赤ちゃんの沐浴とは?
生後1ヶ月くらいまでの赤ちゃんは、細菌などへの抵抗力がまだ十分にありません。
新陳代謝のさかんな時期ではあるのですが、感染を防ぐためにも大人と一緒のお風呂に入ることなく、赤ちゃん専用のお風呂を用いる必要があります。このことを一般的に“沐浴(もくよく)”と呼びます。
沐浴のポイント
沐浴の目的は、デリケートな赤ちゃんの皮膚をきれいに保ってあげる点にあります。
このため、赤ちゃんの体調が悪い日以外は毎日赤ちゃんに沐浴させてあげましょう。
沐浴と聞くと、「あんな小さな赤ちゃんを片手だけで洗ってあげられるのかしら」「寒くないのかしら」などいろいろ不安になるものですが、大切な赤ちゃんの身体を清潔に保ってあげるためにも、きちんと沐浴のポイントを理解してあせらず自信をもって取り組みましょう。
沐浴はいつ頃からいつ頃まで?
沐浴は、お産後の入院先で開始されます。
一般的に沐浴が必要とされている時期は、生まれてから1ヶ月後までです。
その後は、1ヶ月健診を無事済ませたあとくらいから、大人と一緒にお風呂へ入ることができるようになります。
ママはご自身の体調も辛い中ですが、徐々に手際もよくなり、上手になるのが沐浴です。
パパや周りの方の助けを借りながら、ぜひ乗り切ってくださいね。
頻度や回数はどのくらい?
沐浴の頻度や回数はどの程度行えばいいのでしょうか。
まだ寝ている時間が多い生まれたての赤ちゃんですので、一般的に沐浴の頻度は毎日、1日1回という回数でじゅうぶんです。
もしも「具合が悪そうかな…」と赤ちゃんを見て判断する場合は、沐浴を無理にする必要はありません。
お湯の温度は?
赤ちゃんの沐浴に適しているお湯の温度は、体温に近い37度から39度あたりと考えられています。
実際に大人が入っても熱すぎず、ぬるすぎず気持ちがいい温度ですね。
熱めのお湯にしてやけどをさせてしまったなどということがないように、あらかじめ温度計を用意するなど湯温には十分注意してあげましょう。
沐浴時間はどのくらい?
赤ちゃんには長湯が禁物です。このため沐浴の時間は5~7分くらいまでがベター。
ささっと済ませてあげましょう。
体調が悪いときは?
体調が悪そうだなとママやパパが判断する場合は、沐浴を中止します。
沐浴のかわりに清潔なガーゼを温かいお湯でしぼって、身体を拭いてあげてもいいでしょう。
ガーゼはすぐに冷たくなってしまうので、ひんぱんにやや温かいお湯でしぼり直すか、何枚かガーゼを用意して、取り替えながら拭いてあげると手早く済ませられます。
沐浴時に必要なものは?
