離乳食完了期とは
離乳食完了期は、別名「パクパク期」と呼ばれます。これまで順調に離乳食が進んできた赤ちゃんなら、おおむね12~18ヶ月頃に完了期を迎えることになります。
1歳を過ぎるころの赤ちゃんは、一人歩きができるようになったり、上下の前歯が生えそろったりするなど身体面での発達が目覚ましい時期です。
口まわりの筋肉も発達するため、かみつぶす力もだいぶ強くなります。食事のときにはみずからごはんに興味を持ち、「自分で食べたい!」という欲求も出てくるので、手づかみ食べをしたがる赤ちゃんも多くなります。
回数は3回食。おっぱいやミルクは無理にやめなくてOK
回数はカミカミ期同様、3回食のままです。おっぱいやミルクは無理にやめなくて大丈夫ですし、欲しがるうちは1日1~2回程度なら与えてもOK。
ただ、栄養のほとんどは離乳食から摂る時期です。なるべく食事でお腹をいっぱいにして、ママも授乳から解放される時間を徐々に増やせるといいですね。
味付けの濃さなどにはじゅうぶん気を付ける必要がありますが、ママやパパと同じ調味料(無添加のケチャップなど)も少量なら使えるようになります。一緒に楽しく食事の時間を過ごしてください。
離乳食完了期の量や固さ
離乳食完了期の食事量は、どれくらい与えるといいのでしょうか。固さなども含め、完了期の離乳食基本情報をご紹介します。
離乳食完了期の量
離乳食の完了期は12~18ヶ月と6ヶ月ほどあります。このため、前半と後半の2期に分けて食べさせたい目安量が変わります。
完了期の前半(12~15ヶ月ごろ)
エネルギー源となる食材:やわらかいごはん約90グラム、6枚切りの食パン1枚、うどん 約100グラム
ビタミン・ミネラル源となる食材:果物、野菜を合わせて約40グラム
タンパク質源となる食材:豆腐約50グラム、全卵2分の1個、魚約15グラム
完了期の後半(16~18ヶ月ごろ)
エネルギー源となる食材:ごはん約90グラム、6枚切りの食パン1枚と少々、うどん約130グラム
ビタミン・ミネラル源となる食材:果物、野菜を合わせて約50グラム
タンパク質源となる食材:豆腐約55グラム、全卵3分の2個、魚約20グラム
赤ちゃんの成長の度合いや、個性などによっても食べられる量は変わるものです。
ママやパパは「絶対に食べさせなくては」とあまり思い込まずに、赤ちゃんの様子に合わせて量を調節してあげましょう。
食材の状態:ゆで卵の白身や、茹でたニンジンの輪切り、肉団子程度の固さ
「やわらかいバナナ程度の固さなら、離乳食後期に食べられるようになった」という赤ちゃんも多いかもしれません。
完了期では、さらにカミカミできるように少しずつ固さを調整していきます。
ゆで卵の白身の部分や、茹でて1センチメートルくらいの厚さに切ったニンジン、肉団子程度の固さまで食べられるようにしていきましょう。
離乳食完了期に食べられる食材
離乳食完了期になると、ほとんど大人と変わらない食材を食べられるようになります。その中でもレシピを考えるときに手助けとなるような食材をご紹介します。
鶏、豚、牛などのお肉全般
鶏もも肉やレバー、合いびき肉なども利用できるようになります。脂身の部分はなるべく避け、赤ちゃんの消化の負担にならないようにします。後期に引き続き赤身の部分を与えてあげると心配もいりません。
とうもろこし
子どもがいる家庭に缶詰が常備されることも多いとうもろこしは、完了期になると食べられる食材です。
ただ、薄皮があったり、消化があまりよくなかったりするので、なるべく細かく刻むか別の食材でとじたりして与えるといいでしょう。
牛乳(少量からはじめて様子を見ましょう)
離乳食後期までは調味料的な使用のみと限定されていた牛乳ですが、1歳を過ぎると飲用として利用できるようになります。
少量からはじめてみて、赤ちゃんの様子を観察してあげてください。
ミックスベジタブル
彩りが美しいミックスベジタブルも、完了期になると使える食材です。
オムレツに混ぜたり、スープの具として入れたりすれば、野菜を刻む手間も省けるためとても便利です。
ハムやソーセージ
こちらも完了期になると食べられる食材ですが、与えても少量にするのがおすすめ。
塩分が多く含まれているので、なるべく無添加のものを与えるか、1歳からOKのソーセージなどで赤ちゃんへの負担を少なくしましょう。
食材別のおすすめレシピ
赤ちゃんが1歳になった以降に迎える離乳食完了期。
もうそろそろ固さも量も一人前になってきて、家族そろって同じメニューということも増えてくるころです。ママやパパも赤ちゃんも喜ぶ食材を使って、おいしい離乳食を作ってみませんか?
