仕事です。歯科衛生士と聞くと、なんとなくこの仕事をイメージする人も多いのではないでしょうか。

診療の前には、患者さんの歯や口腔状態を確認し診療の準備を進めます。場合によってはX線撮影や型どりをする準備も必要となります。診療中は、歯科医師の側で唾液や削りかすをバキュームで吸い取る、歯に詰めた金属や樹脂の研磨をするなど、診療をスムーズに進められるように補助をします。

歯科診療補助の業務範囲は多岐にわたり、単に歯科医師の指示を聞くだけでの仕事ではありません。患者さんの不安を取り除き円滑な診療を行うために、歯科医師と患者さんとのコミュニケ-ションに配慮する必要もあります。例えば、医師からの説明をかみ砕いて説明する、要望を細かく聞く、緊張をほぐすために声をかけるなどの細かな気配りが求められます。

歯科保健指導

歯科保健指導は、むし歯や歯周病予防のためのセルフケア指導です。健康な歯を保つためには歯科医院を受診するだけではなく、日々の正しい生活習慣やセルフケアが欠かせません。患者さん自身が虫歯や歯周病にならないケア方法を身につけるため、専門知識を持った歯科衛生士がブラッシングや食生活などをサポートします。

歯科保健指導は、子供でも高齢者でも、健康な人でも病気や障害を持った人でもすべての人に必要なサポートです。従って、患者さんの年齢や健康状態に合わせた指導が求められます。

歯科衛生士のやりがい

ここ20年間で2倍以上に増加した歯科衛生士ですが、なぜそんなに人気なのでしょうか?ここでは歯科衛生士という職業のやりがいを4つ紹介します。

歯のケアのプロになれる

国家資格である歯科衛生士は、口腔ケアのプロとして生涯活躍できる職業です。歯を健康に保つことは全身の健康増進に欠かせません。専門知識を活かして患者さんの歯を守ることで全身の健康を支えることができることは1つのやりがいになります。また、歯科衛生士としての知識や技術は、患者さんだけでなく自分や家族の歯を守ることにも繋がるでしょう。

キャリアアップを目指せる

昨今、歯科衛生士は一般歯科だけでなく障害者歯科、老年歯科、在宅療養などさまざまな分野で口腔ケアのプロとして需要が高まっています。高度な知識・技能を有すると認められた歯科衛生士には、日本歯科衛生士会から認定証が交付されます。認定歯科衛生士の資格を取得すれば、歯科衛生士としての活躍の場が格段に広がりキャリアアップに繋がります。キャリアアップを目指せる点も仕事をする上でのやりがいに繋がっていきますね。

求人数が多い

歯科衛生士の需要な就職先である歯科医院は、コンビニよりも多いと言われており、その分歯科衛生士の求人も豊富にあります。2018年の歯科衛生士求人倍率は21.0倍となっており、非常に多くの需要があることが分かります。求人数が多いので、勤務地や勤務時間など自分に合った条件の職場を見つけやすいでしょう。

プライベートが充実しやすい

歯科医院は看護師など他の医療系職種と比べて勤務時間が安定しているので、プライベートの予定を立てやすい職業と言えます。歯科医院は基本的に夜勤がありませんし、多くの歯科医院は19時頃には診療が終わります。また、日祝と平日1日が休診日となっている場合が多いので、友人や家族とも予定を合わせやすいでしょう。

歯科衛生士の平均年収

平成30年の厚生労働省賃金構造基本統計調査によると、歯科衛生士の平均年収は34.9歳で約364万円となっており、日本の平均年収と比較すると低い傾向にあります。基本的にはキャリアと能力に応じて年収もアップしますが、職場によってはある程度のところで頭打ちになることもあります。歯科衛生士の資格があるからと言って高収入になる保証はありません。しかし、求人数が豊富であることを考えると、続けやすく安定した収入が得られる仕事と言えます。

歯科衛生士は需要が高く続けやすい仕事!

歯科衛生士は単に医師の補助をするだけではなく、専門的な知識と技術で患者さんの健康をサポートする重要な役割を担う職業です。国家試験は合格率95%程度なので、他の国家資格と比べると狙いやすい資格と言えるでしょう。

また、歯科衛生士の数はここ20年の間に2倍以上に増加しましたが、高齢社会において今後ますます需要が高まると予想されます。需要が高い分求人数が多く就職・復職がしやすいので、長く安定して働きたい人にピッタリな仕事ではないでしょうか。

興味をもった方はぜひ歯科衛生士の資格取得を目標に頑張ってみてください♪

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