生まれたての赤ちゃんのお世話に慣れないうちにまったなしで始まる沐浴ですが、便利なグッズを用意するだけでも少し楽になったり、沐浴が面倒でなくなったりします。
沐浴に必要なもの、あると便利なグッズについておすすめ商品を交えご紹介します。
ベビーバス
まず、沐浴のために用意すると便利なものがベビーバスです。
ご実家に里帰りしている方などは、ご両親に「洗面所や台所にシンクでもできるわよ!」などと言われてしまうこともあるかと思いますが、できればベビーバスはきちんと準備して、赤ちゃんの落下などのリスクを回避したいものです。
ベビーバスにもいろいろなタイプのものがあり、ビニールタイプで空気を入れて使うもの、あらかじめバスの形状をしているプラスチック製のもの、同じくプラスチック製でも折り畳みができるものなどが販売されています。
使わなくなったあとには、子どものおもちゃ入れやプールとしても使えたり、ペットの入浴用に使えたりするものもあるので、「洗面所のシンク内で使いたい」「たとえ1ヶ月間だけでも沐浴がより楽になるものがいい」など、ママやパパの希望に沿うものを用意することをおすすめします。
「すぐに使わなくなるから買いたくないな」という場合は、ベビー用品のレンタル、同じ購入という形でも比較的安価になるリサイクルもの、フリマサイトなどの利用もおすすめです。
ここで、ベビーバスのおすすめを3つご紹介します。
1:ISETO(伊勢藤) SOFTシリーズ ソフトタブワイド
折り畳んで収納できるベビーバスです。水抜きも容易で、シンク内に置いてお湯を直接入れることもできます。底面に滑り止めがついていて安全な上、水切りも簡単。使用後は折りたたんでサッと乾かすこともできます。沐浴の任務を終えたあとは洗濯物の付けおき洗いや赤ちゃんのプールとして使うこともでき汎用性の高い品です。
折りたたみ時…約W60×D40×H10cm
使用時…約W60×D40×H24.6cm
容量…約23L
2:リッチェル ふかふかベビーバスW
ふかふかのビニール製ベビーバス。使わないときには空気を抜いて畳み、コンパクトに収納することができます。赤ちゃんを支えるために背もたれ部分が程よく傾斜している点も便利ですし、赤ちゃんが湯船の中でずるっと滑らないようストッパー役を担う突起も出ていて、とても安心です。
大きさ…約W68×D47×H29cm
容量…約25L
3:カリブ 折り畳み式ベビーバス
カリブ(Karibu)は香港に本社を構えるベビー用品ブランドです。コンパクトに収納できる折り畳み式ベビーバスという点も魅力なのですが、水抜き栓の色が変化することで湯温が37度を超していないかどうかを確かめることができたり、別売りのベビーネットを付けて赤ちゃんの落下を防止したりできる点もポイントです。
湯船のふちには少しだけ物が置けるスペースもあり、石鹸などを置いてみても。フックも付いているので簡単につりさげて乾かすことができます。
折り畳み時…約D47×W81×H6cm
使用時…約D47×W81×H22.5cm
容量…公式サイトなどに記載なし
ベビーソープ
次に用意するべき沐浴グッズは、ベビーソープです。
生まれたての赤ちゃんのお肌は大変デリケートです。新陳代謝も激しいので、できればやさしくお肌の汚れを落とせる成分が主原料となっているもの、赤ちゃんのお肌と同じ弱酸性のものなどにこだわってチョイスすることをおすすめします。
また、沐浴は大人の入浴のように洗い場で身体の汚れを落とし、シャワーで流した後に湯船へ…という運びにはならず、ベビーバスのお湯の中で身体・頭までを洗い、汚れを落として浸かるまでのすべてを行うことになります。
このため、ソープを選ぶ際は、泡タイプのもの、手首などのくびれに入った石鹸成分を簡単に洗い流せるもの、新生児も使えるもの、無香料・無着色のもの、片手でも容器から簡単にソープが出てくるものをおすすめします。
それでは、ベビーソープのおすすめを3点ご紹介します。
1:ピジョン ベビー全身泡ソープ
長年新米ママさんに愛されてきた代表的な製品です。
泡で全身が洗えるメリットがある上、赤ちゃんの胎脂に近い保湿成分である「ピジョンベビーリピッド」というセラミド2などを配合しているため、スキンケアにも役立ちます。
容器も良く考えられています。赤ちゃんの沐浴時には片手で簡単にポンプを押すことができますし、泡を取りやすいようにあらかじめポンプの先がななめにカットされています。
2:持田ヘルスケア スキナベーブ
沐浴剤として販売されているのが、スキナベーブです。
