医療事務に必要な資格とは?医療事務の仕事内容・やりがい、年収についてを解説!

医療事務 資格女性の仕事・資格

皆さんも一度は医療事務という仕事を聞いたことがあるのではないでしょうか?

医療事務は専門的な知識が必要になるものの、病院という安定した職場で働ける仕事として求人サイトや通信講座などでトップクラスの人気を誇っています。ここでは、医療事務の仕事内容や役立つ資格、年収についてお伝えしていきます。

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医療事務とは?

医療事務とは、病院や診療所などの医療機関で受付や会計、診療報酬請求といった業務を行う職業で、未経験でも始められ比較的勤務時間が安定していることから長く続けられる仕事として女性を中心に高い人気を誇っています。

事務職といってもパソコンに向かって黙々と作業をする仕事ではなく、患者さんと接する機会が多いため対人能力も求められます。

医療事務には資格は必須ではありませんが、就職のしやすさや収入面の優遇を求めて医療事務関連の民間資格を取得する人が多くいます。

医療事務の資格を取るには

無資格でもなれる医療事務ですが、医療費に関する専門的な知識が必要になるため、また資格によって収入面で優遇されることがあるため、関連する民間資格を取得することがおすすめです。日本には数十種類以上の医療事務に関連する資格がありますが、ここでは代表的な民間資格を5つ紹介します。

診療報酬請求事務能力認定試験

数ある医療事務関連資格の中で最高峰と言われる資格だけあって、求められる能力が高く合格率は30%と低め。未経験から医療事務を目指す人にも収入アップやスキルアップを目指す人にも最適な資格です。

<試験概要(2020年2月時点の情報)>

主催公益財団法人日本医療保険事務協会
資格の趣旨診療報酬請求の実務を正しく行うスキルを認定
受験資格なし
試験日程年2回(7月、12月)
試験会場札幌市、仙台市、さいたま市、千葉市、東京都、横浜市、新潟市、金沢市、静岡市、名古屋市、大阪府、岡山市、広島市、高松市、福岡市、熊本市、那覇市
受験料9,000円(税込)
試験内容学科試験20問

実技試験2問

合格基準学科および実技試験で一定以上の正答率(実施回により調整)
合格率30%前後
備考・医科または歯科を選択して受験

・試験場への診療報酬点数表、その他の資料の持ち込みは自由

参考:公益財団法人日本医療保険事務協会https://www.shaho.co.jp/iryojimu/exam/

医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)

医療事務関連資格の中で最も認知度が高く、受験者が非常に多い資格。この試験に合格すると「メディカルクラーク」という称号を得られ、診療報酬請求事務や窓口業務、患者接遇スキルをアピールできます。在宅で受験できるうえ合格率は60%とそれほど難しくないので、未経験でも挑戦しやすい資格と言えるでしょう。

<試験概要(2020年2月時点の情報)>

主催一般財団法人日本医療教育財団
資格の趣旨診療報酬請求事務技能や医療機関での受付業務、患者接遇などの能力を審査・証明
受験資格なし
試験日程年12回(毎月)
試験会場在宅
受験料7,500円(税込)
試験内容実技I:患者接遇/筆記(記述式)/2問

学科:医療事務知識/筆記(択一式)/25問

実技II:診療報酬請求事務/診療報酬明細書点検/4問

合格基準学科試験および実技試験I・IIのすべてにおいて70%の正答率
合格率60%前後
備考・医科または歯科を選択して受験

・受験は日本国内のみ

参考:一般財団法人日本医療教育財団http://www.jme.or.jp/exam/index.html

医療事務管理士技能認定試験(医療事務管理士)

日本で最初の医療事務資格として医療機関に幅広く認知されている資格で、合格すると「医療事務管理士」という称号を得ることができます。試験日が多くインターネット受験もできる手軽さが魅力です。

<試験概要(2020年2月時点の情報)>

主催株式会社技能認定振興協会
資格の趣旨医療保険制度や診療報酬の仕組みを理解し、正確に診療報酬を算定する能力を証明
受験資格なし
試験日程奇数月第4土曜日
試験会場全国20会場以上またはインターネット受験
受験料7,500円(税込)
試験内容学科・・・マークシート形式10問

