生後0ヶ月の赤ちゃんの特徴
お誕生後間もない赤ちゃんには、どのような特徴があるのでしょうか。まずは身体的な特徴を見ていきましょう。
体重、身長の平均
妊娠したときにママが自治体から受け取る母子手帳には、月齢ごとの標準的な成長値をグラフで表す「成長曲線」というものが記載されています。
0カ月の「新生児」と呼ばれる時期である赤ちゃんの体重と身長の平均は、以下の通りです。
0カ月の男の子
体重の平均:約3000グラム
身長の平均:約49センチメートル
0カ月の女の子
体重の平均:約2900グラム
身長の平均:約48センチメートル
視力
0カ月の赤ちゃんの視力は、30センチメートル先がぼんやりと見える程度です。
視力が良くなくても、この時期の赤ちゃんは赤い色や黒い色などなら認識しやすいようです。明るい光を感じて、そちらの方向に向くことがあります。
聴覚
この時期の赤ちゃんの特徴に「モロー反射」と呼ばれるものがあります。
モロー反射は原始反射の一つで、大きな音にビクッとして両手を広げることがあります。
このことからもママやパパの声が、生まれたての赤ちゃんにも届いていることがうかがえます。
言葉
お話はご存じのようにこの時期の赤ちゃんにはまだできません。ねんねとおっぱいを繰り返し、話す代わりに泣くことで自己表現をします。
しかし、お世話のたびに話しかけることで赤ちゃんの耳にママやパパの声は届いています。
ぜひたくさん話しかけてあげましょう。
ママやパパはゆくゆく赤ちゃんの泣き声で、どのようなご機嫌なのかがわかるようになりますよ。
授乳
1~3時間ごとに起きてしまう生まれたての赤ちゃん。起きるとおっぱいやミルクの時間です。この時期はママの母乳の出かたも、赤ちゃんの飲み方も安定していませんから、ひんぱんに「起きては泣く」を繰り返すことになります。
ママは産後の身体も思うようにいかない上に慣れないお世話が加わり大変な時期ですが、眠い中でもなんとか授乳を続けようとします。
体重が一時的に減ったり、黄疸(おうだん)が出たりすることも
この時期の赤ちゃんは、おっぱいやミルクを飲む量よりも、おしっこなどの排泄量が上回るため、一時的に体重が減少します。
ですが10日程度で解消しますので安心を。
肌が一時的に黄色みを帯びる黄疸が出ることもあります。「新生児黄疸」「母乳性黄疸」と呼ばれるものもありますが、産院を退院する頃から生後2カ月程度で自然と消滅します。
生後0ヶ月の赤ちゃんの育児の悩みと対策
生後0カ月の赤ちゃんの育児をする際に抱えやすい悩みとはどういうことがあるのでしょうか。また、その対策方法もご紹介します。
おっぱい・ミルク
生まれて間もない0カ月の赤ちゃんは、まだまだおっぱいや哺乳瓶に吸い付くことが上手ではありません。このため、なかなかお腹いっぱいになれず泣くことが多く、ママは困ってしまいがち。
さらにママ自身もおっぱいのあげ方、ミルクの作り方からあげ方まですべてにおいて不慣れです。「どうしよう」と赤ちゃんと一緒に泣きたくなることもあるでしょう。
こんなときは、「絶対に大丈夫。これからうまくなる」と前向きにいきましょう。
はじめから授乳上手なママも赤ちゃんもいません。産院で授乳のレッスンなどを受けるとき、「あら、この子は上手ね」などと他の赤ちゃんがほめられることもあるでしょう。ですが絶対に焦らなくてOKです。ママはおっぱいをあげることを、赤ちゃんはおっぱいやミルクに吸い付くことを徐々にうまくできるようになるものです。
また、体重がうまく増えないときは、必ず産院の健診で助産師さんや先生が相談にのってくれます。乳首の形が違う哺乳瓶にしてみる、マッサージを受けて母乳を出やすくするなど的確なアドバイスを受けることができますので、1カ月健診前でも悩んだときには、ぜひ電話などでどんどん相談してみてください。
排せつ
0カ月の赤ちゃんは「飲んだら出す」を繰り返します。
このため、新生児サイズのおむつは多めに用意してもOKです。
いつでもおしりサラサラでいたいのは、大人も子どもも同じです。ぜひやさしい肌触りのおしりふきとおむつを用意してあげてください。また、ビニール袋と専用ゴミ箱も必需品です。ママのそばに用意して、いつでもおむつ替え~廃棄までがスムーズにできるようセッティングしましょう。