こちらも発売から40年近く経っている商品として有名ですが、ベビーバスにスキナベーブを入れるだけで赤ちゃんの身体を洗うことができる便利な商品です。
「沐浴剤は石鹸と違ってぬるぬるしそう…」と思いがちですが、スキナベーブはさらさらとしていてすべりにくく、しかも上がり湯やすすぎも必要ありません。
産後身体が辛いママでも、安心して楽に沐浴させることができるでしょう。
3:ママ&キッズ ベビー全身シャンプー フレイチェ(泡タイプ)
フレイチェは、植物由来の弱酸性全身シャンプーです。
初めて沐浴をするママが心配になるのは「石鹸が赤ちゃんの目や耳に入らないかしら…」という点ではないでしょうか。この全身シャンプーは目や耳に入っても安心な成分を使っていますし、洗浄成分が赤ちゃんの身体に残らないように泡切れにもこだわって作られています。また、香料や着色料などの不要なものもきちんとカットしてあり、新米ママでも安全に使用することができます。
ガーゼ
赤ちゃんの身体を洗うために必要なのがガーゼです。
ガーゼは、赤ちゃんがお湯の中で安心できるようにお腹にかけてあげる時にも役目を果たします。このため、できれば大小サイズの違うものを1枚ずつ用意できると便利です。
また、基本的には毎日使用します。沐浴後に洗濯することを考えるとパックで販売されているものを選ぶなど、枚数も多く用意できると安心です。
沐浴時期を過ぎた後もガーゼの登場回数は多いものです。赤ちゃんのよだれを拭いたり、鼻がかめないうちはティッシュ替わりにやさしく顔の汚れを取り除いてあげたりすることもできます。
ガーゼを選ぶ際のポイントは以下の3つです。
- 綿100%のものを選ぶ
- お腹にかけてあげる大きいサイズのものは、縦長のフェイスタオル型のもの、身体を洗うための小サイズのものは正方形のものを用意
- 刺繍などの飾りがないガーゼを選ぶのが基本。赤ちゃんの肌に触れたときにも安心
バスタオル
沐浴後に赤ちゃんの水分を拭き取るために必要なのがバスタオルです。
バスタオルは、ホテル仕様など大きめのものよりも、若干小さくても良く水分を吸い取ってくれるものを選ぶと使い勝手がいいでしょう。
今ではデパートなどのタオル売場で、赤ちゃんに最適な少々小さめサイズで厚みも少ない扱いやすいものを販売しています。お祝いなどでいただく機会も多そうですね。
バスタオルもとにかく清潔が第一ですし、赤ちゃん専用のものを用意したほうが安心です。
毛羽立ちが少なく、赤ちゃんが首を動かしてもすれないような、できれば上質のものを選んであげましょう。
お着替えを用意する台もしくは座布団など
意外とあった方が便利なのが、沐浴後の赤ちゃんをすぐに着替えさせるための台です。
台は、バウンサーなどでも構いませんし、座布団などを床に置き、その上にバスタオル、着替えを置いてもOKです。
身体を拭くバスタオルを敷いた台と着替えをさせる台は、別々にあるとますます便利です。
2つ並べて用意して、首のすわらない赤ちゃんを安全に着替えさせられるようにしましょう。
湯温計
湯温計は、赤ちゃんの沐浴に最適な湯温をはかってくれる、大変便利なツールです。
季節にもよりますが、お湯は意外と冷めてしまいがち。慣れないうちは特に時間がかかり、赤ちゃんのお洋服を脱がせているうちにどんどん冷えてしまうこともしばしばです。
このため、お湯をはるうちから湯船に湯温計を入れ、だいたいどの程度冷めるのかを計算したうえで、湯温調節することをおすすめします。
「沐浴期間を過ぎたら使わないのでは」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実は大人と同じお風呂に入るようになってからも意外と重宝します。
また、かわいらしい形状をしたものも多く、赤ちゃんと湯船でちゃぷちゃぷ遊ぶ時にも一役かってくれます。
ぜひママやパパのお気に入りを見つけて、有効活用してください。
沐浴の流れ
沐浴はどのようにすると手早く、かつ負担が少なく済ませられるのでしょうか。
おすすめの手順をご紹介します。
ステップ1:赤ちゃんが寒さを感じない日中に沐浴する時間を決める
赤ちゃんを沐浴させる時間をまず決めましょう。毎日ある程度同じ時間帯にして、生活リズムをつけてあげるといいですね。
また、「暖かい日中に沐浴すると赤ちゃんが寒くならないためおすすめ」など産院や母親学級などでもアドバイスされることが多いです。
明るいうちのほうがママも動きやすいというメリットもあるので、日中に沐浴することを目標にしてみてはいかがでしょうか。
ステップ2:お風呂上り用の着替えを用意!
