1歳児のできることを把握しましょう
ついこの間までは寝ているだけだった赤ちゃんも、1歳を迎えるまで日を追うごとに寝返り、おすわり、伝い歩きができるようになったのではないでしょうか。お出かけできる範囲や遊び方も変わるので、1歳児は行動範囲もぐっと広がります。
1歳児では、こんなことができるようになります。一例をご紹介します。
- おしゃべりができるようになる
- 歩くのが上手になる
- 食べ物などで好きなもの嫌いなものがはっきりし出す
- 重いものでも果敢にチャレンジ。持ち上げたり、運ぼうとしたりする
- おこる、笑うなどの感情表現がはっきりし、機嫌の良し悪しがわかりやすくなる
1歳は、このように少しずつ自我の芽生えが感じられる時期でもあります。
でも、まだまだ親がいないと食事も排せつもままなりません。本人のやろうとしたことを親が手伝うと嫌がり始めるのもこの時期なので、ママやパパはちょっとイライラしてしまうかもしれませんね。
そのようなときママやパパにして欲しいことがあります。リラックスそして深呼吸です。
子どもとの衝突が起きるのは、ママやパパの育て方が悪いわけではありません。子どもは一生懸命「自分でできるかもしれないこと」を探しているだけと思いましょう。
大切なのは、子どもの「できるようになったこと」をその都度認めてあげることです。親は後ろから手を差し伸べるくらいの姿勢で、子育てを楽に乗りきり我が子の成長を見守りましょう。
1歳でのしつけはどこまですべき?
「しつけ」といってしまうと、少々厳しいイメージを抱きかねませんが、1歳を過ぎるとおでかけなど公共の場に出ていく機会も増えていきます。他の子どもに迷惑をかけない、お利口にできる程度は我が子に求めたいですよね。
1歳でのしつけ方にもポイントがあります。あまり完璧に「子どもをしつけないと!」と意識しすぎず、気持ちを楽にもって子どもと向き合えるといいですね。
1歳児のしつけで、「この辺まではおさえておきたい」というポイントは、以下の3つです。
しつけのポイント1:危険なことは第一に教える必要あり!繰り返し伝えよう
1歳になると、「よちよち歩きなのに、どこへでも果敢にチャレンジして困る…。」というママもいるかもしれません。
「たづなのような紐がついたリュックを子どもに背負わせる」「抱っこ紐にくくりつけて子どもを地面に降ろさないようにする」など、ママやパパはいろいろ工夫して周囲に迷惑をかけないように頑張っても、いつまでも抱っこしているわけにはいきませんよね。
そこで、歩き始めの1歳のお子さんには、「世の中には危険なことも多い」ということを知らせる必要があります。
親と離れてしまうと危険だということ、一人で歩いていってしまうと親は見失う可能性があることは、少々語気を強めてでもはっきり子どもに言い聞かせましょう。
その場では理解できなくても、同じことを何度も伝えるうちに必ず子どもには浸透していきます。
しつけのポイント2:食べ方については注意し過ぎずいっぱい食べてもらおう
おっぱいだけだった食生活も月齢があがるごとに離乳が進みます。あかちゃんせんべいやジュースなどの嗜好品も覚えて、好きな味や嫌いな味もわかってくるのが1歳児です。
「手づかみ食べが多いので、見ているのも後処理も辛い…」など、ママにもさまざまな気持ちが沸き上がることでしょう。手づかみ食べは成長の過程で大切なことです。赤ちゃんは手で触れることで脳を刺激し理解する力を養っていると、育児相談や育児雑誌、新聞の子育て記事などで見聞きすることも多いのではないでしょうか。
食べ物を粗末に扱われているようにも見え、いろいろ気になる部分が多くなるかもしれませんが、食事がぐちゃぐちゃになる時期はどの家庭でも同じですし、いつまでも続きません。
「今は手づかみ食べが成長に必要なのだ」と大きく構えて、注意しすぎずに見守り「たくさん食べてどんどん大きくなってもらおう!」と、前向きにいきましょう。
しつけのポイント3:お友達とのかかわりでは嫌な思いをすると悲しいと教えよう
1歳になると遊び方も格段に上手になります。公園やキッズスペースなどにでかけたときは、行動範囲が赤ちゃん時代とだいぶ変わり広くなります。
そこで経験するのが、お友達とのかかわり合いです。
持ってきているお砂場セット、乗り物、使っているおもちゃなどすべてにおいて、子ども同士はひとしきりチェック!
