離乳食中期とは
離乳食中期とは、生後5~6ヶ月の離乳食初期を終了した後の、生後7~8カ月頃に行う食事のことを指します。
5~6ヶ月の赤ちゃんは、おっぱいやミルクと同様のさらさらとした形態の離乳食をゴックンと飲み込むことを目標にしてきましたが、
中期では少々粒が残っている食材でも、舌でつぶしてから飲み込むことを目指していきます。
離乳食中期の量や固さ
離乳食も中期になると、食材の状態はどの程度まで細かくする必要があり、また、回数はどのくらい食べさせればいいのでしょうか。詳しく解説します。
食材の状態:少しつぶが残り、赤ちゃんがモグモグしやすい状態
離乳食中期の食材の状態は、やわらかいつぶが残っている程度に調理します。
おかゆでいうと5倍がゆ(お米と水を1:5の割合で炊いたもの。別名:全がゆ)で、お豆腐の絹ごし程度の固さと思ってください。
ゴックン期のさらさらドロドロの食材を飲み込む練習をしてきた赤ちゃんには、最初はつぶつぶを少し少なめにし、徐々に多めに入れていきます。こうすることで、スムーズにモグモグ期へ移行できるようにしてあげましょう。
赤ちゃんのモグモグタイムは良く観察して、すり鉢でつぶしたり、スプーンの背で食材をほぐしたりしながら、無理なくおいしく食べさせてあげてください。
回数:7カ月も8カ月も2回食
離乳食中期の回数は、生後7カ月も8カ月も2回食です。
だんだんおすわりが上手になるなど、身体面での成長も著しいこの時期の赤ちゃん。
ママやパパとの食事の時間に赤ちゃん椅子に座らせ、一緒に離乳食を食べさせるなどして、ご飯の時間を一緒に楽しく過ごすというのもおすすめです。
赤ちゃんは安心して、「食事はおいしいもの」と認識できるようになりますよ!
離乳食中期に食べられる食材
離乳食初期は、ごはんやじゃがいも、パンといった炭水化物、野菜ならにんじんやホウレンソウ、かぼちゃなどを与えていたご家庭も多かったと思いますが、タンパク質源となる食品は、豆腐や真鯛などの白身魚しか与えることができませんでした。
中期になるとタンパク質源の種類が増し、以下のような食材を使えるようになります。
・卵黄
・プレーンヨーグルト
・鶏のささ身
・ひきわり納豆
主食となるうどんも、ごくやわらかく煮て粒状にしたものなら与えてOK。
大人からのとりわけも徐々にできるようになります。
また、味付けも初期では素材の味のみで与えることを目標にしていましたが、ほんのり程度なら味噌などを利用しても◎。
ただ塩分のとりすぎは厳禁です、赤ちゃんの内臓に負担をかけないようにする必要があります。
離乳食を進める間、ママやパパは赤ちゃんの便の様子や体調を良く観察して、無理なく赤ちゃんが成長していけるように注意を払ってあげましょう。
食材別のおすすめレシピ
離乳食の中期は、ゴックン期に比べて食べる量が増える上、使える食材も増えるのが特徴です。
そこで、とりわけも可能なメニューから赤ちゃん用の離乳食を作れるお手軽レシピを食材別にご紹介します。
多くの種類が使えるようになるタンパク質源の食品を使ったレシピも参考にしてください。
うどん
うどんは離乳食初期の後半、ごはんやジャガイモに慣れてからなら使用することもできる食材ですが、まだ使っていなかったというママやパパもいらっしゃるのではないでしょうか。
中期になると、生後7カ月なら30グラムくらい、8カ月なら50グラム程度は利用することができますので、「おかゆばかりで主食のレパートリーが少ないな…」という場合にも使いやすくおすすめです。
ママのうどんをとりわけ冷凍!やわやわつぶつぶうどん