合いびき肉
ひき肉は、離乳食時期のタンパク質源の食品として使い勝手もよく、便利な食材です。
合いびき肉では、子どもが大好きなメニューをいっぱい作ることができます。
手ごねハンバーグ
準備するもの…合いびき肉15グラム、玉ねぎのみじん切り10グラム、パン粉5グラム、牛乳小さじ1、溶いた卵5グラム
- ボウルに合いびき肉、玉ねぎのみじん切り、パン粉、牛乳、溶いた卵をすべて入れる。
- 粘り気が出るまでよくこね、赤ちゃんが手づかみできる程度の大きさに形を作る。
- 少量の油をひいたフライパンで、2の両面をよく焼く。
- 楊枝をさして、穴から出る肉汁が透明になっていれば、できあがり。
ハンバーグは大人にも人気のメニューです。大人の分量でたねを作り、味付けをする前に赤ちゃん用に取り分けるのもおすすめです。
あまったら冷凍保存もできます。すぐ焼けるように形を作り、1つずつラップにくるんで保存しましょう。
昔ながらのオムレツ
準備するもの…合いびき肉5グラム、玉ねぎと人参のみじん切り各5グラム、卵2分の1個、赤ちゃん用か無添加のコンソメ少々
- 油を少量熱したフライパンに合いびき肉と玉ねぎ、にんじんのみじん切りを入れ、炒める。
- 1によく火が通ったら、コンソメを入れて味を整えたあと、ボウルにとっておく。
- 別のボウルに卵をときほぐし、粗熱をとった2を入れよく混ぜる。
- 油を少量入れ、よく熱したフライパンに3を流し込む。
- 軽くかき混ぜながら赤ちゃんの食べやすい形に作っていき、整えたら完成。
とうもろこし
生は季節限定になりますが、缶詰、冷凍ならすぐ手に入るとうもろこし。
良く刻んで薄皮を切ると、赤ちゃんでも食べやすくなります。
とうもろこしを使ったおすすめのメニューをご紹介します。
とうもろこしと卵のスープ
準備するもの…とうもろこしの粗みじん切り10グラム、溶き卵2分の1個分、赤ちゃん用か無添加の洋風スープのもと、水150ミリリットル
- 鍋にとうもろこし、スープのもと、水を入れコトコト煮る。
- 1がよく煮えやわらかくなったら、溶き卵を回し入れて完成。
冬の寒い時期には、とろみ粉で少しとろみをつけても。身体があたたまります。
コーン入りホットケーキ
準備するもの…とうもろこしの粗みじん5グラム、赤ちゃん用のホットケーキミックス1枚分、水、牛乳小さじ1
- 赤ちゃん用のホットケーキミックスに粗みじんにしたとうもろこし、水、牛乳を加え良く混ぜる。
- 赤ちゃんが手で持って食べやすい大きさのたねをフライパンに流し込む。
- 2の両面をよく焼いてできあがり。
ミックスベジタブル
忙しい時には、「野菜を刻むのも大変!」という場合もあるのではないでしょうか。
そのようなとき、冷凍庫にミックスベジタブルがあるととても便利です。
手早く離乳食づくりを済ませられるレシピをご紹介します。
チキンライス
準備するもの…皮と脂肪をとった鶏もも肉やささみ10グラム、ミックスベジタブル15グラム、ご飯50グラム、ケチャップ少々
- フライパンに肉を入れ、色が変わるまでよく炒める。
- 1にミックスベジタブルを入れ、火が通るまできちんと炒める。
- ご飯を入れて炒め合わせ、ケチャップで味を付けたら完成。
うすい卵焼きを載せれば、オムライスにも変身。具を多めに作ってママやパパの味付け前に取り分ければ、1回で親子の調理ができます。
ミックスベジタブルとツナのお好み焼き
準備するもの…ミックスベジタブル10グラム、ツナ缶(塩分なし、水煮タイプのもの)15グラム、牛乳大さじ2、小麦粉40グラム、(仕上げ用の青のり少々)
- 準備した材料をすべてボウルで混ぜ合わせる。