貸し借りなどの経験もすることになるので、とった、とられたなどで大騒ぎになることは必須です。
こんなときママやパパは、相手の親御さんとの関係もあるためオロオロしてしまうかもしれませんが、要点だけはしっかりとおさえて、きちんと子どもに伝えましょう。
その要点とは、
- 「何も言わないで使っていたものを取り上げられたら悲しい」ということ。
- 「貸して」と相手のお友達に伝えられるといいこと
- 「どうぞ」は最高の武器♪相手にも好印象なので先に教えてしまおう
- 相手をお友達として理解しながらふるまえるようになるのはまだ先。1歳では交われなくても一緒にその場にいることで自然と学んでいることもあると、気長に考えること。
しつけは、1歳の子どもをがんじがらめにするものではなく、大事なことを理解できるような素地を身につけさせる程度ととらえましょう。かわいい盛りの1歳児、親子は仲良く過ごして、いろいろなものにたくさん触れあえるといいですね。
シーン別:具体的なしつけ方法を紹介!
赤ちゃんから子どもに移行する時期を迎えた我が子には、どうやってしつけをしていけばいいのか、インターネットや育児雑誌などで情報はあふれていますが、先輩ママたちは、実際にどのように1歳の子どもと接していたのでしょう。実生活で実践した具体的なしつけの方法をリサーチしました。
おすすめの事例を、ごはん、おやつ、飲み物、おもちゃの4つのシーン別にご紹介します。
【ごはん】手づかみ食べはOK!ひろい食べだけはNGと教えましょう
ごはんのしつけは、先輩ママにとって小さいころに限らず子どもが大きくなっても悩みの種となるようです。
「くちゃくちゃとかみ砕く音をさせる」「箸の持ち方がおかしい・・・」など、ごはんのしつけは長きにわたるため、まずは気長に構えることが必要。
そこで、先輩ママが行った1歳児のしつけでは、
「手づかみ食べについては、この時期一番効率の良い食べ方と割り切って食べたいように食べさせる」
「ひろい食べだけは危ないと伝える」
という2点に注意していました。
ひろい食べにはリスクが伴います。外食時など、地面に落ちたものを口に入れると雑菌が体内に入り、腹痛など思わぬアクシデントを引き起こす可能性があります。
このため、ひろい食べをしそうになったらこう教えましょう。
- 手をつかんで「これを食べたらお腹が痛くなるよ」と少し強めに諭す
- ティッシュに素早く包み「これは食べないで捨てようね」とゴミ箱まで行き、捨てる動作を担当させる
どちらも上手に親のいうことをきけたら、必ずほめてあげるのがポイント。根気よく伝えることで子どもは必ず親の願いを理解し、身につけていきます。
【おやつ】時間を決めてだらだら食べさせない
離乳がはじまると一気に食べられる物の幅も広がって「子ども用のおやつを結構与えている」という1歳のご家庭も多いと思います。
虫歯のリスクが高まりますが、かといって取り上げるわけにはいきません。
そこで大切なのは10時、15時のおやつどき、外出先では時間を見計らうなどして、おやつの時間と量を決めて与えることです。
そこで、先輩ママが実践していたのは、必要以上のおやつを見せないこと。
- 今のおやつはこれだけ。「食べ終わったらごちそうさま」と教える
- 子どもの目線にはおやつを置かない。家の中にストックがあるとわからせない工夫をする。
おやつは魅惑的ですから、あればあっただけ食べたくなるのは大人も子どもも同じです。
子どもの虫歯は、一度なってしまうとかなり厄介です。その後の永久歯の歯並びに影響しますし、小さな子どもに歯医者での治療を経験させるのもかわいそうですね。
ここは心を鬼にして、気を付けて与えてあげてください。
【飲み物】ジュースには特別感を持たせて与えるとベター!