まず、お風呂上り用に着替えを準備します。
着替えを置く台(バウンサーまたは座布団など)には、季節によってロンパース→長肌着→短肌着→テープ式おむつをあらかじめ開いた形にしてセットしておきます。
もう一つの台(または座布団など)には、湯上り後赤ちゃんをすぐ着地させられるように、バスタオルを2枚ほど重ねてセットしておきます。
2つの台は近いと便利ですが、スペースの都合やママの動線によってやりやすい形にしてください。
ステップ3:湯上りスペースには、おへそのスキンケア用品など必要なものを近くへ置いておく
産院で配られるおへその消毒薬や、スキンケアに必要なローションなどはバスタオルで水分を拭き取ったあとにすぐつけてあげられるように、忘れず近くに置いておきましょう。
ふたをあらかじめ取っておくと、赤ちゃんの身体から手を離せないときにも片手で処理できて便利です。
ステップ4:ベビーバスの準備
ベビーバスを所定の位置にセッティングして、湯温計を入れます。お湯を入れ始めましょう。
その時に一緒に用意したいのが、ガーゼ、ベビーソープや沐浴剤です。濡れた手でも扱いやすいように近くに設置するといいでしょう。
ステップ5:赤ちゃんを裸にしてお腹にガーゼをのせ、いざ沐浴!
おしりの汚れは大丈夫ですか?今一度うんちをしていないか確認したら、いざベビーバスへ移動します。
赤ちゃんを裸にしたら安心できるようにガーゼをお腹にのせてギュッと抱っこしてあげましょう。
湯温計できちんとチェックしてから、足からお湯の中にそっと浸からせてあげてください。
「気持ちいいね。お風呂だよー」と声をかけながらできるといいでしょう。
ステップ6:身体にお湯をかけながらベビーソープで洗浄
最初に、水分を片手でギュッとしぼったガーゼで目の周りなどお顔まわりをささっと洗います。
次に、広い面積のお腹まわりや背中を、ガーゼを使ってやさしく洗います。
手首のくびれや首まわりは、ガーゼが巻かれてしまいやすく危険なので、素手でキュキュッとやさしくなでてあげましょう。
ひととおり身体を洗えたら、最後に股やおしりを洗います。
必要であれば事前にかけ湯をそばに用意しておきます。最後にお腹付近にやさしくかけてあげましょう。
ステップ7:バスタオルの台→着替えの台へ平行移動させ、着替えて終了!
手早く沐浴を終わらせたら、バスタオルの台へ赤ちゃんを移動させます。
2枚程度重ねておくと、赤ちゃんの水分があまりとれていない状態でもきちんと拭き取ってあげることができます。
髪の毛もあまり多くはないので、タオルだけで済むことが多いです。
その後、おへその消毒などをささっと済ませます。
じゅうぶんに拭けたらそのまま赤ちゃんを着替えの上に移動させます。
開いて設置しておいたおむつをさっと取り付け、寒くならないうちに肌着を着させてあげましょう。
初めての沐浴でも不安になりすぎないで!
今回は、沐浴の方法や便利な沐浴グッズ、おすすめのベビー沐浴手順などについてご紹介しました。
沐浴は首のすわらない赤ちゃんを片手で支えながら洗ったり、背中を洗うときは手のひらにのせて洗ったりが必要で不安になりがちですが、便利な形状をしたバスを使ったり、付属品を準備したりすることで払拭することも可能です。
育児の悩みは一人で抱え込まないことが先決です。
沐浴が心配なときは赤ちゃんの祖母に当たる方、ご兄弟などを頼っても大丈夫ですし、助産師さんに相談することもできます。
便利な沐浴グッズもいろいろ販売されています。ママが「これ、いいかも!」と思うものをチョイスして、ぜひ赤ちゃんを楽しくきれいにしてあげてくださいね。