準備するもの…くたくたのうどん、赤ちゃん用の和風スープ粉末(ベビーフード)、赤ちゃん用のとろみのもと粉末(ベビーフード)
- ママやパパがうどんを茹でる際、赤ちゃん用に必要な分量をお鍋に残しておきます。
自然とくたくたになるので光熱費も手間もかかりません。 - くたくたとやわらかくなったうどんを、みじん切りにするかすり鉢ですりつぶします。
- 赤ちゃん用の和風スープをお湯で溶き、2のうどんを中に入れます。
- さいごに赤ちゃん用のとろみのもとでとろっとさせてできあがり。
うどんはあまったら、30グラム程度の小分けにしてラップに包み、冷凍しておきましょう。
鍋にだし汁をはってあたためれば、すぐに解凍でき便利です。
また、写真のようににんじんなどのお野菜を入れると栄養満点ですよ♪
しらすのとろみうどん
準備するもの…冷凍にしたうどん約30グラム、しらす10グラム、赤ちゃん用の和風スープ粉末(ベビーフード)、赤ちゃん用のとろみのもと(ベビーフード)
- 茶こしにしらすを入れ熱湯をかけ塩抜きをし、みじん切りにするかすり鉢で細かくすりつぶす。
- 小鍋に冷凍しておいた赤ちゃん用のうどんと、1のしらす、赤ちゃん用の和風スープ粉末とお湯を入れ、弱火にかける。
- 軽く沸騰したら火を止め、とろみをつければ完成。
このうどんに、薄く輪切りにしたにんじんやブロッコリー約10グラムを一緒に鍋で茹でくたくたにし、すりつぶした上で混ぜ合わせても◎。
炭水化物、タンパク質、緑黄色野菜が一度にとれる上、栄養も満点です。
卵黄
離乳食中期から追加できる食材の一つに卵黄があります。
全卵(白身と黄身すべての意味)を使用するのは、離乳食後期に入ってからのほうが安全ですが、卵黄(黄身)なら生後7カ月頃から使えます。
分量は中期のうちは卵黄1個分が食事1回分の摂取目安となりますが、どの食材でも赤ちゃんに初めて与えるときは、少量ずつから始め、様子を見るようにします。
メニューに無理なく取り入れて、卵黄のまろやかな味も赤ちゃんに少しずつ覚えさせてあげましょう。
おかゆの固ゆで卵黄のせ
準備するもの…卵1個、赤ちゃん用の和風スープ粉末(ベビーフード)、赤ちゃん用のとろみのもと(ベビーフード)、5倍がゆ
- 小鍋に卵がかくれるくらいの水を入れ、沸騰させる。
- 沸騰したら、卵をそっと鍋に入れる。
- 固ゆでにするため、9~10分沸騰したままの状態で茹でる。
- 10分経過したら、ゆで卵を水にとり、少々放置。
- 粗熱がとれたら殻をむき、卵黄を取り出す。
- 卵黄をスプーンの背で裏ごしする。
- おかゆにそのまま卵黄をふりかけて与えるか、卵黄のごそごそが気になる場合は、赤ちゃん用のだしスープで卵黄をのばしとろみのもとでとろみをつけてから混ぜてもOK。
かんたんレンチン茶碗蒸し
準備するもの…卵黄1個分、赤ちゃんの和風スープ(ベビーフード)70ミリリットル
- ベビーフードの赤ちゃん用の和風スープを70ミリリットル分作り、人肌まで冷ます。小鍋に湯をわかし、かつおぶしで出汁をとっても◎。
- 卵黄はよくとき、冷ましただし汁とあわせ、良くかき混ぜる。
- こし器で卵液をこす。
- 3を泡立たないように静かに深めの耐熱容器に入れる。
- ふんわりとラップをし、電子レンジ500Wで1分あたためる。その後30秒ずつあたためを繰り返し、楊枝をさして卵液がついてこなければ完成。
かれい
モグモグ期は鮭やツナ缶などが使えるようになりますが、脂分が多い鮭の場合はいちど茹でて脂分を取り除く必要がありますし、ツナ缶も調理方法によっては食感がごそごそします。
そのようなときに便利なのが、かれいです。
地域によるかもしれませんが、煮魚用の切り身がスーパーで良く売られていますので、ぜひチャレンジしてみてください。