- フライパンに少量の油を熱し、1を入れて丸く形を作る。
- 両面を良く焼き、楊枝をさして中まできちんと火が通ったら、お好みで青のりをふって完成。
赤ちゃんに与えるときは8分の1程度に切り、手に持てるようにしてあげるといいでしょう。
この時期におすすめの市販離乳食
離乳食完了期の1歳過ぎになると、使える市販離乳食の幅が一段と広がります。
赤ちゃんが手にもって食べられるメニューが作れるもの、ご飯だけあれば1食がなんとかなりそうなレトルト、捕食やおやつとして与えたいこれまでとはちょっと違う食材など、いろいろなベビーフードを取り入れながら、赤ちゃんの食卓を豊かにしてあげましょう。
蒸しパンミックス
蒸しパンミックスは、おやつによし、食事によしのありがたい存在です。
苦手な野菜をしのばせたり、おやつ用にシンプルに作ったりとレパートリー広く使えます。
和光堂 手作り応援 チンして蒸しぱん
電子レンジで簡単調理がかなう、蒸しパンミックスです。プレーンの他にもコーン入り、ココアフレーバーのミックスがあります。
ピジョン レンジで蒸しパン 4種のバラエティパック
りんご&さつまいも、さつまいも&かぼちゃ、ほうれん草&小松菜、かぼちゃ&にんじんの4種類のミックスが入ったタイプです。
足りない食品群を手軽に補うことができるので、大活躍間違いなしの1品です。
レトルトのカレー
たまには楽に離乳食を用意しませんか?1歳を過ぎると使えるいろいろなレトルトが、種類豊富に販売されています。
ママは大人用、赤ちゃんには赤ちゃん専用のレトルトを用意して、ときにはお手軽ランチタイムにするのも大いにアリです。
サイドメニューにレンチンしたミックスベジタブルを用意したり、果物を用意したりすれば栄養バランスのよい立派な食卓になります。
S&B 1歳からのカレーの王子さま、カレーのお姫さま
1歳から食べられるカレーの代表選手的存在。化学調味料を使用していないルータイプのものや、大豆不使用のレトルトタイプものなども販売されています。
永谷園 アンパンマンミニパックカレー ポークあまくち
子どもたちが大好きなキャラクター・アンパンマンの絵がパッケージに印刷されているカレーです。
2袋入っているので、少量使いたいときにも便利。
ご兄弟がいる家庭なら、お兄さんやお姉さんと仲良く一緒に食べることもできます。
シリアル
離乳食完了期にはシリアルの利用もおすすめです。
離乳食完了期の頃の赤ちゃんは、胃の発達がまだまだ未熟な状態です。1回の食事で食べられない量は3食の合間に補う必要があります。
捕食・おやつの1品として使いやすい、赤ちゃん専用のシリアルが販売されているのでご紹介します。
和光堂 はじめてのシリアル
赤ちゃんと一緒に生活していると「いつもの離乳食があまり進まない」「遊び食べばかりになって栄養が摂れているか心配」という時もあると思います。
そのようなときはあまり無理じいせず、緑黄色の入ったシリアルにフルーツを混ぜたりヨーグルトを足したりする、牛乳を足すなどアレンジしながら目先を変えたメニューを出してあげるのもおすすめです。
離乳食も完了間近。いっぱい食べて健康に育ってもらおう
今回は、離乳食完了期に食べられる食材、食べてもらいたい量や固さ、おすすめのレシピについてご紹介しました。
毎日試行錯誤しながら、赤ちゃんの食事を作り続けてきたというママやパパも多くいらっしゃると思います。
離乳食のゴールはもう目前まできました。
ぜひご紹介した簡単レシピを参考に、赤ちゃんが元気に毎日を過ごせるよう食事の準備をしてあげてください。
ママやパパとのごはんは、赤ちゃんにとって何よりの栄養です。
にこにこ笑顔の食卓になりますように、応援しています。