あらかじめおむつをパックから出し、何枚かひろげて用意しておくと、おむつ替えの時間を短縮できて長く泣かれることもなくなり便利です。
排せつの回数が気になるママは、産院と同じようにノートなどに書き込んでいくと安心できます。
赤ちゃんの皮膚はやわらかく、おしりを強くふきすぎても、取り替えなさ過すぎてもかぶれやすくなります。
授乳が終わったらおむつをのぞく習慣をママがつけておくと、赤ちゃんもママも安心できるかもしれません。
睡眠
眠りが浅いのがこの時期の赤ちゃんの特徴です。当然昼夜の区別もついておらず、何度も起きては泣くことを繰り返します。
ママは睡眠不足になり、身体を起こすのもつらいこともあるでしょう。
ただ考えてみると、視力の弱い赤ちゃんが泣いて起きるときは、何かを伝えようとしているのかもしれません。
赤ちゃんが起きてしまったときは、ぜひスキンシップをとってあげてください。ママやパパの抱っこやおっぱいで、赤ちゃんは安心することができます。
お風呂
この頃の赤ちゃんのお風呂は「沐浴」といいます。
すべての道具が揃った産院での沐浴はやりやすくても、自宅や実家に戻ったあとはそうもいかないのが実情です。
あらかじめ用意すると便利なものは、赤ちゃん用のバスタブか広い洗面台、沐浴剤、タオルと湯上り用のかけ湯、着替えとおむつなど。赤ちゃんにとってちょうどいい湯温が測れる湯温計があるとより便利です。
気温が高い日中に沐浴用の決まった時間をつくって、赤ちゃんが寒くないようにしてあげることが大切です。
沐浴に慣れるまではいろいろ忘れ物をしがちですが、肝心なのは着替えの用意です。座布団など厚めの台になるものを2つ用意したら、その上にタオルなどを2~3枚くらい重ねましょう。1つの台は体ふきに使い、もう1つの台は、タオルの上に着替えとおむつをすぐに着られるように形を整えて並べておくと、流れ作業ですぐに赤ちゃんにお洋服を着させてあげられます。
沐浴の正しいやり方はこちらの記事で紹介していますのでご覧ください。
赤ちゃんの沐浴の正しいやり方は?ポイントや手順を解説!
外出
生後間もない赤ちゃんは、なかなか外に出る機会がありません。
ときどきお部屋の空気を、窓を開けてかえてあげたり、いつも寝ているお部屋から別の場所に移動したりすることでプチお散歩をするなどし、ご機嫌をとってあげるのも良いでしょう。
1カ月健診
生後1カ月で赤ちゃんの身長がどれくらい伸び、体重が増えたかなど成長の度合いや栄養状態を診るのが1カ月健診です。また、先生はママの心や身体の状態もチェックしてくれます。「育児が大変だ」「思うように授乳がうまくいかない」などの悩みがあれば何でも相談できるため、必ず足を運ぶようにしましょう。
「初めての赤ちゃんとの外出は、1カ月健診」ということも多いかもしれません。
抱っこひもやベビーカーなどを用意するか、パパやおじいちゃん、おばあちゃんに付き添ってもらって抱っこでいくかなど、行動を少しシミュレーションしておくと、必要になりそうなものがわかって外出時に慌てずに済みます。
今はインターネットですぐに商品が手元に届く便利な時代。
ママは産じょく期(母体が出産前の状態に戻るまでの6~8週間)の身体をなるべく休ませながら、お気に入りのママ用バッグなどの外出グッズをネットで探し、手に入れるのも楽しいですよ。
産後0カ月はママも赤ちゃんも初心者!とにかく身体を休める工夫を
0カ月の赤ちゃんの特徴やママが抱えそうな悩み、対策についてご紹介しました。
産後0カ月はどのママもまずは身体がいうことをきかないはずです。その上でまったなしで始まる育児にとまどうこともしばしばでしょう。
「上手にできているかな」「これでいいのだろうか」と感じることは当たり前です。
悩んだときは必ず、産院の助産師さんなどが助けてくれます。
育児書などを読んでほかの赤ちゃんとの成長の違いが気になることもあるかもしれませんが、「この子のママは私」とぜひ自信をもって子育てにのぞんでみてください。
育児は、実は赤ちゃんとの二人三脚で進んでいきます。
愛しい我が子を思う気持ちは、赤ちゃんも一緒。ママが大好きな赤ちゃんとともに成長していきましょう。