かれいのあんかけ
準備するもの…かれいの白身部分(10~30グラム)、ベビーフードのあんかけのもと
- ママやパパのメニューとして買ったかれいの切り身から、30グラムほどを切り離す。
- 鍋にかれいが入る分の湯を沸かし、沸騰したら茹でる。
- 茹でたかれいを取り出し、裏ごしするかすり鉢ですりつぶす。骨にはじゅうぶん注意する。
- あんかけのもとを湯でといて、とろとろにする。
- 3のかれいにあんかけをかけ、和えたら完成。
かれいの粉ミルク煮
準備するもの…かれいの白身部分(10~30グラム)、粉ミルク
- 上記に記した“かれいのあんかけ”の要領で、かれいを茹で、つぶす。
- 小さめのボウルに粉ミルクを湯でとく。
- 1のかれいにミルクを少しずつ入れ、お好みのつぶつぶ状態になるまで混ぜれば完成。
とろみがついた方が食べさせやすい場合は、とろみのもとであえてもOK。
お魚が苦手そうな赤ちゃんでも、ミルクの味なので興味を持ってくれるかもしれません。
この時期におすすめの市販離乳食
離乳食中期におすすめの市販の離乳食をご紹介します。
「食べさせてあげたほうがいいかもしれないけれど、あらためて離乳食用のメニューとして購入することを考えると、ちょっと躊躇してしまう」「作っても食べてもらえなさそう」と思ってしまいがちな食材ほど、ベビーフードが頼れる存在となります。
鶏レバーやささみなどのたんぱく質がとれるベビーフード
調理が難しそうな食材は、ベビーフードを利用しましょう。
和光堂 手作り応援 鶏レバーと緑黄色野菜
お湯でとくだけで1品できあがりますし、おかゆやうどんなどの主食に混ぜてみても。
和光堂 栄養マルシェ 洋風ベビーランチ
主食とおかずが1箱に入り、スプーンまでついている商品です。
栄養バランスも考えられていますし、何より外出先でもパパっと赤ちゃんに食べさせてあげられるのがメリットです。
温かいものを与えたいときには、ベビールームの電子レンジを借りてみても。
上手にベビーフードを活用しながら、ママやパパの息抜きも一緒に叶えてしまいましょう。
和光堂 手作り応援 おみそしるのもと
そんなときに参考にしたいのが、「おみそしるのもと」です。
ほんのりおみその風味が広がるので、いつものうどんの味付けに足してみたり、ゆで野菜をすりつぶしたものに加えてとろみをつけたりしても活用できます。
味付けの加減がわかったら、ぜひおうちのおみそ汁を薄めて、赤ちゃんの離乳食に利用してあげてください。
離乳食中期は絹ごし豆腐の固さや形状を目安に
離乳食中期は、初期からひとつステップアップした状態にします。
ゴックンと飲み込むだけの食事から、お口をもぐもぐ動かす程度まで進んでいきます。
少しずつ食べられる食材も増えて、順調に離乳食が進む赤ちゃんなら食べることに積極的になり始める頃ではないでしょうか。
ただ、気に入らなかったり気分がのらなかったりすると、すぐにプイッとしてしまうのもこの時期の赤ちゃんの特徴です。
「ごそごそしすぎたかな…」「飲み込めなかったのかな…」と心配になるときもあるかと思いますが、ママやパパはぜひ大きく構えて悩むことなく、ベビーフードも利用してみましょう。
日本のベビーフードは大変優秀で、赤ちゃんが食べやすいようにアレンジされていたり、1袋だけでビタミン類やタンパク質源が摂れたりするものも販売されています。
何よりもフリーズドライなどは、少しだけ使うことができる点も、無駄を省け助かる存在です。
ぜひご紹介したレシピなどを交えながら、赤ちゃんの離乳がスムーズに進むようお食事を用意してあげてくださいね。