幼い子ども向けのジュースは、種類も豊富。人気のキャラクターの絵がついていることで、食品売り場で子どもが真っ先に「自分用だ!」と手を伸ばすくらい、子どもにとってはうれしい嗜好品ですね。
ただ、こちらもおやつ同様虫歯のリスクがぬぐえません。
そこでおすすめなのが、「ジュースを飲めるときは特別なとき」と教えることです。
たとえば
- 家族のお誕生日のお祝いの席
- どうしても食事が進まないとき
- 2~3日に1回
というように、この日だけはジュースを飲んでOKというルールを作っておくと、子どもがイヤイヤを発動することもなく、親も困らずに済みます。
とはいえ、兄弟がいるご家庭や保育園デビューを果たしていると案外親が気にするよりも先に口にする機会が多いのもジュースです。
絶対にあげないと決めるのもママの方針ですし、このくらいなら大丈夫かなと判断するのも◎。
子どもとの関係性で、だらだら飲ませ続けることだけは避けて、上手に飲み物を活用しましょう。
【おもちゃ】投げると危ない、ぶつけたら壊れることを先に教えよう
1歳児になると、指先もどんどん器用になっていろいろなおもちゃで遊べるようになります。
ただ1歳の子どもは力加減が苦手ですし、おもちゃを放ってみたり、壁にぶつけてみたりとさまざまなことを試します。
このようなときは、おもちゃは仲良く遊ぶものと教えてあげるといいでしょう。
投げると危ないし、故意にぶつけたら壊れることを教えておくと、物を大切に扱えるように成長します。
ただ、子どもは自分の力でいろいろなことを学ぶため、親がいくらいっても聞かない場合があります。
そんなとき、先輩ママがやっていたのが、おもちゃの気持ちになりきり演じること!です。
- おもちゃを投げると、おもちゃは痛い→「〇〇ちゃんが投げたから、僕、痛いよー」
- わざとぶつけたら壊れる→「ごめんね。もう壊れちゃったから〇〇ちゃんとは遊べない」
などと、おもちゃの立場になって「悲しい、痛い、つらい」ことを話して聞かせてみてください。
先輩ママの中にはこのほかにも、「子どもが日ごろ愛用しているぬいぐるみになりきって、悲しんでいる姿、痛がっている姿、つらい姿を見せると、子どもはなぜか聞き入り、こちらの伝えたいことを理解してもらいやすかった。」と話す人もいました。
親の目線で上から伝えることは、少々威圧的ですし、大人でも嫌なものです。
1歳なりの判断力に親は付き合って、効率よくしつけをしていけるといいですね。
1歳のしつけは情報や周りに振り回されず子どもを諭す程度に
いかがでしたか?1歳のしつけについてご紹介しました。
子育てをしていると「ああ、このままこの子はずっと食べ物を投げるのかな」とか「この子の乱暴な性格は一生治らないのかもしれな」などと、不安になることが度々あります。
ですが、子どもはずっと1歳のままではありません。時間は逆戻りしませんので、子どもはどんどん新しいことを吸収しごはんをいっぱい食べて大きくなるのみです。
ぜひご紹介したしつけの実践方法を参考に、ママが一番子どもに伝わる方法を探して、少しずつ「こうするといいよ」という程度に子どもをしつけてあげてください。
きっといつの日か「あのときはあんなふうに大変だったけど、あっという間だった」と笑顔で振り返る日がきますよ!