実技・・・3問

合格基準学科および実技試験の両方において70%の正答率
合格率50前後
備考会場試験またはインターネット試験の2パターンがある

参考:株式会社技能認定振興協会https://www.ginou.co.jp/qualifications/iryojimu.html

医療事務検定試験

医療事務に関する基礎的な知識と技術を審査・証明するための資格。合格率が80~90%と高いため未経験から医療事務を目指す人の最初のステップとしておすすめです。

<試験概要(2020年2月時点の情報)>

主催日本医療事務協会
資格の趣旨医療保険制度や医療費算定など医療事務全般の基本的な知識と技術を証明
受験資格・日本医療事務協会が認定する医療事務講座を修了した者

・受験申請のあった高校・専門学校・短期大学・大学等

・受験申請のあった一般受験申込み者

試験日程毎年2回(11月、12月)
試験会場開催月により異なる
受験料7,000円(税抜)
試験内容学科試験・実技試験
合格基準おおむね70%以上の正答率
合格率80~90%
備考教材・資料の持ち込み・閲覧可

参考:日本医療事務協会http://www.japanmc.jp/iryoujimukentei.html

レセプト点検業務検定試験

医療事務の中で最も専門的な業務と言われるレセプト(診療報酬明細書)点検に特化した資格。試験は教材や資料の持ち込みが可能で合格率は70%と高めなので、他の試験と合わせて受験するのもおすすめです。

<試験概要(2020年2月時点の情報)>

主催日本医療事務協会
資格の趣旨病名に対して行われた検査や治療、処方された薬が正しいかどうかなど、請求業務の全般的な知識を証明
受験資格・日本医療事務協会が認定するレセプト講座を修了した者

・受験申請のあった高校・専門学校・短期大学・大学等

・受験申請のあった一般受験申込み者

試験日程毎年2回(11月、12月)
試験会場開催月により異なる
受験料6,000円(税抜)
試験内容学科試験・実技試験
合格基準おおむね70%以上の正答率
合格率70%前後
備考教材・資料の持ち込み・閲覧可。

参考:日本医療事務協会http://www.japanmc.jp/medical_manner.html

医療事務の資格取得におすすめの講座

医療事務の資格取得には、ヒューマンアカデミーがおすすめ。
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医療事務の仕事内容

医療事務は事務と言っても黙々と作業をするものではなく、患者さんへの対応から医療費の計算、さらに医師や看護師のサポートまで幅広い業務を行います。主な仕事は受付業務、レセプト業務、クラーク業務の3つです。

受付業務

来院した患者さんから保険証を受け取り、診断申込書を書いてもらったり、患者さんを医師や看護師の元に案内をしたり、カルテの作成や診察券の発行を行います。受診が終わるとカルテと診療報酬点数表、患者さんが加入している医療保険をもとに請求金額を計算し、患者さんから診察費用を受け取ります。

来院した患者さんと初めて接するのが医療事務であるため、安心感と信頼感を与えられるような対応が求められます。

レセプト業務

レセプト業務は医療事務において最も専門性の高い業務であり、コンピュータが作ったレセプト(診療報酬明細書)に間違いがないかチェックする仕事です。

通常、保険証を提出して医療機関で受診すると、診療費用のうちの一部を健康保険組合や国民健康保険組合などが支払う仕組みになっています。そのため、医療機関は保険組合に対して診療費用を請求しなければなりません。このときに必要になるのがレセプト(診療報酬明細書)です。

現代では基本的にコンピュータが自動的にレセプト(診療報酬明細書)を作成しますが、医療事務はこれを人の目でチェックする業務を担当します。

クラーク業務

クラーク業務には「外来クラーク」と「病棟クラーク」があり、以下のような業務を行います。

  • 外来クラーク:診察を受ける患者さんと医師や看護師の橋渡しをする。医療文書作成の補助やカルテの代行入力、検査データの準備、次回の通院についての案内などを行う。
  • 病棟クラーク:入院している患者さんに関する事務業務全般。入退院の手続きや転院時の紹介状送付、食事伝票の管理、手術・検査スジュールの管理などを行う。

医療事務の就職先

医療事務は病院や診療所といった医療機関のほか、介護施設や調剤薬局で働くこともあります。

総合病院

内科や外科、消化器科、循環器科など複数の診療科を持つ総合病院では、仕事量もスタッフも多いため分業制で仕事を行うことが多いです。患者さんだけでなく関連部署のスタッフと連携しなければならないため、高いコミュニケーション能力が求められます。

診療所

19床以下または入院設備のない「診療所」では、働くスタッフが少なく分業が難しいため一人で幅広い業務を担当します。受付業務、レセプト業務、クラーク業務はもちろん、院内外の清掃や備品の管理などを行うこともあります。一人でさまざまな業務を行うため、医療事務に関する総合的なスキルを身に付けることができます。

その他

総合病院や診療所のほか、歯科医院、調剤薬局、訪問介護ステーションなどで働くこと可能です。ただし歯科医院の場合は歯科助手、調剤薬局の場合は調剤薬局事務と呼ばれるスタッフが、有資格者のサポート業務とともに医療事務の仕事を担当することも少なくありません。

医療事務のやりがい

医療事務は通信講座の人気ランキングで1位を獲得するなど、特に女性に人気の職種です。では、そんな医療事務の仕事にはどんなやりがいがあるのでしょうか?

医療に関する知識が増える

医療事務の仕事をしていると、一般的な事務の知識だけでなく、保険や医療費、検査、薬などの医療に関する知識が増えていきます。それまで知らなかったことを新たに習得したり、仕事で身に付いた知識が日常生活に活きたりすることで、日々自分のレベルアップを感じることができるでしょう。

スキルがあれば全国で働ける

医療機関にとって医療事務は必要不可欠な存在であるため、全国どこにいても働く場所があります。転職や復職することになっても、医療事務の知識は基本的にどこでも共通なので負担も少なく働き始められるでしょう。

また、契約社員やパートの求人も豊富で通勤時間や勤務時間など希望に合わせた働き方ができるため、無理なく続けやすい仕事と言えます。

医療事務の平均年収

求人ボックス給料ナビによると、医療事務の平均年収は2020年1月時点で280万円となっており、求人情報を見ると一般事務よりも給与水準が低い傾向があります。

ただし、医療事務の年収は経験や勤務先によって大きく異なり、例えば個人経営の診療所では賞与が少ししか出ない場合もある一方で、勤続年数を積めば年収500万円を超えることも可能です。

医療事務として収入アップを目指すなら、経験を積んで給与水準の良い職場に転職する、資格を取得するなどの努力が必要になるでしょう。

参考:求人ボックス給料ナビ

医療事務の仕事の平均年収は339万円/平均時給は1,064円!給料ナビで詳しく紹介|求人ボックス
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医療事務の将来性

病院や診療所は人が生きていく上で必要不可欠な機関であり、高齢化により医療機関や介護施設が増加しているため医療事務は安定した仕事と言えます。

また、医療事務は給与面ではあまり恵まれていませんが、全国どこでも働ける、正社員でなくても派遣やパートの求人も豊富といった点から、長く続けられる仕事として今後も人気が高まるでしょう。

ただし、IT化による人員削減や医療事務人口の増加により競争は激しくなっていくことも予想されます。そのため、医療事務として働くためには資格や経験、スキルを積んでいくことが重要となってくるでしょう。

資格を取って未経験から医療事務になろう

病院や診療所などで受付やレセプト業務、クラーク業務を行う医療事務は、スキルがあれば全国どこでも働ける、勤務時間が安定しているといった理由から特に女性から高い人気を誇っています。

医療事務は無資格・未経験でもなれますが、専門的な知識の習得や収入アップを目指すためには医療事務関連の資格を取得しておくことが望ましいです。医療事務になりたい人は、この記事を参考にして民間資格にチャレンジしましょう。

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